表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
同接0人のEランク探索者ダンジョン配信、なぜか神様や魔王様が見ている件 〜コメント欄が古代龍や魔王とかなんだが〜  作者: 仁科異邦


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/46

その後の事色々1


 協会の受付に入ると、田中係長が待っていた。

 レンとサクラを見て、係長は一瞬だけ表情を動かした。それからすぐに、いつもの淡々とした顔に戻った。

「神代くん、お疲れ。こっちに来てくれ」

 会議室に通される。


 サクラは初めて来る場所に少し緊張した様子で、レンの少し後ろをついてきた。



 話を聞くのは田中係長と、もう一人、女性職員だった。

 サクラが先に別室に案内されて、レンは係長と向き合った。

「配信ログは確認した。状況は大体分かってる」

「はい」

「サクラさんを置いていったパーティ、心当たりはあるか」

「顔しか見てないんで、名前は分からないです。装備はCクラス前後に見えました」

「そうか」

 田中係長はメモを取りながら続けた。


「非戦闘員を囮にしての離脱は、探索者規約の第十四条違反だ。証言と配信ログが揃えば、ライセンス停止もあり得る」

「そうなんですか」

「ああ」

 係長はペンを置いた。


「神代くんは今日、正しいことをした。それだけ言っておく」

「……はい」

「ただ一つ聞く。怖くなかったか」

 レンは少し考えた。

「怖かったです。でも行かないという選択肢が、なかったというか」

「なかった、か」

「声が聞こえたので」

 田中係長はしばらくレンを見た。

 それから小さく頷いた。

「分かった。今日はもう上がっていい」



 会議室を出ると、廊下にサクラがいた。

 別室での聴取が終わったらしく、目が少し腫れていた。

「神代さん」

「レンでいいですよ」

「……レンさん。あの」

 サクラは少し迷ってから、頭を下げた。

「本当にありがとうございました」

「いえ」

「あの、聞いてもいいですか」

「はい」

「なんで配信しながら助けに行ったんですか」

 レンは首を傾げた。


「配信は関係ないですよ。声が聞こえたから行っただけです」

「でも配信中だったじゃないですか」

「ダンジョンに入ったら配信するのがいつものスタイルで、あのとき配信中だったのはたまたまで」

 サクラはしばらく黙ってから、また言った。


「配信、見てもいいですか」

「もちろんです」

「ありがとうございます!」

 それだけ言って、サクラは頭をもう一度下げた。



 協会を出ると、空は暗くなっていた。

 レンはスマホを開いた。

 SNSの通知が止まらない。

 切り抜きの再生数が、さっき確認したときより増えている。

 コメントを流し見すると、置いていったパーティへの批判と、レンへの応援が混在していた。

 その中に、見慣れたアカウントからのメッセージがあった。

 霧島アリサから。


「今日の配信、見てました。よく助けに行きました。ただ無茶はしないでください。あと、置いていったパーティの件、協会内でも動いてるので大丈夫です」

 続けてもう一件。


「それと、コメ欄のバハムートさんたちに、私からもありがとうと伝えてもらえますか。今日も的確でした」

 レンは少し笑って、返信した。

「伝えます。ありがとうございます」



 翌日の配信。

 レンが開口一番、コメ欄に向かって言った。

「昨日、霧島さんからみなさんに伝言を預かりました。ありがとうございましたって」


【古代龍バハムート】:……そうか

【精霊王シルフィード】:アリサさんから!!えへへ

【魔王ゼルディア】:律儀な娘だ

【雷神トール】:当然のことをしただけだ

【賢神ソフィア】:レン自身の判断あってのことだ

【戦神アレス】:昨日は良い動きだった

【死神ネクロス】:仕事にならなくて何よりだった


「死神さんが毎回それを言うのが、なんか僕は嬉しいですよ」


【死神ネクロス】:…そうか

【新規さん】:死神さんが照れてる

【死神ネクロス】:照れていない

【ダンジョンオタク_ケイ】:昨日のサクラさん、その後大丈夫でしたか

【探索者見習い_ハル】:気になってました


「協会でちゃんと話を聞いてもらえたみたいです。置いていったパーティの件も動いてるって聞きました」


【ダンジョンオタク_ケイ】:よかった

【探索者見習い_ハル】:ほっとしました

【新規さん】:あのパーティ、どうなるんですかね

【新規さん】:規約違反らしいって聞いたけど

【kirishima_arisa】が入室しました

【kirishima_arisa】:おはようございます。パーティの件は現在協会が調査中です。詳細は言えませんが、ちゃんと動いてます


【新規さん】:アリサさんが教えてくれた

【新規さん】:このチャンネルの情報速報性がやばい


「アリサさんおはようございます」


【kirishima_arisa】:おはようございます。今日はどこ行くんですか


「昨日行けなかった南エリアの続きです」


【kirishima_arisa】:一人ですか?


「いつも一人ですよ」


【kirishima_arisa】:……そうでしたね(心配なんですが)

【新規さん】:アリサさんの括弧書きに心配が滲み出てる

【精霊王シルフィード】:アリサさん優しい!

【古代龍バハムート】:心配は要らん

【kirishima_arisa】:バハムートさんはなぜそんなに自信があるんですか

【古代龍バハムート】:見ていれば分かる

【kirishima_arisa】:(この人やっぱり何か知ってる)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ