始まらない青春 1P
「あの……」
目の前にはガタイのいい男……
回りの男子生徒(前も言ったかもしれないが俺と同い年っぽい)が、俺とガタイのいい男を じー と見つめる。
「な……何か?」
怖いので慎重に言葉を続けようとする。
だが……
「うわっ!?」
男が俺の顔の横にパンチ(こんな幼稚な表現しか出来ないほど俺はビビっていた)が繰り出される。
そして、男は初めて口を開いた。
「お前……夏海様と、どーゆー関係だ? 」
「えっと……」
俺は気づいてしまった。
目の前の男の拳に血管が無数に出来上がっていることを。
何か答えないとコロされる……というか人生終わる!!
「な、夏海? 誰です…… ―ひぃ!?―」
ドン!!
拳が顔面にめりこんだ。
ガタイのいい男に……
「何やっとるんじゃあ!? お前はぁ!?」
腰の曲がったおばあちゃんが(?)、勢いよく(!)、男の顔面に(!?)拳を降るっとたのだ。
何が起きている!?
すると俺……ではなく、おばあちゃんを見ていた男子生徒5名が一斉に駆け寄り、
「姉さん、お止めくだ……ぐはっ!?」
「駄目でしゅ!? あね……さ……」
おばあちゃんを止めようとして返り討ちにあっていた。
あるものは拳で殴られ、
またあるものは、顔面に蹴りを受け、
またあるものは、腕を捻られていた。
こんなお年寄りが、いてたまるか!
「ちょ、やめ…… ―くはっ―」
俺も止めようとして背負い投げをくらった男子生徒にぶつかった。
すると……
「あぁ! 大丈夫ですかそば君!?」
おばあちゃん……いや、もうネタバラシをしよう。
席を譲ったおばあちゃんの白髪はかつら、顔のシワはメイク、腰の曲がりは演技、
おばあちゃんの中身は先程の可愛い女の子に負けないぐらい可愛い女の子だった。
そして、その女の子は俺に駆け寄り、
「しっかりしてー!!」
と、顔に放り投げられた鞄の衝撃をくらい、
そして駅員さんに男共々(俺も男!)運ばれることになった。
ことの真相はまた今度
っていうかさっきの、老人言葉は何?
どうでもいいって?
あ、そう……
続く
珍しく(初めて?)後書きを書くことにしました。今回は読みにくかったかもしれませんね。
反省
今回の事件の真相はまた、今度になるので、気が向いたら読んでもらえれば嬉しい……
何やっとんじゃ(以下略)
ps, 事件の真相は、暫く先に、なりそうです。