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第一王子のロイヤルサバイブ 乙女ゲーは情報過多  作者: まるいのあっと


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21/26

◎不夜城 未だ夜明け前② 前国王と孫とおじさんと私。

読んで頂きありがとうございます。

アイン殿下不憫回です。

服飾の資料検索でおっさんのかぼちゃパンツ➕ガーターベルト➕タイツの画像を見たかぼちゃパンツは凹んだ。

(リアルかぼちゃパンツ!)

故にかぼちゃパンツ出番なし!

◎推しの「不敬」はご褒美にゃん


「今のは何かな?」

 やべっ…前国王のご機嫌が悪い。

 第一騎士隊がニコライ陛下の全面に肉壁の様に立つ。

 俺ら第一王子の護衛騎士も殿下の前に肉壁…て、俺が先頭かよ!

 第一王子の護衛騎士と第一騎士隊が対峙。

 

 「魔力誘導ですよ陛下、上手くいってよかったにゃん♡」

 いきなり魔力誘導とか言われても意味わからないよ。

 空気を読まない魔道工兵のアイルが陛下と俺らに嬉し気に話しかけてきた。

 一触即発の空気読むにゃん!

 

 アイルには訓練所で再会してから魔力誘導の相談役をしてもらっている。

 殿下には魔法関係で相談出来る部下がいない。

 家庭教師も付いていなかったので、魔眼の力も魔術関係も全て独学。

 前に遠距離からの魔法攻撃に殿下一人で対処して魔力低下に陥り、それを機会に魔導士師団に魔導士の護衛を要請したことがあった。

 こちらで秘密に吟味した平民出身で魔術師団では冷遇されていた人物を欲しいと言ったのだが、魔術師団からの魔導士の派遣は却下された。

 魔術士団は平民嫌いの側妃の後援者の伯爵が牛耳っていた。

 冷遇されている王子の護衛だとしても平民が王族の護衛に出世するのがお気にめさなかったようだ。

 魔術師団にいられなくなったその人物は市井に下りてしまった。

 その上、事もあろうに首にされた魔道士に責任を感じてしまったアイン殿下が交渉に行った際、殿下に直に〈魔物に護衛は不必要〉と…鼻で笑いながら言い放ちやがった。

 あいつら許さん いつか処す。

 

 そんなこんなで俺の中では原因である現王の父親である元国王、ニコライ陛下も敵か味方か判断するのに慎重になっていた。

 その弟のヌルク バイン オペル オペル侯爵家当主も同様。

 何処まで話すべきか。

 

 と、アイン殿下が先に床に膝をつく。

 「ニコライ陛下に申し上げます、只今北の池の中州より魔導士による遠距離魔法攻撃がありました。」

 先ほどと違う臣下の礼だ。

 殿下ぁ!

 「ほう?」

 「現在部下が関係者の捕縛に向かっております。」

 ニコライ陛下は思案気に持っていた杖で軽く床をトントンと突く そして口を開く。

 「今の震動がそれだと? 」

 「はい」

 「何故わかる? 」

 「……」

 また杖をトントンと突く。

 「魔眼の能力で」

 アイン殿下は顔をあげない。

 「その魔法攻撃を撃破したのは君か?」

 沈黙。

 「魔法攻撃は反転し術者に返却しました。」

 誰かがゴフっ吹いた、反転、確かに返却したともいえるな。

 「君が生まれた時、君が魔眼の能力持ちだという話は聞いた。」

 「役に立たない呪われた魔眼だと聞いたが?」

  

 は?

 何だこれ 魔女裁判か?

 

 「物心つく前の赤子の時にされた話は私にはわかりかねます」

 「では今は? 」

 「現時点での私の年齢は10歳、魔力その他の能力検査を受けておりませんので確実な発言は控えさせて頂きたく存じます。」

 また杖をコンコンと突く。

 「魔力、スキル検査は12歳からだったっけ? 」

 にやにやとオペル侯爵が聞いてくる。


 さっきから何か変な感じがする。

 周辺が静電気でパチパチしている感?

 周辺を索敵している俺にアイルがニヤんと笑う。

 「索敵の時、目付き悪くなる癖出てるニャン」

 ハッとして片目を隠そうとしてアイルを見る。

 「鈍感なくせに魔力感度いいよな、ディは」

 鈍感ってなんだよー!


 「魔眼で魔法攻撃反転なんで本当に出来るの? 」

 これは侯爵の言。


 ピキリと場の空気が凍る。

 「敵の攻撃を反転したのではなく別の魔法を使って攻撃されたよう見せかけて同情とか、魔法デキる風を装って兄や私の気を引いて王位継承に優位に…」

 オペル侯爵の(げん)につい、と宰相が殿下の前に立つ。

 と同時に俺とバリエも頭を下げたままの殿下の両脇に立つ。

 ふざけんなよ。

 俺の中のパラメーターが一気に敵認定に傾いた。

 宰相以下、殿下側の人間皆が今ここで殿下の能力を明かしたくないと考えているため口が堅くなっているというのに。

 アイン殿下の仕組んだマッチポンプだと疑うたがわれている?

 凍った空気がバリバリしてくる。

 バリエがヤベェという顔で俺をチラ見した。

 

 なあ、このじいさんたち敵認定していいんじゃね?


 バリエ、やっちまったという顔。

 俺らではなく陛下達が。


 大概、不敬だよな…と自問自答する。

 誰にって?

 アイン殿下にだよ。

 殿下、宰相と共に頑張ってるんだよ。

 民を国を導く為、貴族共の不正は処断し圧制を敷かないように予算を組み道を整備し治水し災害が出れば援助し…。

 俺はアイン殿下の護衛騎士として例え、第一騎士団の精鋭だろうと負けるわけにはいかない。

 

 じいさんよ? 10歳の子供虐めて楽しいか?

 

 またニコライ陛下は杖で床をコンコン突く。

 一瞬クラりと思考が揺れた。

 

 あれ?

 

 沈黙の中、遠くから複数の足音が近づいてくる。

 

 人数の割に足音が速い、衛兵か近衛兵か?

 

 暗殺者か?

 

 殿下が服の裾を引っ張る。

 「ある程度は入口の受付嬢が対応する。 文官達は避難した、もしもの時は()()()()()()()守れるな?」

 「御意」

 服を引っ張られた勢いで屈んでアイン殿下の命令を聞きながらぞくぞくした。

 殿下は俺が()()を出来ると確信している。

 殿下からの信頼にやけそうだ。

 前方のニコライ陛下を注視していたバリエが横眼でちらりと俺たちを見下ろした。

 口元がニヨニヨしている。

 お前もか。

 そんな俺らの気配を感じた前方の宰相の背中が煤けている(笑)。

 「私も頭数か」

 さーせん、前衛のバルトがいないので。

 突撃が俺、中衛がバリエ、後衛が宰相ってことで。

 

 暴れていいんだよね?

 

 そのままの体制で顔を上げたアイン殿下の眼に迷いはない。

 

 昔、死にかけた俺の顔を見て、居ることに安心したような、また居なくなるかもしれない事にびくびくしたような子供の顔はなかった。 ふと笑う ちょっとさみしい。

 

 よいせと立ち上がりぎわに殿下の頭をモシャモシャして嫌がられる。

 足音は勢いを殺すことなく受付を通り過ぎた。

 

 あれ?

 

 目隠しの衝立を外し現れたのは2番目の兄、騎士団統括局副長のホーク ゲイガン ミネルバとその部下6人とバリエの妹の服飾店に行っている筈のバルド スキャン オストーゼ、緊張感のない体でこちらに手を振ってくる。

 お前はぁ!


 「魔術院所属、魔術師士団 第三魔道士部隊隊長、ヨナス・バッハ」

 「はい?」

 くたびれた魔術師が間の抜けた返事をする 鳩が豆鉄砲を喰らった顔というのを如実に表現していると俺は思う。

 知らんかったがおっさん、長い肩書きだなぁ。

 「魔術使用によるアイン殿下暗殺未遂の容疑で捕縛する。」

 鳩が声すら出せない顔で固まるおっさん。

 真っ白に燃え尽きて風に飛ばされてそうだ。

 その顔を見た騎士団統括局副長、捕縛命令を出した本人も当惑していた。

 「彼はずっと殿下と閣下と共に行動していましたよ? 」

 確かにこのおっさん、ずっとアイン殿下と共に行動していた、マジックバッグを片手に。

 仲が悪い筈の神官が弁明する。

 もしかして神官いいやつ?

 「どうやって殿下を暗殺すると?」

 神官が心底不思議そうに副長に尋ねる。

 「タレコミがあった」

 この世界でも密告、タレコミ言うのか(笑)

 「この時間、アイン殿下の執務室に高位魔法が撃ち込まれると。」

 さっきのか!

 アイン殿下が微妙な顔してる。

 撃ち込まれる前に殿下が魔法解除しました。

 さっきまでのピリピリした緊迫感は何処いった。

 ニコライ殿下すら展開についていけてなかった。

 オペル侯爵、陛下の前に出る。

 「確かに魔力攻撃がありましたが、そんな命令を下した本人が殿下の側にいるわけがないと思いますが? 」

 オペル侯爵の弁に当惑する二兄(ミネルバ卿)に畳み掛けるニコライ陛下。

 「君は見ない顔だな? 」

 ニコライ陛下が杖をトントン突く もしかして陛下の癖? 

 「貧乏ゆすりみたいなもの? 」

 トントン。

 バリエが真っ青になった。

 ニコライ殿下に不敬はヤバイって?

 

 「失礼いたしました陛下」

 二兄(にあに)とその部下達が一斉に臣下の礼を取る。

 「ホーク ゲイガン ミネルバ 東の辺境伯の次男、騎士団統括局副長の任に就いております 以後お見知りおきを」

 「他六名は私の部下でございます」


 コンコン。

 

 陛下の貧乏ゆすり説を聞いてしまったバリエのツボに入ったのか陛下がコンコンしたとたん、口を抑え肩を震わせている コンコン(笑)。

 あ、アイン殿下が屈んだままメッチャこっちを睨んでいる。

 さーせん。

 あ、でも前に立ってる宰相閣下の肩も小刻みに震えている…どんな顔してるのかめちゃくちゃ見てえー!

 コンコン。

 「陛下、直答よろしいでしょうか? 」

 臣下の礼のままのアイン殿下が問う。

 そんなアイン殿下を見下ろした陛下は一度天井を仰ぎ見、ため息をついた。

 「直答を許す」

 と。

 「君は私の孫なのだから臣下の礼は要らない、直答も構わない」

 アイン殿下は真っすぐ顔をあげ、祖父であるニコライ陛下を見据える。

 「私の手のものが先ほど攻撃してきた魔導士3名他を捕縛しに行きました そちらは騎士隊統括局副長に引き渡しますので魔術院所属、魔術師士団 第三魔道士部隊隊長、ヨナス・バッハをこちらに引き渡してもらえませんか?」

 「何故? 」

 「彼は国王陛下の葬儀の為の魔術院から派遣された魔導士の長です、葬儀関係の人員を変更するには人手が足りません」

 「彼は君を抹殺しようと魔術士を待機させていた疑いがあるが?」

 「私など所詮玉璽を押すだけの、王家の血を持つだけの傀儡、いくらでも変わりはおりましょう」

 己の命より碌でもない父親の葬儀が大事と言う。

 その眼は…陛下が亡くなった娼館の部屋を、陛下の遺体を、乗り込んで騒ぎ立てた側妃を見ていた瞳と同じ、室内の灯を写す硬質の宝石のように美しいが抑揚のない、紅い瞳。

 この場で司法権を持つのは騎士隊の副長だが最高権力はニコライ陛下になるのか? 

 沈黙。

 陛下の権限で魔術院所属、魔術師士団 第三魔道士部隊隊長、ヨナス・バッハはアイン殿下の傘下に入り、神官達、アイル魔道工兵たちと共に己の()の仕事場に戻る。

 もちろん箝口令を敷かれて。

 

 実行犯の3名と池の周りに展開していた不審者3人が捕縛され、そのまま騎士隊に引き渡された。

 アイン殿下が心配していた、魔術を返し過ぎて死んでいたということもなかった。

 二兄だったら上手いことやってくれるだろうから私たちは部屋に帰って休むよ。

 それくらい良いだろうと言いたい。

 今日はもう疲れた。

 側妃の嫌がらせで喪服が用意出来ないから始まって、現国王の遺体に現れた呪物。

 前国王、ニコラス陛下、王弟侯爵襲来。

 魔術師による高位魔法による遠距離攻撃。

 問題は山積だがもう夜明け。

 夜の王子と噂されるアイン殿下の夜の営業時間は終了です。


 渡り廊下の窓の外、いよいよ白くなりゆく山際は、少しあかるく、紫だちたる雲の細くたなびきたる。

 時々ふっと湧いてでる前世のフレーズ。

 何だったっけ?

 前世の記憶なんて朧気なものが偶に顔をだす。

 役に立たないモノ、役立つモノ……訳のわからないモノ。

 時々殿下を抱き上げたると血の匂いがすることがある、最初は〈殿下チェック!〉とかふざけて殿下の身体を調べても怪我は無かった。

 もちろん自分にも。

 多分アレは前世の記憶 子供を抱き上げた時思い出すのが血の匂いとか…碌でもないな俺の前世。

 狂戦士(バーサーカー)と噂される今も大差ないか。


 今は陽がのぼる前、一瞬外壁の外、城を囲む湖の湖面が白く細い光が走る。

 もうすぐ夜明け、夜が終わる。

 抱き上げられた宰相の肩に頭を乗せてうつらうつらしているアイン殿下。

 年相応で可愛い 撫でていいですか? と、手を伸ばしたらめちゃくちゃ睨まれた。

 「不敬」

 一言呟くと目を瞑る。

 眠いのですね おつかれさまです。

 

肉:魔眼ちゃんがお疲れぇ。

 魔眼ちゃん、今回影で大活躍した。

火の玉小僧:よしよし頑張ったな

雷鼠:頑張って魔法解除して不気味ちゃん扱い。

肉、雷鼠にツッコミ。

真実は何時もひとーつ! だが、知らなくていい時もあーる!

 余計なツッコミに肉、火の玉に炙られ雷鼠にハグハグされた。

魔眼ちゃん、アイン殿下の髪の毛にめり込む。

宰相の妖精ちゃんがヨシヨシ慰めてる。

流石オカンの妖精……

肉:感動シーンなのに絵面が変!

肉、総ツッコミで地面にめり込んだ

お前は黙って焼かれてろ!

 ジウジウ


……お後が宜しいようで…。

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