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言吹祈の日記帳  作者: 言吹祈


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25/28

2025/12/22(月)-2026/01/02(金)

2025/12/22(月)


今日はカジノの会議に参加した。年末のあれこれについて、沢山お話合い。


この一週間か二週間ぐらいで、あまりにも沢山やることがあるな。


話し合い終わった後は、病院横で救急隊の皆の雪合戦に少し参加。


やってる間にめるさんが誕生日だとツイートをしたから、救急隊の皆で「早く言え」と文句の電話をしながらバイクディーラーさんに連絡をしてウルフズベインを買った。


こっそり送ったところで、体力の限界が来て帰宅。


昨日から頭痛がずっと止まらない。薬を飲んでも和らがなくなってきた。


また薬が欲しいと言ったら、あさひくんは怒るだろうか。



2025/12/23(火)


もうすぐクリスマスだ。次救急隊に出勤するときはクリスマス当日だから、何か配る物を買いに行って会う人に渡していこうか。


クリスマスなんて、日本にいる頃は馴染みのないものだった。


一年で人の心は変わるものだな。


この日記帳も、去年のクリスマスの時期にあさひくんに貰ったものだったか。


書き続けて、随分と表紙の革が柔らかくなってきた。


書けなくなるその時まで、ずっと書き続けよう。



2025/12/24(水)


今日は家で事務作業をした。


今年の仕事納めはやっぱり日本に帰る日の前日になりそうだ。


最後の最後まで沢山やることがある。


動く理由がある方が助かる。


全てが終わってしまったら、抜け殻のようになってしまいそうだ。



2025/12/27(土)


今日、日本に帰る準備を済ませた。


今年も家に帰ったらルパンは怒るだろうか。


半年僕の存在を忘れて、見た瞬間に思い出して不在を怒り始めるとは、猫というものは面白い生き物だなと思う。


あと何回ルパンに会えるか分からない。


一緒に居ないことを選んだのは僕だ。


一緒の時間を噛みしめたい。ルパンよりも早く死ぬことはないようにしたいなあ。



2025/12/30(火)


今日の早朝、日本へとやってきた。相変わらず家は変わらない。


ルパンはこの半年の間、舞姉さんの部屋に住んでいたらしい。人のいない僕の部屋は寒いからだろう。


姉さんは少しやつれて見えた。それはそうだろう、こんな家に、こんな場所に、僕が姉さんを一人残してロスサントスに逃げてしまっているのだから。


ふとした時の面差しが、ロスサントスの涼姉さんに似て見える。血縁とはこういう所に現れるのだろうか。


昨日会ったのに、もうずいぶんと前に会ったような気になってくる。


早く全てを終わらせて、早く姉さんやあさひくんや皆に会いたい。



2026/01/01(木)


どうせ夜には書けないから、朝のうちに日記を書いておく。


今日は早朝から儀式の準備をする。


清めをして、それから本番だ。


神様に舞を捧げること、これが僕が生まれながらに持たされた使命なのだから。全うしなくてはならない。


(ここから下はこれまで書かれていた祈の字とは違う、細く少し震えた筆跡で書かれている)


祈が緊急搬送された。神楽を済ませたあと、お社の奥で倒れているところを職員が見つけた。


今は病院で集中治療を受けているみたい。呼吸が弱くなってはゆっくりと回復していくことを繰り返しているとのこと。


前回の検査よりもはるかに心機能が弱くなっているんだって。現状を健康状態まで回復する大規模な手術は日本ではできないと担当医から言われたと伝えられた。


私は病院までついて行くことを許されなかったけど、祈が熱心に日記を書いていたようだから、付き添いの職員からの連絡をこの手帳に記録する。舞



2026/01/02(金)


(前ページの後半と同じ筆跡が続いている)


祈が目を覚ましたと連絡が入った。祈の心臓では、今回の神楽を乗り切るだけで精一杯だったとのこと。


元々、10歳まで生きられれば運がいいと言われた子だったから、その倍も頑張ってくれた。


私はこれ以上無理をすることはできないと思う。これは血を分けた姉のカンかな。


どうか、あなたの居たい場所に居てほしい。こんな、祈を跡継ぎとしか見られない人たちに囲まれて、祈の嫌いな病院で過ごすんじゃなくて。


生まれて初めてあなたが活き活きと思い出を語ってくれた、あなたが愛する街で、愛する人たちに囲まれて居てほしい。


私は幸い大事な人に巡り合えて幸せだから、私のことは心配しないで。


あなたを「坊ちゃん」じゃなくて「祈」「アーサー」って呼んでくれる場所に帰りなさい。


あさひさんと涼さんによろしく伝えること。舞

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