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絶対血戦区域  作者: 千路文也
1st ♯4 ぼくらのヒーロー
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 耳を澄ましていると、ダニーボーイが画面に向かってブツブツと独り言を言っているのが聞こえた。独り言を言っている時は誰かに構って欲しい時か、不安を感じている時か、自分が満足している時の3パターンに分けられるのでダニーボーイは恐らく不安を感じて独り言を言っているのだろうと勝手な推測をする旺伝だった。しかし口数の少ないダニーボーイが不意に独り言を呟き始めるのは此方としても驚くばかりだ。そもそも彼は冷静沈着な性格をしているので独り言を呟くというのはよっぽどの事があったと考えられる。一体何があったのかと聞きたい旺伝だったが、元来人見知りで気にし過ぎの疑いのある旺伝には他人に声をかけるという行為はそこまで得意では無かった。そりゃ勿論、声をかけようという意志はあるかもしれないが言葉が口から出てこない。相手を思う気持ちが裏目になって、声をかけたくてもかけられないという最悪のパターンにはまりこんでいた。この人見知りの傾向は最近になって感じられるようになって本当に困っている。昔はそうでも無かったのに、会社員として働くことになって不規則な生活をしていると、どうしても精神的に弱ってしまい後ろ向きな考えをするようになってしまう。


 だからと言って、声をかけずに無視をするのも旺伝の性には合わない。無視と暴言を吐くのは一緒だと旺伝は思っているふしがあるので、無視をするのはダニーボーイに暴言を放っている事と同等の意味を現す。これは勿論、旺伝の中だけの話しだが、それだけに話し掛けようとしているのに無視をするのは自分の考え方に反抗しているようで非常にナンセンスなので、どうにか口を開いて言葉を掛ける旺伝だった。


 しかし、あまりにも緊張していたためか思うように言葉が出なかった。悪い意味での緊張感を感じてしまい、自分でも声が震えているのが分かった。人に話しかけるのがこんなにも難しい事なのか思い知らされるほどの恥ずかしさと脳内に感じてしまっていた。しかしだからと言って話しかけた事実は覆る筈もないので、身振り手振りを交えてなんとかコミュニケーションを図ろうとする。そうなるとダニーボーイはゆっくりと此方に振り返って、首を後ろに向かせて若干だが捻っていた。疑問に感じたのか、怒っているのか定かでは無い。むしろ両方かしれないが、とにかく機嫌が悪いのは確かだと妙に納得する旺伝だった。


「突然どうした。俺に話しかける暇があったら自分の仕事をこなせばいいだろう」


 図星中の図星だったのでとたんに何もいいかえせなくなる旺伝はその間は積極的に睡魔と闘っていた中途半端に眠いのは最悪であり、眠くないか眠いの判断からかんがえるとハッキリと眠いか、まったく眠気が無いのどちらかを選択せざる終えない。



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