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一人になりたい高校生  作者: 矛盾の猫
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一話

初めてなので、駄文だと思いますが最後まで読んでいただけると嬉しいです。

 俺、月森ツキモリ 猫八ネコハチは、一人でいることが好きだ。なぜなら誰にも気を遣わずにいられて落ち着くからだ。だが、別に誰かと一緒にいることが嫌いなわけではない。ただ、どちらかというとやはり一人でいる方がいい。

 そんなことを考えながら俺は今、桜舞い散る通学路を歩いている。非常に残念なことに今日は高校の入学式なのだ。周りを見ると俺と同じ真新しい制服を着た学生が歩いている。少なくとも俺の見た範囲に残念そうな顔をしたやつはいなさそうだ。

 学校に着くと掲示板の前に人だかりができている。どうやらあそこにクラス分けが発表してあるみたいだな。俺も自分のクラスを確認しないと。俺は掲示板の内容が見れるぎりぎりの位置に移動してそれを見る。どうやら俺のクラスはD組のようだな。クラスはわかったしサッサと移動するか。

 俺がD組に着くとすでに半分ほどの人が席に静かに座っている。何人か顔を見てみたが表情が硬く緊張しているようだ。俺は黒板に書かれてある自分の席を確認する。どうやら窓際の席で後ろから二番目の席のようだ。まさか俺の理想とする席に着けるとはラッキーだ。この席だと先生との距離も十分遠いし、一番後ろではないから、後ろの人プリント集めて、と言われても大丈夫だな。俺は自分の席に着くとバックから本を取り出して静かに読み始める。こういう時、読書はいい暇つぶしになるからありがたい。

 やがて、すべての席が埋まった頃、教室の黒板の方にある扉が開かれそこから若い女性が教卓の前に来る。

「皆さん初めまして今日からD組の担任になる・・・」

どうやらこの人がうちの担任だそうだ。見た感じどこにでもいる普通の先生といった感じだ。

俺は担任の話を真面目に聞いて今日の予定を頭に入れる。今日の流れとしては今から入学式をやった後、配布物を配って今日は下校らしい。

 担任の話が終わり、入学式をやるために体育館に行く。そして入学式、天音高校入学式が始まる。知らない先生による始めの言葉、初めて聞く校歌、校長の長い話などで退屈な時間を過ごす。

 俺がぼーっと座っていると、一人の女子生徒が壇上に上がった。容姿は、腰まで伸ばした長い黒髪、優しそうな黒い眼、透き通る白い肌が特徴的だ。おそらく俗にいう美少女という奴だろう。その女子生徒は話始める。

「初めまして、天音高校生徒会会長の吉柳キリュウ 冬佳フユカです。新入生の皆さんご入学おめでとうございます。また・・・です。これで話は以上です。ご清聴ありがとうございました。」

この人の話もそれなりに長かったな。まあ、校長の話程ではないが。

 入学式が終わり教室で配布物をもらって放課後になった。周りでは何人かでグループになって騒いでいる奴や、そのグループを見て話しかけるかどうか迷っている奴など多種多様だ。俺の予想ではグループみたいなのはもう少ししてから形成するかと思ったが結構早いもんだな。俺は別に学校に用事があるわけでもないしサッサと帰るとしよう。

 帰宅途中、ふと後ろを見る。すると白い髪が曲がり角に隠れるのが見えた。俺は曲がり角に行く。そこには、背中の真ん中位まで伸びた白い髪に淡紅色の瞳で病気かと疑うほどの白い肌をした少女がいた。

「やっぱりお前か、綾野」

その少女、白川シラカワ 綾野アヤノに俺は声をかける。

「こんにちは猫八」

綾野は少しどもりながらも挨拶してくる。

「ああ、久しぶりだな。その制服ってことはお前も同じ高校だったんだな」

「うん。猫八と同じ高校」

「そうか。クラスは違うみたいだな。それで、また俺をストーキングしてたのか?」

「そう。ダメ?」

綾野は心配そうに聞いてくる。

「前にも言ったが俺に被害さえなければ別にいいよお前の勝手で」

「よかった」

綾野は胸に手を当て心底安心したようにしている。

「それじゃ、俺は帰るわ。じゃあな」

「うん。じゃあね」

俺は綾野に背を向け帰宅を続行する。後ろからいまだに視線を感じるが特に害はなさそうなので放置一択だな。

 黒い屋根に白い壁をした二階建ての家の前に着いた。いつもどうりの俺の家だ。

「ただいま」

玄関の扉を開けると、ニャ~、という鳴き声が聞こえてくる。そこには深淵のように深い黒色の毛並みに眠そうなグリーン色の眼をした美しい猫がいた。うちの飼い猫のノワールだ。性別は雌。ノワールは俺に、お帰り、と言うように一鳴きすると足に絡みついてくる。一頻り撫でてやると満足したのか俺から少し離れる。そして俺が歩くとその後ろからついてくる。ノワールは家にいるときは俺からほとんど離れようとしない。まあ邪魔じゃないから別にいいが。

 しばらくノワールとリビングのソファーでゴロゴロしていると玄関の開く音がした。そしてリビングの扉が開かれる。

「ただいま、猫八」

「お帰り、母さん」

肩まで伸ばした黒髪と泣きぼくろが特徴的な見た目は若い女性月森ツキモリ 千穂チホ、俺の母さんが帰ってきた。歳は確か、あれなんだか思い出してはいけない気が・・・まあ歳なんてどうでもいいか。

「すぐに夕飯作るからちょっと待っててね」

「わかった」

母さんがキッチンに消えていく。

 夕飯ができるまで時間があるし将棋でもやろうかな。最近になって何となくやってみたら意外と面白かったんだよな。俺はスマホから将棋アプリを起動し10分切れ負けを選択。少し待って相手が決まり対局開始だ。俺は先手だな。俺の最近のマイブーム戦法は嬉野流だから初手はもちろん6八銀だ。相手は四間飛車に片美濃囲いらしいな。・・・ふ~ぎりぎり勝てた。相手が終盤でミスらなかったら勝てなかったな。

「夕飯できたから運ぶの手伝って~」

「わかった~」

どうやら夕飯ができたらしい。俺は夕飯をテーブルに運ぶ。今日の夕食は肉じゃがとその他もろもろといったところか。準備が終わって俺と母さんは椅子に座る。

「「いただきます」」

取り合えずじゃがいもと人参と肉を口に入れ白米も一緒に食べる。うん、普通に美味い。

「どう、おいしい?」

「まあ、普通に美味い」

「そう、よかった」

母さんが嬉しそうに笑う。なんでこんな感想で嬉しくなるのだろうか。

「もう、猫八も高校生になったのね」

「どうしたんだよいきなり」

「いや、時がたつのは早いな~って。ちょっと前まではハイハイしてたのに」

「まあ、時なんてどんなに長くても過ぎたら早かったと感じるもんだろ」

こんな話をしながら夕食を食べた。

 俺の部屋。俺が一人、いやノワールもいるから一人と一匹になれる場所か。俺が最も落ち着く場所の一つだ。俺は部屋の電気を消す。部屋にはカーテンから漏れる月の光だけが僅かに照らす。俺はベットに横になり布団をかぶるとノワールも入ってくる。そして今日を終えるために瞼を閉じる。

 俺はいつもベットで寝るときに俺は寝ることが好きなのか嫌いなのかいつも考える。目を閉じてぼーっとすることはなんだか心地よくて好きだ。しかし、寝てしまうとすぐに朝になってしまうことがたまらなく嫌いなのである。だから俺は寝るのは好きでもあり嫌いでもある。我ながらはっきりしない奴だ。こんなことを考えながら俺の意識は闇の中に消えていく。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

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