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翡翠色の縁

「それが、私と王都エリュシオンとの物語だ」


「そんな……事が……」


ガレアの話を聞き終えて、やや気持ちの整理ができず放心するティアラ。アイシャとグリマは真剣な面持ちで、静かにその事実を受け止める。


「さて! 過去は分かった。だが、我々はこれからどうするかが大事なのは変わらないだろう?」


「はい……! 私は、サーロに人柱になって欲しくない! それに……」


「それに?」


「アニムスっていう子も……助けたい! それはきっと、サーロも願ってる事だから」


「ふっ……やはり良い響きだ」


「ティアラ〜私も力になるよ〜うおーん!」


「ティアラ、私も過去に置き去りにした事を清算しないとね。未来に心から笑顔を浮かべて生きていく為にも」


皆の意志がひとつになる。過去を顧みて、手を差し伸べ、今を生きて、未来に笑顔を浮かべられるようにと。


「私達のすべき事、それはリュシオと同じ群青の瞳の力を持つサーロを媒介に、王都エリュシオンに遺された元老によって歪められた王都の繁栄を求める思念、生きていたかったという本能的な欲求を集め、リュシオが生きていれば行われるはずだった呪法を止めなくてはね」


「聞いた限り、アニムスに宿らされた天邪鬼の呪いは本来ある性質を歪める力があるの……それの元になっているのはおそらく后ヴィーネね。その力を増幅する為に、赤龍の呪いを上書きし濃くする力も擬似的に宿らさせられているみたい。サーロに宿した本能的な生きたいという意志の集まりの渇きの呪いに、元老の意志を歪め刷り込むためね。ほんとクソジジイね……」


「でも……龍人様が手こずったような呪いを使う相手に私達だけでどう立ち向かえばいいんだろ〜。う〜ん」


「そうね……この街の人達に力を貸してもらうにしても、戦闘経験が豊富なものなんていないし……」


「でも……なんとか……どうにか……!」


三人は俯いて策を考える。過ぎるのは自分達に振り返り屈託のない笑顔を見せるサーロ。


「これまでの旅は、無駄ではなかったということだよ」


「え……」


ガレアは自身の親指の皮を噛みちぎり、血を滴らせる。その血は宙に漂い、紋様を映し出す。


「サーロとティアラの披露宴への準備は、親しき皆に手伝ってもらおう」




「……そうか、分かった。この森の奴らにも無理でも呼びかける。俺たち自身の未来の為と、お前らの未来の笑顔の為にな」




「ええ、もちろんよ。この声があなた達の力になるなら。私達は、歌声を届けるわ」




「ティアラ、キミの涙は人を繋ぐ力もあるみたいだね」


この次からクライマックスへと向かっていきます。何卒よろしくお願い致します。

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