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第一王子のロイヤルサバイブ 乙女ゲーは情報過多  作者: まるいのあっと


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24/26

 ◎不夜城 夜明け 王子様の王宮内生存戦略《サバイバル》③

お読みいただきありがとうございます

アイン殿下10歳、殿下パートで語ろうとすると…なんだか世知辛い話になります

何故でしょう? ミネルバ卿の時はキヤッハーな話になるのに…

コレがキャラが一人歩き始めて暴走する感覚なのでしょうか…

(いや違う)と誰かのツッコミが…。

 ◎第六天使降臨! 兄上の敵は殲滅対象③((おこ))。

  

 いつも何かあったら頼ってくださいと口癖のように言ってくる護衛騎士共が全員眼をそらせる。

 

 「護衛騎士なのに全員兄上に対して不敬」

 ツヴァイ、本気の不敬だ。

 私が寝ている間に何があった。

 

 「殿下が人間不信になる前に双方離してあげてください」

 シゴデキ侍女がぽいぽいとツヴァイとアイルを引き離してくれた。

 ついでに護衛騎士どもにケツキック。

 ありがとう! ライラー女史、流石シゴデキ侍女 この中で一番頼りになる。

 護衛騎士共は尻を摩りながら今更ながら頼ってくださいという顔でこちらを観てる。

 

 が、要らないかな。

 

 ツヴァイはポイされたタイミングで南から連れて来た自分付きの侍女と護衛騎士に別室で身支度を整える為拉致られていった。

 細くたなびくツヴァイの「あ~に~う~え~」の声が隣室に消える。

 

 甘やかしてはいけない うん、兄離れさせないと。

 うんうん。

 

 にやんにやん(ニヤニヤ)してるアイルの報告。

 「昨夜の図書館棟襲撃事件と身代わり人形真っ二つ事件を指図したのはヨナス氏の上司の魔導師師団団長でした」

 呼び名、長いな 魔道師師団団長?。

 「魔導師の派遣を依頼しに行った時、化け物を守る魔導師などいないとアイン殿下に言い放った魔導師長か」

 吐き捨てるように呟くミネルバ卿、深く根に持っているようだ。

 「ディー…じゃない、ミネルバ卿が「処す!」と息巻いていたのに卿の兄上に先に処されちゃいましたねぇ」

 アイルの尻尾がヤレヤレという風に動いている。

 ちょっと尻尾止めて、話より眼が尻尾を追ってしまう。

 みょーん みょーん…。

 と、ゴホン… アイルとミネルバ卿がにまにましているのが見えてしまった。

 えーと…。


 「彼の御仁がコネ出世なのは有名な話ですよ。」

 有名なのか それ、どうなの。

 「()()の主家が依子の家の中で一番魔法が使える()()を無理矢理魔法師師団に捩じ込んでトップに据えたんですから、幾ら面倒事が苦手でトップを押し付けあっていた研究者の集まりでも腹に据えかねる物があるんじゃないですか」

 ()()の主家というのが何処の家か憶測出来て頭痛い。

 「最低限の仕事すら出来ない、魔導師として研究もつ実績もないと、流石に魔導師部隊の団長を務めるには問題有と他の貴族家からの苦情もありましたから、見せかけだけでもと功を焦って失敗したものでしょう」

 「私の暗殺が功績になるのか? 」

 沈黙。

 沈黙の意味を考えていたら業を煮やしたシゴデキ侍女がその場で身支度を始めた。

 …いや…いいんだけどね…。

 「寝室はまだ使えないのか? 」

 聞いてみた。

 「いえ、ベッドも運びなおしましたのでお使い頂けます」

 眼帯を外す。

 顔を洗うのではなく、暖かいタオルで拭かれて髪をとかされる。

 「話を続けても? 」

 アイルがせかす。

 

 この場から離してはくれないようだ。

 

 「ヨナス氏が最近研究していた高速移動方法がカタチになってきたことに注目を集めていたそうで」

 「あの筋肉痛移動方法? 」

 ミネルバ卿が微妙な顔をしている なんてタイトル付けているんだ。

 宰相に担がれて酔った私を最速でトイレに連れて行ってくれた魔法、よく覚えていないが移動にあのスピードが使えるなら便利だろう。

 「移動するための力場の上に移動させるものを固定させる足場を作り、走らせるのだそうだが、人間やある程度高さがあるものを乗せる場合、重心の高さで固定する設定が難しく、体幹を中心に持ってきて固定するなどの魔術が必要だそうだけど、その術式がまだ甘く、筋肉で補うため、全身筋肉痛に襲われるらしいにゃん」

 全身筋肉痛…。

 「…使えるのか? その術式」

 短距離や直線移動には便利そうだが曲がり角とかどうなるんだろう? 不謹慎な想像で腹筋に力を入れないと吹き出しそうになった。

 「改良の余地はありますが現実すれば兵站の運搬、移動が画期的だそうですにゃん」

 小難しい話に〈にゃん〉の語尾が私の腹筋を試しているのか。

 「演習地で実験していたのを大勢が観ていたので、〈そういうものがある〉と広がって魔法の概要も漏れている」

 「それが自分の研究だと発表できれば魔導師師団長の面目躍如ですね」

 魔法攻撃でアイン殿下を狙った魔導師師団長は部下のヨナス氏の研究と手柄を奪うためにハメたようだが…。

 「ヨナス氏の実績を略奪するのと私の暗殺計画に何の関係が?」

 わからん。

 「…魔導士師団長の実家は側妃の実家の寄り子の子爵家だそうで」

 言いにくそうな宰相、()()か、何時ものコトかとダメージはない。

 さっきの沈黙はそういう意味。

 

 多分、私の首は功績というより手土産みたいなモノになるんだろう…軽いな、私の命。

 シャツの下に付けている玉璽を握りしめる。

 つけっぱなしで寝ていたので角が当たる部分が少し痛い 跡になっているのだろうか。


 「あ、魔導士団長はヨナス氏を囮にして捕まえたから、暫くは魔法攻撃ないよ?」

 え? 囮?

 私が囮という言葉に驚いているとアイルがにんまり笑う。

 「ヨナス氏に偽の手枷をつけてバルト卿と一緒に練り歩かせたら自分から煽りに出て来たにゃん」

 「まってましたと、逆に煽りに煽って自供させてバッチリ証拠画像取らせて貰ったにゃ!」

 お、おう。

 「音声付画像ごと騎士団統括局副長の所に贈ったにゃん。」

 びっくり、贈りもの感覚。

 「証拠の魔術跡も付けて騎士団に引き渡し逮捕、今は貴族牢に入ってるヨ」


 王宮内での一般貴族たちが仕出かした犯罪行為には騎士団で対処する。

 騎士団トップには裁判権はないが逮捕、尋問、拘束の特権がある。

  特に王族に対して行われた犯罪行為に対しては厳罰をもって対処される…


 流石にそこまで証拠揃えたら逮捕されて処される…。

  

  筈。

 

 やはり微妙な空気が流れる。

 確かに暫くは先のような大掛かりな魔法攻撃はないだろう。

 ヨナス氏、ありがとう、とココロの中で礼を言っておく。

 

 ライラー女史が顔を拭く為に外した眼帯を付けなおしてくれる。

 スッキリ(笑)。

 今の所おかしな画像は見えない。


 「お着換えの前に正喪服の試着をお願できますか? 」

 双子が並んでお願いをしてくる。

 「トルソーの服? もう形にしたのか? 」

 まじまじトルソーの服を見る、大人しいようでポイント毎に意匠が凝らされていて手が混んでいるのが窺える。

 一晩で仮縫いとはいえここ迄作り込んだかと思わず唸ってしまった。

 凄いね、物作りにかける職人の情熱と技量には感嘆する。

 それは一朝一夕には収まらない研鑽と努力の結晶が作品として生まれるということだから。

 「仮縫いとはいえ美しいフォルムだね、出来上がりが楽しみだ」

 双子は照れるようにはにかみながら笑顔になる。

 バリエはバリエでウチの弟妹凄いでしょ、と、鼻高々になってる、どれだけ弟妹が可愛いんだろう。

 まあ、私も弟溺愛してるな。

 

 「まだカタチにしただけのしつけ糸で縫っただけですのでお気を付けください」

 ちゃんとお直しでサイズ調整すると、まだ仮縫いなのにピッとした感じになる。

 いいな、服をオーダーメイドする事はほぼ無いのでちょっと緊張する。

 私は自由なる金銭を…。


 持ってない。

 王子なのに(笑)


 この生地、高級品だと聞くが…支払いはどうするのだろうか?


 普通王族は品質維持費なる予算があるらしいが…。


 え?

 

 宰相と目があった そらされた! えぇえ? この衣装代金は…?


 自慢ではないが私の場合、生活費も食費も王宮から出ていない。

 食費や最低限の生活費は宰相家からの援助というか……給料?

 私の給料如きで最高級布地で作ったオーダーメイドの衣装の代金なんて…。

 というか10歳児童の給料って御幾ら万エルド(※通貨単位)

 冷や汗が出てくる。

 

 仮縫い中の衣装と宰相を順繰り見ていたらバリエの弟君のルカ君が、胡乱な私の視線に気が付いたらしい、首をかしげて私を見つめ、次に兄バリエを見た。

 バリエ、一瞬にして私の動揺の原因を悟ったらしい。

 伊達に私の護衛騎士ではない。

 「殿下、葬儀関係の衣装一切に関してはシュピーゲルング商会で提供させていただきますので料金の方はご心配要りません、その代わり宰相との取引でシュピーゲルング商会を王室御用達に推挙していただくお約束になっております」

 それは裏取引というものでは? ぶっちゃけばらしていいの?

 「最高の御仕上がりをお約束したしますので殿下には安心して広告塔としてシュピーゲルング・キント工房(Werkstatt)の宣伝をしていただければ幸いです」

 

 葬式で広告塔…。

 「サービスで端布で作ったパンツもお付けします」

 と、ルカ。

 「お好みの刺繍があれば入れさせていただきます」

 と、ミア。

 喪服の端布でパンツ……刺しゅう入り……。

 黒パンツ。

 バリエと双子以外、皆微妙な顔をしている。

 何故パンツ… ふとテンション高い小エビ嬢の姿が目に入った。

 目が合うと小エビ嬢がてるんと笑う。

 その顔が如実に〈私ハ何モシテナイヨ? 〉と大嘘つきな顔をしていた。

 「かぼちゃパンツじゃないカッコいいパンツ作って貰いましょう! 」

 誤魔化すように叫ぶ小エビ嬢ことパウリーナ・ガルネーレ伯爵令嬢。

 「黒パンツ! イケメンには黒パンツです」(笑)

 徹夜明けテンションMax。

 貴女か! 私のパンツ(かぼちゃパンツ)、バラした犯人は! 貴女はノイエクラッセ王国の最高機密を!。

 何か説教してやろうかと考えてたら、扉の向こうから何やら言い争う声が聞こえて来た。

 扉前は昨夜の襲撃の警戒で騎士団統括局副長の部下二人が歩哨として立っていたはず。

 「殿下、こちらへ」

 ミネルバ卿にクローゼットのある部屋に通され、ライラー女史とバルトを両脇に従える形で奥に入れると扉を閉めた。

 扉前はさりげなくミネルバ卿が塞ぐ。

 内側の扉前の守りはバルト、ライラー女史が素早く私の着替えを用意する。

 どこぞの辺境伯の子弟のようにパンイチで拉致られたら恥ずかしいとライラー女史に言われた。

 そこ、引き合いに出すトコロですかと、思わない訳ではないが急いで着替える。

 バルトの背に緊張が走る。

 と。

 扉前の歩哨を罵倒し乗り越え、侍女を三人と昼の宰相(仮)とふっくら第三王子を引き連れてソレはやってきた。

 

 喪服というにはこれでもかと露出高く胸が強調され、金糸銀糸の刺繍が祭壇のように煌びやかな……。

 

 側妃という名の、厄災が。

  

 


側妃、襲来。

アイン殿下の黒パンツ豪華刺繍入りにブチギレる

「王宮のファッションリーダーは私!」

あれ? 側妃の名前なんだっけ?

側妃、役柄的には中ボスです

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