ストーカーの足音 4P
今回ワンちゃんは、お休みです。
「まずい!」
「えー、一生懸命作ったのにな~」
前回の酷いやり取りをしているうちに、朝になってしまった。
そして、俺は夏海さんの料理(野菜炒め)を食べている途中で、叫んだ。
夏海さんが、少し傷ついたと言った感じの口調で言う。
「ああ、ごめん。料理の事じゃないんだ。」
「じゃあ、どうしたの? ブラジャー、食べたかったの?」
「はい、爆弾発言」
セクハラしてくる(してくれる)夏海さんにお礼という名のツッコミをする。
因みに、夏海さんは食べ方はとても綺麗だった。
箸の持ち方も綺麗だし……
果たして、上品なのか、品がないのか……
いかん。このままじゃ布団の時の事を思い出してしまう。
話題を変えよう……話を逸らしたのは、俺だが。
「まずいって言うのはあなたのことですよ、夏海さん」
「? 何が?」
夏海さんが、まるで気づいてない。
仕方ない。俺が男らしく言おう。
「ブラジャーと、パンツですよ!」
ある意味、男らしかった。
いや、だって、思春期だし?
おっと、いけない、いけない。
すぐ、話題がずれる。
俺の悪い癖だ。
話を逸らしたがる……
「あのー。さっきのブラジャーと以下略の事が忘れられないって言うか、凄く気になるって言うか……」
そうでした。
ありがとう夏海さん。
「ブラジャーと、パンツ。さっきの男の誰かに盗まれたんじゃ、ないんですか?」
俺もまた、凄く気になっていた。
しかし、夏海さんは何て事の無い表情と口調で言う。
「大丈夫。布団の中から手を伸ばして、回収しておいたから。もう、装着しているよ」
装着って……
台詞だけ聞くと、クリーチャーみたいだ。
「布団から手」とか、まるでホラーじゃないか。
まあ、いいや。
「あと、服はどうするんです?」
俺が聞くと、
「あー、もう学校か。仕方ない。家まで取りに戻るよ」
「送っていきます」
「ありがと♡」
夏海さんは、きちんとお礼を言えるらしい。偉い子だ。
因みに、台詞だけ聞くと平和だが、俺はものすごい勇気を振り絞って発言したのだ。
皆にも、出来るかな?
男が、ゴキ○リの様に寄ってくる女の子を見送るのは……
俺、今日が命日かも(涙)
「男達なら大丈夫。今の時間なら家か、学校の前で待ち伏せしている筈だから」
これ以上無いぐらいにほっとした。
良かった……生きていられる……
そのあと朝食を食べ終わり、食器を洗って片付けて、制服に着替えてから夏海さんの所へと向かう。
「そろそろ行きましょう」
「はーい」
家を出て、夏海さんの歩幅に合わせて歩き始める。
そして……
「着いたよ」
家を歩き始めて1分弱
夏海さんは、足を止めた。
夏海さんの家
そこは俺の家の隣だった。
……ふむ。
やはり、今日が命日の様だ
つづく♡
入学式の日から、1日しか話が進んでません。