ストーカーの足音 2P
聡君の災難は、まだまだ続きます(迷惑)。
朝、学校に向かう。
昼から向かってもいいけど(遅刻)
ん? 前回の出来事はどうしたって?
あの後は……
「夏海様! どこです、夏海様!」
「夏海ちゃーん!」
「キャン!」
男達がドアの隙間から、あるいは屋根から、または、クローッゼットから出てくる。
全員、黒ずくめの服を着ていた。
最後の人(?)はよく分からないが……。
何か、黒いあの虫を思い出す。
夏海さんは、布団の中に潜ったまま、ピクリとも動かない。
「おい、てめぇ」
「な、何でしょう?」
怖そうな(いや、既に怖いが)男が俺の頭に拳銃……の、モデルガンを頭に当てる。
……怖い
「夏海ちゃんはどこにいる?」
「さ、さぁ」
俺は恐怖で動けなかった。
ただし、怖いのは、この男達ではない(怖いことは怖いが)
先程から窓の外から、感じる視線。
鬼が来る……
男達は気づいていないようだが、先程、隣の家から、床に穴が開くんじゃないかという凄い足音を響かせながら、階段を降りていく気配がした。
そして、足音は俺の家に向かってくる。
大丈夫。鍵は掛けている。
だが、そんな喜び(?)も、つかぬ間、
鬼は窓から、入って来た。
どうやら、男達が割ってしまっていたらしい。
因みに、何故そんなことが分かるかと言うと、部屋から1階が、見えるからである。
具体的には穴が空いていた。床に。
全然具体的じゃ、無いって?
……あれ、「具体的」って、どーゆう意味だったっけ?
そして、足音は部屋の前まで来ると、
「朝っぱらから、五月蝿いんじゃああああ!」
いや、人のこと、言えます?
今さらだが、このシリーズで、俺が口に出した数って、かなり少ないと思うのだが……。
まぁ、いいや。
とにかく、怖いが先生を、止めなければ!
俺は鬼の方に視線を向けると、
……ゴキ……ではなく、男達が仰向け、あるいはうつ伏せで倒れていた。
鬼が口を開く。
「全く、人の家で迷惑な……」
ここは、俺の家なんだが……
やがて、男達が、怒りの収まった鬼に引きずられていくと(15人位は、いたと思うが)、
ヒョコッ
と、夏海さんが出てきた。
そして、口を開く
「ごめんね~! あの子達、私の匂いに敏感だから、君の匂いを体につけるしか無くって……」
さらりと、恐ろしい事を言った。
絶世の美女の体に俺の匂いが、ついてしまった。
今日の学校、どうしよう……
それに、家。
本当にどうしよう……(涙)
つづく♡
次回、鬼が……