「序章」 異変
いつからだろう、自分の日常に退屈というものを感じ始めたのは、小さい頃はどんな事も楽しむことができたのに成長するにつれ楽しみというものが少なくなった気がする。
だがそんな中でもとても楽しみにしているものがあるそれは「夢」だ。
寝れば見ることのできるもの、自分だけの別の世界、そうあれだ。
たしかあの日も夢を見ていた、いつも通りの夢のはずだったんだ。・・・
「お・・・きて・・・」
(んっ…何だろうどこからか女の子の声がする…)
「起きて!!!」
「…んっ…はっ!」
「やっと目が覚めた!」
(ここは...どこだ?...たしか俺は学校が終わって疲れたからすぐに家に帰って寝たんだ...つまりこれは夢か!てか本当にここはどこだ何で森の中なんだ?)
「ねぇちょっと!人の話し聞いてる?こんな所で寝て死ね気!?」
「死ぬ気って...さっきから君は何言ってんの?これは夢だ俺の脳内で起こっていること、というか君は?」
俺の目の前には髪の毛が肩までかかり、銀髪で碧い眼をした女の子がいる年は同い年ぐらいだろう、顔立ちはとても整っているいわゆる美人という系統に入る子だ。うん。ぶっちゃけタイプだものすごく。さすが俺の夢。ナイス!
「訳が分からないのはあなたの方よ夢だの脳内だのこれは現実よ!まぁいいわ、私の名前はアリス=ミラーコルト、あなたの名前は?」
「俺は心木時雨、時雨って呼んでくれ、えっとアリス=ミラー・・・」
「アリスでいいわよ」
「よろしく、アリス」
っと普通に会話しちゃったけどこれ夢だよね?妙にリアルすぎるな...まぁ目が覚めたら森の中なんだから夢だろうせっかくだしこの夢を楽しもう。
「そういえばさっき「死ぬ気?」なんて物騒なこと言ってたけど何で?」
と俺が尋ねたらアリスは慌てて言った。
「あっ!そうよここは魔物の縄張りよ速く逃げないと!」
「逃げるたってどこに?」
と俺が立ち上がるとどこからか威嚇する獣の鳴き声がしてくる。
「グルルルル」
「何だ!?」
俺とアリスの目の前に3匹の獣が出てくる、全身が黒く眼が赤くて鋭い爪を持っている、普通の犬より二回り大きい。
「グルルルル」
「シグレは私の後ろに下がってて、こいつらは私が相手するから!」
そう言うとアリスは腰の辺りに携えてた剣を抜き魔物に向かっていった。
「はぁぁぁぁぁ!!!」
彼女の剣さばきは凄まじかった。彼女の動きはとても速く、魔物を切り刻んでいく。その時俺の後ろで足音がする、俺が振り返るとそこには魔物がいた魔物は俺に向かって突っ込んでくる。俺は避けようとするが魔物の爪が俺の右肩を引っ掻く。
「 ッッ!!!」
イタイイタイ嘘だろくそ痛い血が出てるこれは本当に夢なのか?。
俺が痛がって倒れると、アリスが俺を引っ掻いた魔物に向かって突っ込み魔物を切り刻んだ。どうやら前の3匹は倒し終えたらしい。
「大丈夫!?シグレ!!!」
「くそ痛い!どうしようこの傷」
「待ってて今治癒魔法を唱えるから」
そう言うと彼女は俺の右肩に手をかざし呪文みたいなのを唱え始めた。
「命の精霊よこの傷を癒したまえ」
そう唱えると彼女の手から緑色の光が出て俺の右肩を包んだ。みるみると傷口は塞がり痛みが引き始めた。
「これでよしと!傷跡が残るけどすぐに消えるから安心して」
彼女はそう言いながら微笑んだ。その微笑みはとてもかわいらしかった。俺は思わず見とれてしまったがすぐに我に返り礼を言わないとと思い。
「ありが・・・」
礼を言い終わる前に突然鐘の音が響いた。
「キーンコーン」
「!!!」
俺とアリスが同時に反応した。その途端俺の体を光が包み始めた。光は強く光り始め俺の体が消え始める俺はアリスを見たアリスは何かを言っているが上手く聞き取れなかった、視界は白くなり始め急に暗くなった。どうやら俺は目を閉じていたらしい、目を開けるとそこは森の中ではなく見慣れた天井だった。俺はベットに横たわっていたやっぱりあれは夢かと残念に思いながら時計を見た、時刻は7時50分だった。
やばい学校に遅れると思い急いでベットからおり壁に掛けてある制服を取り着替え始めた。着替えてる途中鏡に映る自分を見た、そこで鏡に映る自分に違和感を覚えた。
夢で魔物に引っ掻かれた右肩に傷跡が残っていた.....