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第六話 逃走のち逃走

 デミは寝ていた。現在朝、普通は起きる時間帯だがデミは逆に今眠り始めたところだ。

牢屋の中だがベッドはまともなものだった、むろん寮の部屋に比べれば簡素なものだが最近椅子に座ったままだったり馬上だったりとまともな場所で寝ていなかったデミにとっては最高の寝心地である。正直このまま牢屋生活でもいいかなと思ってしまった。

 校庭から聞こえる声にデミは少しだけ目をあけた。大声で数字を数える声、生徒たちがランニングをしているようだ。ハルもその中にいるのだろうか、そう思ったがハルは停学中であることに気がついた。


「デミさん・・・あら、眠っていますか。夜行性なところ申し訳ありませんが起きていただけます?」

「にゃ、むう・・・」

もともとデミは寝起きが悪いほうである。半開きの目で牢屋の外を見るとテルトがいた、隣には昨日質問攻めされたときに横にいた女性が立っている。昨日は立っているだけで何も話さなかったし誰なのかも知らない。

「眠いところ申し訳ありませんが今からキショーに向かいます、準備を」

「大学があるっていったあの場所ですか?ずいぶん急ですね」

「これ以上ここではあなたのことが分かりません、ここにあなたがいても無駄なだけです」

「ごめんなさいね、私もそろそろキショーに戻りたいの」

横の女性が初めて喋った、キショーの研究者のようだ。

「出発する前にハルとルメルさんに挨拶しに行っていいですか?それくらいはしたいです」

「ルメルさんはもう次の勤務地に行ってしまいましたよ。今はナーカの保安官ではありません」

「うーん、会いたかったのですけどね・・・」

「ハル君は停学中なのでそういうことはなるべくしてほしくなかったのですが、まあいいでしょう」

「恋人に別れのあいさつかな?」

女性がからかう。

「ち・が・い・ま・す!」

全力で否定した。

「とにかく早いほうがいいですし向かいましょう、馬車を用意しています。フルー君、開けてあげてください」

見張りの保安官はそれを聞くと鍵を手にしてデミの入っている牢屋をあけた。デミは大きく伸びをすると牢屋の入り口をピョンと出た。開放的な感覚である、ずっとこの中でもいいかなと思っていたが外は外で良さがある。




 ハルは自室にいた、窓をあけて外を見ていた。風にあたりたいからではない、その視線は学校の入り口に向けられておりデミが出てくるのを待っていたのである。

「チャンスは一度きりだ」

ハルはひと時も目を離すことなく入口を見ていた。

 しばらくすると入口に変化があった。奥から馬車が来ると入口にとまった、車にはキショー大学のエンブレムがある。ハルは唾を飲み込んだ、そろそろだ。


コンコン・・・


 ハルの部屋のドアをたたく音が聞こえた。窓の外ばかり注意していたハルはその音に少し驚いてしまった。一体誰だろう、生徒は今訓練中なので来るはずがない。

一体誰が来たのかと思いながらドアをあけるとそこにはデミが立っていた。

「デミ・・・」

まぎれもなくデミだった、ハルの目当ての人のデミだ。慣れ親しんだ人なのに少し緊張してしまう。

「どうしたの?まだ眠い?」

「いや、な、なんでもないよ。どうしたの?牢屋から出られたの?」

後ろにはテルトと見知らぬ女性が立っている、その女性の胸元にはキショー大学のエンブレムが刺しゅうされていた。

「キショーに行くんだね・・・」

察しがついた。これからデミはキショーに行く、行ってしまう。

「うん、キショーに行ってくるよ。何か分かるかもしれないし」

デミは笑顔だった。それから少し表情を変える。

「しばらく、サヨナラだね・・・」

デミとハルはいつも一緒だった、年も一つしか違わないし姉弟のようだった。

「・・・・」

ハルはあの日に村を出て行った、その日にヴァンパイアがナーカの村を襲ったと聞いてもう会えないのではないかと覚悟していた。でもまた会えた、だけどこのままだと本当に会えなくなる。

「ハル?」

ハルは動き出した。デミの手首をつかむと部屋の奥に走った。

「ちょ、ハル!」

「・・・・!」

ハルは開けていた窓から外に飛び出した、デミも慌てて飛び出す。腕を引っ張られていたのでデミは肩を窓枠にぶつけた、衝撃で窓枠が外れてしまった。デミはおもわず声を上げる。

「ハル君!ハル君!何をやっているのです!戻ってきなさい!」

テルトが叫ぶ。

「あら、まるでお姫様を助ける王子様見たい」

「イリバ先輩!そんなこと言っている場合じゃないでしょう!」

「まあ研究対象がなくなるのは困るわね」

イリバが頬に指を当てている。

「急いで追っかけますよ!」

テルト外に向かって走る。イリバはテクテク破壊された窓に向かった、窓には薄い緑色の液体が付いていた。

「あの子の血、緑色だったわね」

イリバはポツリとそう言った。通常ヴァンパイアの血は人よりも少し濃い赤色である。しかしデミがぶつかったその窓には緑色の液体がついていた。




「これから出かけるところだったのにー!」

ヴァンパイア襲来とは違う高い鐘の音が鳴り響く中、デミはハルに手を引かれていた。いつもとは真逆の立場だ。

「キショーに行っちゃダメだよ!絶対にダメだよ!」

「なんで!」

「あんなところ行ったら何されるかわからない!とにかく街を出よう!」

ハルは先日この街に来た時に入った扉から街を出ようとした。あの扉なら学校の敷地内にあるしすぐに街をでられる。


「うわぁ・・・」

ハルは思わず声を上げた。扉の前は保安官が少なくても10人以上待ち受けていた。

「先回りされているじゃん・・・」

デミは呆れていた。テルトが指示したのだろう。

「ほかの扉から出るか・・・」

「そんなこと考えているうちに完全包囲だよ、もう・・・」

既に2人の周りは保安官に囲まれていた。

ハルは鉄の剣を抜いた。

「さ、殺人沙汰にする気~もう勘弁してよ~」

「デミ、一気に行くよ」

ハルは走った、扉に向けて思いっきり走った。

保安官は剣を抜いていない、殺すつもりはないのだろう。しかしハルやデミを取り押さえようと腕を伸ばしてきた。ハルも威嚇のために剣を抜いていたが殺したくはなかった、剣は振るっていない。

 扉まであと少しだ、しかし当然ながら扉の前は最も保安官が固められている場所。この人数ではいくら剣を持って威嚇していても厳しかった、ハルは取り押さえられてしまう。

ハルの手からデミが離れる。

「デミ、デミだけでも行って!」

「私は普通にキショーに行きたいのにー!」

「キショー以外ならどこでもいいから早く!」

保安官は武器を持っているハルを先に取り押さえたかったのだろう、ハルは身動き取れない状況だった。ハルを取り押さえている数人を除いた保安官がデミにもかかってくる。ここまで騒ぎが大きくなってしまうと捕まったらただじゃ済まない、もう逃げるしかないようだった。

「もーわかったよ!逃げればいいんでしょ!」

デミは駆け出す、人間には追いつけない速さだ。デミは加速したまま扉に殴りかかる。木製の扉は少しヒビが入った。

「もうハルの、バカ!バカ!バカァ!」

デミはバカと叫ぶたびに扉を殴った。3回目のバカで扉に穴があいた。そこから手を使いヴァンパイアの馬鹿力で穴を広げると街の外に飛び出した。どこに逃げようか、そんなこと考えている暇はない。デミはそのまま真っ直ぐ走った。




・・・・・

「疲れた、お腹すいた、暑い、眩しい、ヒリヒリする」

デミは自分の抱える不満点を箇条書きのように次々口にしていた。厄日か、今日は厄日なのか。それにしても今日のハルの様子はおかしかった、学校の牢屋に入れられてからハルに会っていない、もしかするとそのあいだに何かあったのだろうか。あんなのいつものハルじゃない、本当に何があったのだろうか。

扉を壊したあとに全力疾走でここまで走ったのでデミは疲れていた。

「デミは人以上の速さで人未満の時間を走った、さてデミは一体どのくらい走ったでしょうか?」

デミは一人で数字の問題を出してみた、答えなど分かるわけない。それに問題を出したところで答える人などいない。

 気になることがもうひとつあった。ハルに引っ張られて部屋から外に出た時である、デミは窓枠に肩をぶつけた。傷口は一応ふさがっているがヘタにいじれば開いてしまうような感じだった。血は緑色、この間プロの町でヴァンパイアの血を見たときは確か赤かったような気がする。なぜデミの血が緑色なのかデミにはわからない。キショーの研究者らしきあの人なら分かるだろうか、結局あの人の名前もわからないままだった。本当なら自分のことを知りにキショーに向かいたいところだがハルに止められているしなにより場所がわからない。




ジョウォルから西にあるアチの町、通称職人の町である。保安官の使っている鏡の盾や太陽剣などのほとんどがここで作られている。

「ビスさん、ちょっと来てください。ジョウォルから鳩が来ました」

この町の新米保安官であるトート・フォンが伝書鳩で届いた手紙を持ちながらビスと呼ばれた男に声をかける。

「内容は?」

「ジョウォルで捕獲したヴァンパイアが今朝逃げ出した、各保安官は見つけたら捕獲する事・・・おかしいですね、朝ごろ逃げ出しているのですよ、この天気だったら普通は焼けていると思いますが・・・」

「はぁ・・・あいつか・・・」

ビスは溜息をついた。

「何か知っているのですか?」

「なんでもない、それよりも・・・」

「はい?」

「敬語はやめてくれるか?調子が狂う、確かに保安官としては俺が先輩だがこの町ではお前が先輩だ。普通でいい」

「ビスさん、しかしあなたのような人に・・・」

「それとビスという呼び方も勘弁してくれ、ルメルでいい」

ルメル・ビスはそういった。




町が見えてきた、しかし入るべきだろうかデミは悩んでいた。ジョウォルの街とは違って今回はルメルのようなクッション材はない、普通に入っても追い出されるのがオチだ。

「どうしようかなぁ・・・」

デミは独り言をつぶやく。

「おやヴァンパイア、お困りかな?」

「うお!」

突然後ろから声をかけられた、思わず驚いてしまう。振り向くと少し太っているおじさんだった。さっきまで誰もいなかったのに一体どこから出てきたのだろうか。

「もしかすると噂のヴァンパイアなのかな?」

「噂?」

デミが首をかしげる。

「ああ、なんでも特殊なヴァンパイアがこのへんを歩いているという噂が出ていてな、それっぽいものを見かけた上に喋れるみたいなので声をかけてみたわけだ」

「あー」

既に知らせがここまで来ているようだ。テルトが各地に鳩を飛ばしたのだろう、意地でもデミを確保したいらしい。そう考えるとハルが必死で逃がそうとした理由もわかってくる。きっとハルは研究目的に良くないことをされると思ったのだろう。

「ちなみに今アチの町に入ると保安官に捕まるだろうな」

当たり前である、そして捕まったらどうなるか。おとなしくキショーに行けばまだ楽だったかもしれない。

「そこで、君に抜け道を教えてあげよう」

「抜け道?」

「これだよ・・・」

おじさんが指したのは古井戸のようだった。中を覗いてみるとはしごがかかっている。

「さっきはここから出てきたのですか?」

「そうだよ、すこし用事があったものだからな。とりあえずこの中に入ってくれ」

おじさんに急かされてデミは古井戸の中に入っていった。


古井戸の中はトンネルのようだった、時折道が分岐している。人一人やっと入れるそのトンネルは暗い上に蒸し暑くデミの肌にはジュクジュクと痛みが走る。おじさんがランプをつけたのでデミは一瞬目を細めた。

「私はマルブだ。この町で太陽剣を作っている。君には天敵かもしれないな」

「デミ・テールです。ヴァンパイアに噛まれたと思ったら変なヴァンパイアになってしまいました」

「それは災難だったな、人が近寄りがたい存在になってしまって」

「ここはなんなのですか?古井戸のように見えますけど」

「一見そう見えるが実は違う。ここは昔に使われた蒸気のパイプラインだ」

「蒸気?」

デミが首をかしげる、蒸気といったら湯気のことだろうか。

「蒸気の力は侮れない、重たい風車を動かすこともできる。昔の話だが蒸気を使って生活を豊かにしようとする計画が起こった。町中に地下トンネルを掘って中央に大きな太陽石と水を入れる、それによって生まれた蒸気はトンネルを経由して町に巡らせてそれを動力に様々な物を作ろうという計画だった」

「だった?やめちゃったのですか?」

「ああ、ヴァンパイアが出ちまったからな。太陽の届かないトンネルは絶好のヴァンパイアの住処になってしまう、トンネルを掘ったことによる落盤事故の危険もあり結局計画は中止、理論上は可能だったのだが残念だ」

事故の危険がある、それとは別にデミは疑問に思うことがあった。

「でもここにヴァンパイアは出ないと思います。私から言わせて貰うとここはなんだか気持ち悪いです、肌がジュクジュクして溶けそうですよ・・・」

「確かにこのトンネルはムシムシ暑い、ドデカイ太陽石があるからな」

「太陽石?」

デミは聞いてみる。

「世界最大の太陽石その名も“大太陽石”がな」

「そのまんまですね」

「名前というのはシンプルな方がいい、複雑な名前にしてしまうとわかりにくくなる」

「そういうものですかね」

「大きな鍋に大太陽石と水を入れることで蒸気を出す予定だったのだが計画が中止、大きすぎて運ぶのが大変だから大太陽石は今も放置してある。大太陽石は常に日光に晒されるようになっているからその熱波のせいでこのトンネルはいつも暑くなっている」

「どのくらい強力な太陽石なんですか・・・ここまで熱波が来るなんて・・・」

「ヴァンパイアがこのトンネルに出ないのはもしかすると大太陽石があるからかもな」

マルブが立ち止まる、横の壁には入ってきたものと同じはしごがあった。




「ヴァンパイアにとっては暑さ倍増だっただろ?今水を持っていく」

はしごを登った先はマルブの工房の中だった。蒸気パイプラインはマルブとマルブの父親が計画したらしい。計画中止になったあとはトンネル内で落盤が起こらないか毎日見回りをしておりマルブはその途中だったようだ、父親は数年前に亡くなったらしい。

マルブがコップに水を持ってきた。デミはすぐに飲み干してしまった、あれ以上トンネルにいたら本当に肌が溶けていたのではないか。

「このアチの町は昔から職人の町と言われてな、昔からいろんなものを作っている。私は太陽剣を作っているがこの町は他にも歯車とかネジの職人もいる」

「本当に職人の町なんですね」

デミは窓から外を見た。街の中心らしき広場には大きな穴があいておりその中に大太陽石らしきものがあった、直径2~3mはあろうかという大きな太陽石だ。

「ヴァンパイアは太陽が弱点というのはヴァンパイアの出現からすぐにわかった。しかしヴァンパイアは夜行性、夜ではヴァンパイアを倒すのは苦労した。昔は長剣を使ってヴァンパイアの体を切断することで倒すのではなく無力化する戦法だった」

ある晩、ヴァンパイアに襲われた主婦がとっさに調理用の太陽石をヴァンパイアに投げたところヴァンパイアは嫌がった。このことから太陽石の熱もヴァンパイアに対して有効だとわかりすぐに保安部からアチの職人達に太陽石を剣にしてほしいと依頼が来た。しかし太陽石は加工が難しい、一定方向にまっすぐ綺麗に砕けるがそれ以外の方向は綺麗に砕けないし太陽石自体がとても硬くヤスリを使っても無駄、結局剣状に砕いただけで刃を持たない剣になった。

「私は刃を持った太陽剣を作っているのだよ、ヴァンパイアをより安全に倒すことができる」

「そんなことできるのですか?」

「太陽石を砕きまくって粉にしたんだ。それをヤスリにつけたらこのとおりだ」

マルブは立ち上がると作業台からひとつの太陽石を手にする。その太陽石は鋭く尖っていた。

「すごい、綺麗に削れている・・・」

「君にとっては驚異かもしれないな。既に一部の保安官に装備してもらっているのだが大変評判だ、あとは量産することができればいいのだがそれまでが大変だな」

デミは職人の意地というものを見た。きっとマルブはずっと刃のついた太陽剣を作りたかったのだろう。太陽剣が生まれて約5年、その間に技術はここまで進んでいたのだ。

「すごいです、すごいの一言です。ヴァンパイアに苦しむ人をこれで救うことができる」

「これだけじゃないぞ、別の工房では確か・・・」


コンコン・・・


工房の扉を叩く音が聞こえた、誰か来たようだ。

「正直この家で君を見られるといろいろ面倒なことになりそうだ。さっきのトンネルに・・・」

マルブは促す、デミはそれに従った、マルブを自分のことで巻き込みたくない。

「これを持って行ったほうがいいだろう」

マルブはキッチンらしきところに行くとひとつの水筒をデミに渡した。さっき水を飲み干したのを見て気遣ってくれたのだろう。

「いいか、このはしごを降りて最初の分岐を右に、その次の分岐は左だ。後はまっすぐ行け、モニの村につく。モニには保安官がいない、ここよりは安全なはずだ」

「ありがとうございます」

デミは挨拶をするとなるべく早くはしごを降りていった。




「いらっしゃいますかー」

扉を叩く音が聞こえる。マルブは扉を開けた、相手は先日この町に赴任した保安官だった。

「すいません保安官さん、すこし手が離せなかったもので」

「いえ、こちらこそ忙しい時にすいません。それよりも噂になっているヴァンパイアですが例のトンネルで見ていたりしていませんか?」

「先ほど見回りしてきましたが変わったところはありませんでしたよ。あのトンネル自体私しか通りませんし、ヴァンパイアは大太陽石の熱波が通るトンネルが苦手みたいです」

マルブは事実と違う情報を保安官に伝えた。あの子は保安官に追われている、保安官の様子を見れば明らかだった。見た目はヴァンパイアに近い彼女だが中身は人間のまま、しかもまだ子供である。追っかけ回すのはかわいそうだ。

「そうですか、ありがとうございます。では失礼します」

保安官は扉を閉めた。


「はぁ、デミのやつどこ行ったのか・・・」

ルメルはマルブの家から立ち去ると周りを見ながら歩き出した。トンネルを見つけていればその中を通るかもしれないと思ったのだが当てが外れたようだ。

 しかし何故デミがジョウォルを飛び出したのかがわからない、そして周りの町に知らせてまでデミを確保したいというテルトが気になった。

「俺以外の保安官に見つかったらただじゃ置かないぞ・・・」

ルメルは再びデミを探し始めた。その手には一枚の手紙が握ってあった。


“ジョウォルで捕獲したヴァンパイアが今朝逃げ出した、各保安官は見つけたら捕獲する事。対象のヴァンパイアは日中でも行動できるため十分注意。現状は人を襲うことはないと思われるが時間が経つとそれも保証できない、その場合最強最悪のヴァンパイアとなる可能性もある。研究目的に捕獲することが望ましいが状況によっては殺害でも構わない。このヴァンパイアの情報は住民に混乱を起こす可能性があるため伝えないこと。”


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