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絶対血戦区域  作者: 千路文也
1st ♯4 ぼくらのヒーロー
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 人間はこれからどうなっていくのか分からない。決して人々も老害になりたくてなったのではない。そもそも人々が醜い老害へと変わるのは生得観念が影響しているので人間が醜い生き物に変わるのは必然的に生まれた時から決まっていると言っても過言はない。それだけ、人間には判断能力が生まれつき備わっているので、どんなに優れた環境で立派な成績を収めようとも根本的な性格は決して変わりはしない。旺伝達は傷つきながら生きていく内にその事を悟るようになっていたのだった。自分の性格は生まれつき決まっていて、多少の我慢は出来るようになるがそれでも自分の性格だけは絶対に変わらない。どんな人間も我慢と忍耐を覚えるのが精いっぱいなので夢中に仕事をする者もいれば、手抜きで仕事が成り立つと本気で思っている愚か者もいたりするので、どうしても醜い老害が増えていく。割合的に言えば老害の数は少ないかもしれないが、その強烈な印象と嫌味な姿が印象的過ぎて人々の瞳に強烈に印象付けされるのが老害の特徴である。誰しもが不安と孤独を抱えて生きているにも関わらず、奴等は自分だけが楽をしようと考えて生きているので絶対に奴等の言いなりになってはいけない。むしろ自分のライフコンパスが示している方角に向かって生きていく決意が必要だ。それは本当に嫌だと思った事は勇気を振り絞って断るのが必要だとも言える。自分の限りない人生に誘惑してくる全てを跳ね除けて、初めて自分は変われるのだ。


「老害が生まれるのはパチンコや酒、たばこが原因だと俺は思っている」


 そうなのだ。ほとんどの老害に共通しているのはギャンブル好きで短気な人間の点なので、これらの健康に害を与える物を排除していかないと何も始まらない。だが、人間には何かしらの娯楽が必要なので近年までこれらは生き残っているのだと考えられる。しかしだからと言って、明らかに健康に悪いのに依存するのは自分を破壊しているだけなので愚かな行為であるのは言うまでもない。特に煙草は百害あって一利なしとハッキリ言えるので、健康を重んじている旺伝は絶対に煙草だけは吸わないと心に誓っていた。そもそも喫煙者の言い分は「煙草を吸わなければどうやってオンオフを切り替えるんだ!」なので、意味不明である。煙草などに頼らなくても休憩する時には勝手に頭が切り替わる筈なのだが、喫煙者はどうやら煙草に依存し過ぎてオンとオフの切り替えをニコチン無しには出来ないようだ。あまりにも可愛そうで涙がチョチョぎれそうになる程だと旺伝は考えていた。


「確かにそうですね。特に煙草を吸う意味が分かりません。メリットが何も無いでしょう」


 ラストラッシュも同意見のようで喫煙者の存在そのものが意味不明だと言うのだ。煙草を吸っている人間を見るだけでも幻滅し、近寄りたくない。しかも奴等は人前で堂々と煙草を吸いたいと訳の分からない事を言い出すので非常に勝手で困り者だ。まだ吸っていないだけマシだが、一人になるとプカプカと吸い始めるので人として終わっている。辞めたいと思っても辞められないのは意志がどうこうの問題ではなく、頭がニコチン漬けになって廃人と化しているだけなので恐らく死ぬまで喫煙者の人間の方が圧倒的に多いだろう。その事を考えるだけでも旺伝は嫌になってくる。ただでさえ都会は空気が悪いのに、これ以上悪くなるのは御免だからだ。



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