ストーカーのお仕置き 救世主
果たして今回、活躍するのは……?
前回までのあらすじ……を出来る状態ではないか。
以下本編
「いやぁああああああああー!」
前回の話が終わった後も、俺は男と格闘していた。
ズボンを、ずらされないように片手で押え、もう片方の手で、男を押さえる。
しかし、男の力の方が、強い様だった。
俺は昔の祖父の言葉を思い出した。
(聡よ……恋する男は強いで、らっしゃる)
いや、こんな人だったかな……
そんな、考えも、まとまらない程に俺は混乱していた。
いや、読者の方が混乱しているとは思うが、敢えて被害者面させてもらう。
そうこうしている間にも、ズボンは下へ下へとずらされていく。
「▽※∋∧∃∃⊥∋∧⊥¬ー!」
俺の言葉はとうとう形を成さなくなっていく。
誰かーーー!
この、瞬間!
俺の願いは聞き届けられた。
バァン!
と、扉が開くと同時に辺りを煙が覆う。
そして、泣き叫んでいた俺と、動きを止めた男の元へと彼はやって来た。
そして、彼は叫んだ!
「ワォーン!」
うん、ごめん。
俺は犬の言葉は話せない。
扉から現れたのは犬だった。
……どうやって、ドア、開けたの?
犬は吠えると、俺のズボンに噛みついた。
……あれ? 君、ストーカーの味方?
犬はコホンと、咳払いをすると(※彼は犬です)ストーカーに思いっきり噛みついた。
「ぎゃぁあああぁあぁあ!!」
と、男は倒れる。
オーバーじゃね? その、リアクション。
いや、痛いのは分かるが、もっと、可愛らしく叫んでほしかった。 ……いや、ストーカーに、何を求めて、いるんだ俺は……
とにかくこの、犬のお陰で助かったらしい。
しかし、腰が抜けて立てない。
俺は呼吸を整えると、思いっきり犬に抱きついた。
怖かった! すっげー怖かった!
犬もペロペロと俺の涙を舐めてくれた。
嬉しい事は嬉しいが、何とも不思議な気分だ。
俺の涙を舐めていた犬は、俺を咥えると、そのまま引きずっていった。
翌日、犬小屋で涎まみれの男が発見された。
可愛いね、君
つづく
聡君、酷く運が悪いようです……