表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メモリディア  作者: たむーん
1/1

1 探索者

pcで投稿は初めて

コッコッ...

「なぁ、ここであってるのか?」

「あぁ。ここにいるやつを倒せば俺たち『クラウディア』は上位探索者にランクインするんだぞ。」

「でも、上位になるぐらいだと相当強いんじゃないか?」

「大丈夫だ、ちゃんとあれは持ってきたから。絶対に大丈夫だ。」

遠くのほうから複数人の足音と話し声が聞こえてくる。

ここは寒い。寒いを通り越して暖かい。感覚が狂ってるみたいだ。

「作戦通りだぞ。これを投げて横に並ぶ。盾で防御を固めて後ろから攻撃だ。量の恐ろしさを与えてやれ。」

「簡単だよな。なんで他の探索者達はやらなかったんだろうな。」

「噂だと、特殊らしいぞ。普通では無理だったんだろう。」

「まぁ、俺たちは普通じゃないからな、大丈夫だ。」

「おい、お前らそろそろだ。念のため油断だけはするなよ。」

松明らしきものの火の灯りが見えてくる。

「やれっ!」

俺の部屋が黄色く光る。

ただ光っただけじゃない、黄色から赤色に色が一瞬で変わる。

光の中から、黒色の赤い目をした蛇が襲い掛かってくる。

が、かまれても、首を絞められても、俺にはなんともない。

「な、こ、これが効かないだと!?」

「うろたえるな。こいつは普通じゃないんだぞ、2だ。やれ!」

2?2とはなんだろうと思ってたら俺は宙を舞っていた。

正確に言うと舞ったのは俺の頭、5,6人のうち半分ほどが嬉しそうな顔をしているのが見えた。

「よし、流石に倒しただろう。これが効かないやつはこの世にいねえからな!」

「高い金を出した甲斐があったぜ。」

舞った頭は地につき、自分自身の体が見えた。

「あとはこの部屋にある財宝とこいつの心臓をとればいいんだ。」

あのぉ、俺まだ生きてるんですが...

「金がいっぱいあるぞ!」

「これだけあれば探索者やらなくても一生あそべるな!」

「ちゃんと俺の分も取っといてくれよ。」

俺の心臓を持ったやつがこっちに来る。

「おい、この頭どうする?」

「俺、かえって豪遊するんだ...」

「聞いてねえなこいつら、おいこの頭は俺が貰うからな。」

そういって俺の頭を鷲掴みにしてきた。

俺は優しいからちゃんと忠告してあげないとな。

「あ、鷲掴みはやめといたほうがいいよ。みんな死んじゃうよ?」

「え...う、うわぁぁぁっぁあああ!!!」

急に叫びだして顔を真っ青にした。

「お前らまだ生きてるぞぉお、それは後だ、早く逃げろぉおお。」

お、こいつはちゃんとわかってるのか。

心臓を持ったやつは俺の頭を投げて、心臓をもとの位置に戻した。

そして、俺の体に向けて土下座をしながら泣き始めた。

「申し訳ございませんでした。申し訳ございませんでした。申し訳ございませんでした。申し訳ございませんでした。申し訳ございませんでした。申し訳ございませんでした。」

ただの骨に狂ったように誤り倒していた。

ちゃんとわかっててえらいぞ。

そんなやつを見たやつらは

「は?何してんだ?気持ち悪いな。」

「何が生きてるんだ?気のせいだろ。」

「そんなことより財宝だ。」

とか言ってる。

仲間の急な変わりようになんの疑問も持たない馬鹿な奴ら、本来なら全員この部屋に入った時点で皆終わりだけどこの子だけは見逃してあげようかな。

いろいろ聞きたいこともあるしね。

「申し訳ございませんでした。申し訳ございませんでした。申し訳ご......」

「君は許すよ。俺の頭元に戻してくれないかな?」

俺の体から紫と黒色のドス黒い瘴気があふれてきた。

流石に気付いたのか残念な奴らは今更慌て始めた。

「お、おい。死んだんじゃなかったのか!」

「おい、なんで教えてくれなかったんだ。」

「聖水投げろ!」

リーダー格の奴が慌てて俺の体に聖水をかけてきた。

が、俺の体には何の変化もなかった。

「お、ありがとうね。俺のこと知ってた?」

「少しだけなら...」

俺のことを知ってるやつはそう多くはない。

貴重だ。大変貴重だ。

「お前ら...ら...ら...ラ、ノ、ろウゾ。」

あぁ、また持ってかれる。

俺の意思とは別に働くから制御できないんだよなぁ。

まぁちょっとぐらいはうごかせるけどね。

例えばその子だけは守るとか。

「コノまま、消エろ。」

俺の部屋は一瞬にして真っ暗になった。

しばらくして部屋が見えてくるようになってきたら、残念なやつらはいなくなってた。

骨だけは残ってるけどね。

あとこの子も。

俺は吸収したやつらから得た情報、衣服、能力、魔法、剣術。すべてを取得した。

もうほとんど持ってるやつだったけど魔力だけはいくらだけあってもいい。

俺は服を想像した。

骨の周りに肉が付き、神経がまとわりつき、皮膚が形成された。

多分こんな感じだろう。

それを見ていたこの子はこの世の終わりみたいな顔をしてた。

さっきより相当ひどい顔だ。

探索者のことについてはあらかたわかった。

目覚めちゃったんだからもうしばらくは寝れないかなぁ。

目覚めちゃったからにはかつどうしないとなぁとか思ってたら

「すみません。俺どうしたら何をしたらいいですか?」

あ。忘れてた。この子どうしよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ