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仲良し三獣人

サーロとティアラはふたり目を合わせて、そして少し宙を覗いてグリマ店長を思い出すと、お花畑でらんらんスキップしている様子がすぐさま思い浮かんだ。


「はい。お花畑でルンルンしてそうな熊さんです」


「むしろグリマ店長がお花畑?」


「まじか……」


ウルバルは衝撃を受けているようであった。そしてぼそっと言葉が漏れ出した。


「グリ坊……生きてたのか……まじで荒野の先でお菓子屋開けたんだな……」


「グリ坊? グリマ店長の事ですか?」


「ウルバルさんグリマ店長とお知り合いだったんですか?」


「おうよ! 知り合いどころか、自分で言うのもあれだがよ、かなりの仲良しだったぜ!」


食い気味にウルバルは顔を乗り出してサーロとティアラに近づく。そして誇らしげに胸を張る。


「ほう、あの熊さん、あの呪現獣がいる荒野を無事切り抜けていったのか。どうやって突破したのか気になるところだね」


自分は通れて当然だとガレアは思っていたが、あの気の穏やかな熊の獣人がどう乗り越えていたのか気になるのであった。




「うぅぅ~。サーロ達無事に荒野を乗り越えれたかな~……うぅぅ~」


「グーリマ店長! 心配しすぎ! 龍人族の用心棒もいるのよ? 心配するだけ損よ損!」


サーロとティアラがガレアに連れられ荒野の彼方へ飛んで行ってから、今は自分の店にいるグリマ店長とアイシャ先生。グリマはおろおろと心配している。それをなだめながら紅茶を飲むアイシャ。


「というか、店長は昔あの荒野越えてきたんでしょ? 呪現獣もいたはずなのに」


「うん、なんかね」


「なんか?」


「この先にはまだ見ぬ恵みの街があるんだ~ってわくわくうふふって思ってルンルン歩いてたらね、気づいたらこの街についてたの~。呪現獣も現れなかったんだよ~」


「……店長のお花畑オーラに敵意すら向けられなかったのかしら……」




「グリ坊はよー。昔から器用な奴でよ! よく俺達に手作りの菓子とか振舞ってくれる気の良い奴よ!」


「でもグリマ店長、どうしてアバンダンシアに来ようと思ったのかな?」


ティアラが不思議そうに首を傾げる。ウルバルはうーむと頬をポリポリ掻きながら思い出すように言った。


「いや、まぁグリ坊は頭ん中までお花畑というか、結構なロマンチストでなぁ。いや、大志を抱いてるって感じか? 恵みの街っていうからにはここにはない食材も手に入るし、そんな賑やかなとこで一人前の菓子職人になるっていつも言ってたからよ」


「グリマ店長、その夢叶えてますよ!」


「町で一番人気のスウィートショップですよ!」


サーロとティアラは力強くグリマの事を語りだした。グリマの街での様子に、大好きなお菓子の事など。ウルバルはまるで自分の事のように誇らしげに喜んでいる。ガレアはその様子を腕を組みながら優しく目で見守っている。


「いやー! 懐かしいな! グリ坊が作るアップルパイはよく一緒に食ってたなぁ……俺とグリ坊とラビル……」


「ラビル……?」


「……おう、ラビルってのは、グリ坊と合わせて仲良しだった兎の獣人だよ。今はもうこの世にいないがな……」


「それって、ラビルさん……」


「このお墓はその方のものだったんですね」


「まぁな、少しでもあいつの死に報いるために作ったんだぜ」


サーロとティアラはラビルという今は亡き獣人の為に作られたお墓に手を合わせて瞳を閉じ黙祷する。その姿を、ウルバルは驚きながらも、どこか優しく、どこか切ない表情で見つめている。ガレアは目を瞑り耳を澄ませ、心の響きを聴いていた。


ぐぅ~~~。


ふと、お腹の音が小気味よく響き渡った。キョトンとした顔を浮かべる三人、と、一人顔を真っ赤に染める少女。


「くっ……はっはっはっ! そういや朝飯ご馳走する約束だったな!」


「はい……お腹……ペコペコで……」


「俺はグリ坊ほど器用な料理はしねぇがうまいもん食わせてやるぜ!」


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