1章 謎の少女との出会い
(どういうことだ...何で夢で負った傷跡が残ってるんだ...ただの偶然かな...小さい頃から怪我しやすいほうだったしでも右肩に怪我なんてしたことあったかな?)
その時、時計が8時を指していたことに気づく。
「やばい!学校に遅刻する!!!」
―――――高校1年3組教室 お昼――――――――
「はぁー朝は急いでてこの傷のことを考えられなかったし授業はまともに集中できなかった。」
ため息をつき悩んでいると前から声をかけられた。
「どうしたんだ時雨ため息なんてついて、悩み事か?この俺に相談していいぞ!」
と声をかけてきたのは青木深夜、中学時代からの友人で見た目は悪そうだがとてもいいやつだ。
「ありがとう。でもいいんだたいしたことじゃないから」
「そうか...あまり溜め込みすぎんなよお前は自分で解決しようとするが誰かに相談することも大事なんだぞ!」
「あぁ...ありがとう」
とその時チャイムが鳴った。
「じゃ俺は席に戻るわ次の授業古文だとよ眠っちまいそうだぜ」
「眠るなよ」
―――――5時限目 古文――――――――
「授業が始まって20分はたったかな。深夜の言うとおり本当に眠くなってきたな。」
徐々に瞼が重くなり目を閉じてしまった。
「っ!ここどこだ?」
目を開けると俺は白い空間に立っていた。そして後ろから声をかけられた。
「やぁ少年いや選ばれし者と呼んだほうがいいかな?」
そこには幼い顔をした女の子がいた。
「君は?選ばれし者?俺が?」
「そう君は選ばれた世界を変える者に、と言っても君の過ごす世界ではないまた別の世界のことだ、いわゆる異世界というものだ」
「異世界・・・」
「その世界は今危機的状況に陥っている、魔王という存在が現れたせいでね、それで選ばれし者である君に魔王を倒してもらいたい」
「待ってくれ。話についていけない。というかこれは夢だろ?」
「夢ではないこれは現実だ。まぁ君は今現実では寝ていて意識だけを借りている状態だから夢にはなるが現実だよ。ちなみに言うと君が今日見た森で少女と一緒に魔物と戦った夢もその夢で負った右肩の傷跡も現実だ。」
と言うと少女は俺の右肩を指差す。
「なぜそのことを・・・」
とその時聞き覚えのある鐘の音が響いた。
「おっと時間がない。では詳しいことは今夜君を迎えにあがった時に話すとしよう。」
俺の体をあの時と同じように光が包み始める。
「ちょっと待ってくれ!!!」
「ちょっと待ってくれ!!!」
目を覚ますと見慣れた教室で俺は叫んでいた。
「おい時雨どうしたんだ?まさか授業中に寝てたんじゃないよな?いくら勉強ができるからって居眠りは感心しないぞ!」
「すみません。先生。」
「では、授業を再開する。」
(あの夢はなんだったんだ、あの少女が言っていた事、俺が選ばれし者...異世界...そして一番気になるのは最後の言葉「今夜迎えにあがる」あの少女はこうも言っていたこれは夢ではなく現実だと、もし本当なら今夜彼女がくるのか?くそっわかんねぇ。早く学校終わんねぇかな。)
「キーンコーンカーンコーン」
「それじゃこれで授業は終了。あと連絡が一つある今日先生方で会議やら事情があるから、次の授業と部活なしで下校になる、というかもう帰っていいぞ結構急ぎだから。」
「やったー!」
クラス全体で喜びの声が上がる。
(ラッキー!でも見計らったように事が進んだな・・・まぁいいや早く帰ろう)
「時雨今からゲーセン行かね?」
「悪い深夜今日用事があるから早く帰らないといけない悪いな」
「いやいいんだ用事があるならしょうがない」
「じゃあな」
「ああ、じゃあな」
俺は急いで学校を出た・・・