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一人になりたい高校生  作者: 矛盾の猫
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二話

最後まで読んでいただけると嬉しいです。

「クラス委員長を決めたいと思います」

担任のこの言葉に教室にいる生徒全員に緊張が走った。無論俺もその一人だ。入学2日目の今日この頃、色々決めねばならないことがあるのは当然の事だ。そして今、大半の人がやりたくはないであろうクラス委員長を決めることになった。

「それではやりたい人は挙手してください」

し~ん、と漫画の効果音みたいに静かになる。もし今、行動を起こそうものならなんやかんや言われて半強制的にクラス委員長という役職を押し付けられることだろう。

「まあ、自分からやりたいって人はいないわよね」

はぁ~、とため息をつきながら疲れた様に言う。しかし俺は見逃さなかった。僅かに担任の口角が上がったことを。

「そういえば佐藤君、あなた○○中学校ではクラス委員長をしていたって生徒調査票に書いてあった気がするわね。そうでしょ、佐藤君?」

「え、えっと、はいそうですけど」

あ~これは決まったな。まさか先生がこんな隠し玉を持っていたとは驚きだ。

「それじゃあやってくれないかしら。やっぱり最初は経験者がやる方がよさそうだし。他の人もこれでいいですか?」

クラス全員「はい!」

哀れ佐藤君。クラス全員の思いが初めて一致した瞬間だろうな。いや、佐藤君は違うか。

 

 部活、最も青春という言葉がにあうものの一つといっても過言ではないものだ。この天音高校では生徒は必ず何かの部活及び同好会に入らなければならない。というのを今朝のホームルームで知った俺なわけだがどうするか。取り合えずどんな部活があるか知らないことには始まらないか。

 入学二日目の放課後、俺はクラス発表が貼ってあった掲示板のところへ行く。そこには全ての部活について書かれているプリントが置いてあるからだ。掲示板のところにあるプリントを取って教室に戻り少しプリントを見てみる。そこには、サッカー部、バスケ部、文芸部などのよくある部活から民族研究部とかいうあまり見たことのない部活もある。ぱっと見た感じ特にやりたいような部活はなさそうだ。さてさてどうするかな。

「あの~少しいいですか?」

声のした方を向く。そこには猫の髪飾り、茶髪のポニーテールが特徴的な背の低い女子生徒がいた。

「俺に何かようですか?」

「はい。あ、私、小雪コユキ 晴奈ハルナっていいます。実は私今新しい部活を作るために部員を集めているんです。それであなたに入ってもらえればと思って。そのプリントを見てるってことはまだ部活決めてないんですよね?」

「まあ確かに、ちょうど悩んでいたところだけど。部員集めって何部の?」

「えっと、それはまだ決まってないんですけど」

「いや、決まってないのかよ。何をする部活かわからないとこっちも判断できないんだが」

「そ、そうですよね。あはははは」

晴奈さんは頬を掻きながら困ったように笑う。

「そもそもなんで部活なんて作ろうと思ったんだ?」

「それはですね、私もそのプリント見たんですけど、これだっ!、って思うようなのがなくてですね。だったら帰宅部でいいかなって思ったら、今朝のホームルームで部活やらなきゃダメってことを知って」

こいつも俺と同じパターンか。

「それで、やりたい部活がないなら自分で作ってしまおうと?」

「はい!その通りです!」

いや、普通やりたい部活がないからって自分で作ろうと思うものか?絶対こいつ変人だろ。

「まあ、さっきも言ったけど、どんな部活か決めないことには俺も判断できないから、せめてどんな事をする部活か決めてからまた来てくれ」

「それじゃあ一緒に考えませんか?そうすれば、えっと」

「ああ、名前言ってなかったな。俺は月森 猫八だ」

「月森さんですね。えっと月森さんがやりたい活動ができるかもしれませんし」

「確かに、そうすれば俺のしたいことをできるかもしれないな。でも別に俺はしたい事があるわけでもないしな。あと俺のことは好きに呼んでいいぞ」

「そうですか、それでは猫八と呼びますね。私の事も好きに呼んでもらっていいですよ」

いきなり下の名前でしかも呼び捨てとはやるな。

「それじゃあ俺は小雪と呼ぶよ」

「わかりました。それで猫八もやりたいことがないと。困りましたね・・・それでは明日までにやりたい部活を考えてくることにしましょう」

「いや、その前に俺が小雪と一緒に部活をやることは確定かよ」

「だ、だめですか?」

小雪が上目遣いで不安そうに俺を見る。なるほど、このかわいい顔からの上目遣いなら大抵の男を堕とせそうだな。しかし、別に俺はそういうの効かないから意味ないな。

「何度も言っているが、取り合えず活動内容を決めてからだ。まあ一応俺の方でも考えはみるけど」

「本当ですか!ありがとうございます!」

あ~こいつすでに俺も一緒にやると思ってるな。まあ俺もなんだかんだ一緒にやるような気はするが。

「それじゃあ、また明日この時間帯にここに来ますから考えておいてくださいね」

「わかったよ」

小雪は話が終わると教室を出ていく。なんだか変な奴に絡まれたな。まあ何はともあれ疲れたしサッサと帰ろう。俺は帰路についた。

 俺の部屋、そこで俺はノワールを撫でながら小雪に言われた通り部活について考えている。まず運動系はないな。絶対大変そうだし。そうなると何があるだろうか。最近やり始めた将棋なんてどうだろうか。いやないか。何となく小雪に将棋は無理そうだし。う~ん、悩むな~・・・もうゲーム部とかでいいか、考えるの面倒くさいし。今日はなんだかいつも以上に疲れた気がするし、もう寝よう。俺が寝ようとするといつもより早く寝ることを心配したのかノワールが心配そうに、にゃ~、と鳴く。はぁ、寝たら明日も学校か。憂鬱な気持ちになり寝たくなくなるが人間の三大欲求の一つである睡眠欲に抗うことは難しい。当然のように俺の意識も深い闇の中に落ちていく。ノワールの心配そうな鳴き声をBGMに俺は眠った。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

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