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ウルバルと朝食会

木々が生い茂る森の中、少し開けて太陽の怒りが射し込み照らされる一軒のウッドハウス。そこは獣人族のウルバルの家。朝食にと招かれた少年少女、サーロとティアラに加えて用心棒のガレア。


「さぁ! ドーンと食ってくれ! ドーンとな!」


「いただきます!」「いただきまーす!」「では遠慮なく」


元気よく、なおかつ丁寧に両手を合わせて三人は返事をする。テーブルにはウルバル特製の朝食が盛りだくさんに並べられていた。


サラダにひよこ豆入りカレースープ。バナナマフィンにオレンジジュース、そして豆腐ハンバーグ。早速手を付けたのはティアラだった。スープを一口飲んでから、目をキラキラさせ、はむはむとどんどん口に料理を運んでいく。それを楽しげに見てからサーロもゆっくり料理に手を付ける。ガレアはとりあえずオレンジジュースをもらってちびちび飲みながらテーブルの上にある料理を観察していた。


「どうよ! 俺の料理は!」


はむはむと勢いよく食べていたティアラが返事をしようとして、喉に詰まらせそうになってむせこんでしまった。慌てて背中を優しめに叩き介抱するサーロ。


「ん……! ぷはぁ! あ、あの! とても美味しいです! 優しい感じのお味で!」


「僕もとても美味しくいただきました! レシピ教えてほしいです!」


「へへっ! そうかいそうかい! そりゃ嬉しいことを言ってくれるぜ!」


照れ笑いしながら自分の頬を爪で掻くウルバル。自分も料理に手を付け始める。二人も顔を合わせて、ふふっと笑顔を見せてから再び料理を食べ始める。ガレアはちびちびと料理をつまみながら、耳を澄ませていた。


穏やかな朝食の時間が過ぎていく。




「ごちそうさまでした!」「ごちそうさまです!」


「ご馳走になったね」


「おうおう! 良いってことよ!」


テーブルに置いてあった料理はどれも綺麗に空っぽになっていた。一番食べたのはティアラだった。


「いやー、グリ坊の事とかよー、聞かせて貰えて嬉しかったぜ!」


「僕もグリマ店長の昔話聞けて新鮮でした! でも昔からお花畑オーラ全開だったみたいですね!」


「うん! やっぱりグリマ店長は昔からグリマ店長なんだね!」


和気あいあいと会話を続けるガレアを除いた三人。ガレアは耳を澄ませている。ウルバルの心の響きに。空っぽになったお皿を見ながら。


「そういや、お前たちはどうして旅なんかしてるんだ?」


「それは……」「えっと……」


口ごもるサーロとティアラ。


「この少年はね、呪われてしまっているのさ。そしてこの少女はその呪いを癒す力を持っている。しかしそのためには悲しみが必要なのさ。その悲しみに出会うための旅なんだよ」


端的に事実をウルバルに伝えるガレア。そしてガレアは腕を組みながら視線をテーブルに移す。


「ウルバルくん。キミにも悲しみが宿っているようだね。陽気な声の奥に悲しい響きが聴こえたよ」


「えっ……」


サーロは驚いた様子でウルバルを見る。ティアラも。だがティアラはどことなくガレアと同じ事を感じてはいるようであった。


「そして、その悲しみの一端はこの料理にも現れているみたいだね。狼が元となる肉食動物起源のウルバルくん?」


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