表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/78

顕現する剣

「ほう」


サーロは真摯な瞳でガレアをまっすぐに見据えている。ガレアもその視線を正面から受け止める。口元には笑みがこぼれていた。


「それはなぜかな?」


「僕のために、ティアラはこの旅で危険な目に合うかもしれない。ティアラは……僕の孤独を癒してくれた大事な人なんです。だから僕は護りたい。自分の手で」


ガレアは耳のピアスに軽く触れる。そして瞳を閉じて満足げに微笑む。


「本当にキミ達の心の響きは素敵だね。いいよ。私が教えられることならキミに授けよう」


「よろしくお願いします!」


「さて、戦い方を教えるとなると、キミにも剣が必要だね」


「あ! そういえば剣持ってませんでした……。どこか、この獣人族の住む森で手に入るかな……」


「それには及ばないよ」


そういうと、ガレアは自分の剣を鞘から少しだけ抜き、掌をすっーと切り、血を浮かび上がらせた。そして何やら聞き慣れない言の葉を呟くとその血が宙に浮かび、呪いのような紋様が血の周りを覆っていく。


「ガレアさん……! これは……!」


「今、キミ特製の剣を創っているのさ。これも龍人の力だよ」


そうして、一瞬血が輝いたかと思うと、透明な、ガラスのような剣が出来上がった。ガレアはその剣を手に取り、サーロに手渡す。サーロは両手で剣を握りしめる。


「この剣は、キミの心の響きに呼応して、その色を変え、性質が変わるのさ」


「心の響き……」


「さぁ、キミの想いを強く剣に込めるんだ。何のために剣を使いたいのかをね」


サーロは両手で握った剣を顔の前に構え、瞳を閉じ、強く想う。大事な人を、ティアラを護りたいと。


剣は、サーロが握っている部位から色付き始めた。それはティアラの涙と同じ色、新緑を思わせる翡翠色の剣となった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ