表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
PR

ルームメイトの悪役令嬢はBLの薄い本がお好き

作者: 倉木おかゆ
掲載日:2024/12/28

「ジョセフィーヌ! ジョセフィーヌ! ああ、ジョッセッフィーッヌッ!!」


 ルームメイトのフランシスカが、私の名前を叫びながら部屋に飛び込んできた。


「どうどう。フランシスカ様、どうなさったの? そんなに鼻息を荒くされて」


「聞いてくださる? ジョセフィーヌ! わたくし信じられませんわ。本当に信じられませんわ!」


 フランシスカは興奮している。私は、なだめるように冷静な口調で話す。


「落ち着いてくださいまし。フランシスカ様。いったい何がありましたの?」


 私の声でフランシスカは落ち着きを取り戻す。興奮した理由を説明する。


「先ほど教室で、女子たちが1冊の薄い本を読んで盛り上がっておりましたの。何を読んでるのか、わたくしにも見せてくださるようお願いしたのですわ」


 フランシスカは再び鼻息を荒くした。


「驚きましたわ! わたくし度肝を抜かれましたわ! その薄い本は、殿方と殿方があられもない姿で抱き合っておられましたの。そして、あんなことやこんなことをなさっておられたの! いったい何ですの? あの薄い本は!?」


 あー、お嬢様には刺激が強かったか。私は薄い本について説明する。


「フランシスカ様。それは、BL。いわゆるボーイズラブと呼ばれる漫画の同人誌ですわ。成年向けの大人の本ですの。フランシスカ様がお読みになるものではありませんわ」


「あら、そう。時に、ジョセフィーヌ。あなたが夜中にこっそり書いている小説もBLの同人誌なのかしら?」


 私は驚愕する。心臓が止まりそうなほど。背中に冷たい汗が流れる。


「ななな、なにをおっしゃっているんですか? フフフ、フランシスカ様」


 フランシスカは1冊のノートを取り出した。そのノートには見覚えがある。私のノートだ!


「ジョセフィーヌ! ああッ、いやらしいジョセフィーヌ! このノートにあなたが書いてるのは、わたくしの婚約者アンソニーと騎士見習いのパーシバル! 2人の殿方があられもない姿で、あんなことやこんなことをなさっているのが書かれていますわ! どっちが攻めで、どっちが受けですの? 答えなさい! ジョセフィーヌ!」


「ひいぃぃぃーッ! フランシスカ様ーッ! お許しをーッ!」


 私は思わず絶叫して許しを乞う。


「決めましたわ! ジョセフィーヌ。わたくし、このノートに書かれていることを同人誌にしますわ! 学園中に広めますわ!」


「やめてえええーッ! それだけは、それだけはーッ! お願いします! 何でもしますからーッ!」


 私の声が虚しく響いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 面白かったです。  最初、なだめていた(傍観者のようにしていた)ジョセフィーヌも「そっち側の人間だった」ってとこと、ラストシーンで冒頭の静かな雰囲気をひっくり返すとこが特に面白かったです(私もR1…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ