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絶対血戦区域  作者: 千路文也
1st ♯4 ぼくらのヒーロー
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 旺伝はダニーボーイに勝てない。旺伝はローンレンジャーにすら勝てなかったのだから、それを上回る実力を持ったダニーボーイと戦うだけ無駄だった。なので力づくの勝負をしてしまえば完全に此方が不利の状態になってしまう。それを分かっているからこそ、旺伝は戦わずに解決をしようとしていた。そうするためには結局、話し合いでしか解決しない。本来人と人が戦うなんてナンセンスの塊だ。本当に賢い人間は殴り合いで物事を解決しようとは思わない筈だ。もしも自らの意志で殴り合いで決着をつけようとするのならば、それは脳筋と呼ばれてもおかしくない。しかし旺伝は自分を脳筋だとは思っていないので敢えて言葉で解決しようとしていた。


「なにがどうしても、俺はこの部屋から出るぞ。やらなければならない事はまだたくさん残っているし、それにこんな部屋に閉じこもるのは毎日徹夜をしている状態と同じだ。精神的苦痛が溜まって、絶望感に塗れやがて死ぬ。そんな毎日を過ごして楽しいと思うのか? 楽しい訳ないだろう。人間として生まれきたからにはおてんとうさまを浴びて、前を向く人生を歩みたい。それは誰しもが持っている欲求だと思っていたが、どうやらお前はそうじゃないらしいな。この俺を日陰の部屋に閉じ込めて、ゾンビのように死んでいくまで軟禁するのかよ」


 旺伝の不満が溜まるのも無理は無かった。元々、旺伝は自由を愛する人間なので開放感に溢れる生活に憧れるのが普通だ。それにも関わらず、このような部屋を用意されて「息絶えるまで此処にいろ」と言われたのだから文句を言いたくもなる。まるで余命宣告をされて大部屋から個室に回される患者のようだ。



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