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第一王子のロイヤルサバイブ 乙女ゲーは情報過多  作者: まるいのあっと


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25/26

◎不夜城 昼 王子様はランチタイムも《サバイバル》④

お読みいただきありがとうございます

 中ボス、乱入。

 王位継承権争いはますます激化の模様です。

そして魔道師のヨナス バッハ氏、見事南の辺境伯と名前被ってました。申し訳ありません!

 南の辺境伯、改名します。エリアス ヨナ シュヴェールトヴァール卿になります。

 エリアス様、ナンパなイケメン。

 乙女ゲームの攻略対象になれるのか? 

 

 ◎兄上の敵は殲滅対象④ 側妃、襲来。

  シュピーゲルング兄妹のターン! (誰?)


 王子達は教育に悪いので仕舞(しま)っちゃいました。

  

 扉前の歩哨を罵倒し、乗り越え、コワモテ侍女三人と挙動不審な昼の宰相(仮)、ふっくら第三王子を引き連れて厄災はやってきた。

 悪言罵言を憚らず、声高に撒き散らしながらやって来るそれは。

 側妃という名の、歩く厄災。

 

 当然の権利というが如く、部屋の主の所在確認も入室の許可も得ず、問答無用で扉を開け放ち乗り込んで来た。

 

 カチコミかよ! 


 俺はアイン殿下を隠した扉の前で叫びそうになった。

 

 襲撃前に辛くもアイン殿下やツヴァイ殿下を別室に隠した連携は素晴らしかった、が、シュピーゲルング姉弟と仮縫い中の殿下の衣装は隠せなかった。

そっと部屋の隅に寄り(私共は家具〜)となった姉弟、徹底抗戦の構えで室内に残った宰相、何故か平常心でソファに寛ぐ南の辺境伯家他、側妃の乱入にそれぞれの立ち位置で冷ややかな視線を送る。

 

 が、当人達は結構人数いる(護衛騎士もいる)周り(ギャラリー)を気にする事なく、気にする神経が壊れているんじゃないかと疑われる勢いでずかずか上がり込んで来る。

 

 此処は王族である第一王子の離宮、側妃の管轄の後宮では無い筈なのに強気な側妃。

 …礼儀作法は親子共々死滅したらしい。

 アタマイテェ。


 不届き者は追い出していいんだよな? 宰相。

 目が合う。

 嫌々な顔の宰相、側妃を止めるため臨戦体制を取ろうとした所を宰相の目の前のソファでふんぞり返っていた南の辺境伯、エリアス ヨナ シュヴェールトヴァール卿が面白いものを見たいという風に宰相の袖を引いて止めた。

 

 オイ?

 

 ナニ止めてんだよシュヴェールトヴァール卿。

 ウチの殿下舐められて黙っている気はないぞ。

 オラつく俺様、暴れるぞ?。

 

 「此処にゴルブラン織とミルシクルの生地が届いている筈、こちらに寄こしなさい」

 めちゃ胸強調させて居丈高な物言いをしてくる第一側妃。

 

 「何語? 」

 ●タバの注文の時の召喚呪文?

 

 俺が聞きなれない単語にあっけにとられているとバリエが肘でつつく。

 「ゴルブラン織もミルシクルもお前んとこの特産品だろ! ゴルブラン織は東の辺境に生息する蜘蛛魔虫シュピンネの糸を染めて織った布、ミルシクルはワームの一種シクルが繭にするため出す糸で織った布!」

 しっかりしろ四男坊! と小声でどつかれた。

 

 あーー 前に聞いたことがる。

 

 東の辺境は獣型の魔獣は少ないが虫型の魔虫が国境沿いの緩衝地帯にわんさかいる。

 そのなかでも草食で比較的大人しいミルミルミルク(ミルシクル)シュンシュンナントカ(シュピンネ)を捕獲して冒険者ギルドに持ち込むといい金になると。

 実家(ミネルバ家)が捕獲した虫を飼育し糸を取るために冒険者ギルドに大量に買取依頼を出しているらしい。

   

 東の辺境伯家の特産品。

 

 なめらかな手触りと美しい光沢の布と織の加減で光の屈折から何やらの関係で華麗な模様が浮かび上がる技術を開発したら豪華な布が出来た。

 今年の春の大夜会で長男と母上がそのミルクルクル(ミルシクル)シュピシュピ(シュピンネ)の糸で作ったドレスと衣装で参加したんですと、まあ顧客やら商会へ宣伝なんすけど。

 だが、大夜会で側妃がえらい喰いついてきて揉めたらしい。

 何を揉める?

 で、母上キレた、キレて側妃にウチの特産品は渡さない宣言をした…らしい。

 そのせいで量産体制を取りやめ注文生産に切り替えられたという。

 夜会での女性同士の喧嘩で生産ラインを変えられたなんて、量産体制で準備していた商会は大変だったらしいが、なんと! その喧嘩が宣伝になり予約年待ちの超高級品になってしまった。

 と母上と取引先の商会の奥様がザマァと高笑いしてた。

 虫様、重畳重畳 と。

 母ちゃん達、強い。

   

 あれか(笑)

 

 「あれ、受注生産品だから注文してから年待ちしないと手に入らないはず」

 それもウチの息のかかった服飾店にしか卸してない。

 懇意にしている貴族家にも多少試供品として配ったが側妃の家と敵対派閥の貴族家ばかりなので入手は困難だろう。

 

 はっはっは!

 なるほど。

 手に入れたい、だから何処からかアイン殿下の何処に服飾師が布持ってやって来た情報入手して慌てて強奪に来たか。

 「物欲強そうだからな側妃」バリエが呟く。

 

 乱入する側妃に、いつもは影の薄い侍従が前に出る。

 「誰の許可を得て主が留守の間に勝手に私室に押し入っていらしたのでしょうか?、あまつさえゴルブラン織とミルシクルの生地よこせだのと言うのは如何なものでしょうか? 」

 

 「逆らうなど不敬よ! 私を誰だと思っているの!」

 お前ら強盗かよと、遠回しに言われても聞く耳はないらしい。


 「第一側妃様のエミリア様であらせられるのは存じておりますが準王族としてのその振る舞、如何様なものかと愚考します。」


 「王命よ!」


 ギョっとする一堂。

 おい、誰の発した王命だよ?


 「国葬を執り行うために主な服飾店にゴルブラン織とミルシクルの生地を提出するように命令されていた筈よ!」

 

 知らんがな!

 横のバリエがそっぽ向いた?

 はい?

 

 いや、誰が発した何の為の王命よ、側妃のドレスになるんじゃないか?

 こちらも国葬を執り行う為に必要なんですがね?

 「…不思議な話ですね、国王が崩御し未だ王位継承者が決まっていないというのに誰が王命を? 」

 「国母となる私が言っているのです、王国の為に早くゴルブラン織とミルシクルの生地を供出しなさい!」

 いや、貴女の息子様が国王になる確率はかなり低いのですが。

 というか、なんでそんなに必死?

 揉めてるスキに針箱とトルソーを片づけようとしていた双子と小エビ女子をギッと音がする勢いで睨むとそちらにズカズカと走り寄る。

 が、侍従、バリエ、小エビちゃんに阻止される。

 「そのゴルブラン織の喪服を寄こしなさい! これは命令よ! 一介の服飾店の平民の店員が逆らうなどと許されると思うの!」

 ちょっと見ただけでゴフゴフ(ゴブブラン)織だとよく分かったな側妃。

 怖い! なりふり構わない側妃はホラー映画の●子?。

 「その喪服は国王となる ドライド ハンター ノイエクラッセの為のものよ!」

 部屋にいた人間ドン引き。

 14歳、にしては大きい体躯、ちょっとふっくらさんのドライド殿下では10歳だけど8歳身長、細くて筋肉つくだろうか心配なアイン殿下の服はどれだけお直しし布を足してもサイズ合いませんよ絶望的に。

 

 国王予定と言われた本人、バリエや俺らから一生懸命目をそらせる とても子供らしい仕草だが王族としてどうよ?

 ウチの王子様なら睨み返すな。

 気が強いとか傲慢とかの意味ではなく、王族が臣下に舐められたらヤバイから。

 

 ああ、でも正論で来る大人、怖いよな にやり。

 第三王子と目が合った にやり、慌てて目を逸らされた。

 俺は怖いかーー にやーり。

 幻覚剤空気中にばら撒かれて暴れたの、見たよな〜? にやーり。

 「命令を聞かないなら王命をもってして一族郎党叩き潰されても文句言えないわよ」

 眼を離した隙にヒートアップしている側妃。

 王命を記したというちょい厚手で高級そうな用紙を金科玉条の如くかざし口角泡を飛ばす勢いで喋り倒している。

 

 現国王は王位を拝命した時、玉璽を、仕事を宰相に丸なげした。

 玉璽を王以外が使用する際、王と宰相と元老院の認可がいる。

 元老院ではアイン殿下が玉璽を使用することを良しとしなかったが宰相が指名したことで渋々だが玉璽の使用が認可された。

 

 あの国王に勝手に使用されるよりはマシと。

 

 ということにしているが他に仕事出来る人間がいなかった。

 

 …当時5歳児童に何させてんだよ。

 

 第一側妃は現国王が王位に就いた時も第一側妃のままだった、もう儚くなっていた王子妃であるアイン殿下の母上を死亡のまま王妃にし、第二側妃を代理妃とする。

 

 その二点だけ、国王は賢明であったと評価されている。

 それだけ。

 

 学園時代から国王陛下にくっついて上手いこと側妃になった第一側妃。


 地位と散財に固執し側妃教育も礼儀作法も怪しいまま…噂には色々不備を聞いていたし、実害も出ていたので第三王子を国王にするのは大分ムリがある。

 今のこの状況見ただけで如実に実感される。

 

 …悪事を働くにも頭悪すぎ。

 

 この現状、そろそろ誰かが出ないと不味くね?

 双子が荷物を背中に隠して立ち上がると健気にバリエや侍従の横に並んだ。

 

 「我々には王命を受ける理由がありません」

 「大体我が商会は服飾店ではありませんので服飾店向けの命令など適用外です」

 

 あれ?


 「我が商会は()()()()()()で、商品として取り扱われる人形の着替用衣装と揃いの子供服をと望むお客様の要望を聞いて作るオーダーメイドのみ、ゴルブラン織とミルシクルの生地は人形とお揃いの衣装を作るために取り寄せたもので大人サイズのドレスや衣装を制作するほどの量は取り扱っていません。」

 「あるだけ寄こせばいいのよ! 」

 強盗だ! 強盗が出たぞ王宮内に。

 直も食らいつく側妃、そんなにブラブラン(ゴルブラン)織の衣装が欲しいのか?

 側妃、苛ついたのか狂暴化してきている。

 誰か! 警察を呼んで! …と、俺らが護衛騎士だ(笑)

 

 「それではそのトルソーにある仮縫いの服は何? 第一王子の喪服でしょう! ならそれを第三王子用に仕立てなさい! 」

 

 暴論! もしかして第三王子も喪服ない? 第三王子14歳ならもう冠婚葬祭に出席する年だから品質維持費から喪服用意していてもおかしくないだろうが。

 

 もしかして息子の品質維持費も自分のドレス代に使いこんでいたのか、この母親は

 

 「これはアイン殿下のバトルフィギュアと揃いの戦闘服を作る為に用意した布地です!」

 ごふっと誰かが吹いた。

 いや、複数個所で皆吹いた。

 

 バリエが両手で顔を覆っている。

 「思い出した、あれ…東の辺境伯家から商会が試供品として貰った布だ」

 試供品…ああ、いつも新しいものが出来るとお試しに配ってるアレ。

 親しい家や寄子の家や名前の売れている知り合いにモニター兼宣伝要員として配っているモノ…お役に立っているようで幸いです。

 背後の扉の向こうで誰かが取り押さえられているような気配がする。

 ひーひー笑いを抑えきれない声も。

 殿下我慢です!

 

 双子の姉がお針箱と思っていた箱をごそごそして人形を一体取り出す。

 人形の胴体鷲づかみっ、乱暴な!

 てか、それ、何?


 恐ろしい答えが双子姉の口から飛び出す。

 「アイン殿下バトルフィギア零号機っす! 」

 ジャジャジャジャーンと効果音がしそうなキメポーズで差し出された其れを見たバリエ、せっかく立ち直ったのにヒザから崩れた。

 っす、って…っす ぶほぉ(笑)!

 

  てか、バトルフィギアって何? 

 

 人が…それも貴婦人が前世の埴輪のような顔になるのを初めて見た…。

 理解できない単語に反応できないようで…。

 側妃、口が開けっ放しです。

 

 バトルはわからんがともかくフィギュアだ。

 第三護衛騎士団の制服を司令官風にゴテゴテに装飾した黒服を着た球体関節人形。

 かわいい? アニメキャラみたいにちょっとデフォルメされてる。

 え? えええぇ! いつの間に?

 アイン殿下の悪の司令官バージョンのフィギュア!

 あれですか? バルトとかバリエの人形も作って悪の司令に命令される部下の図とか作れます? (俺のは作らんでいいから)

 

 ちょっと欲しい。

 

 手足動くよ、双子姉、人形の手を持ってふりふりさせている。

 もしかし着せ替え可?

 

 かぼちゃパンツ履いてるの?!

 

 

黒パンツはファッションリーダーになれるか?


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