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出会い2
「お母さん、天月春葵っていう天才作家知ってるでしょ?その人の小説買ってきてくれない?」
入院している間病院の庭以外の外出は禁止なので
いつもお母さんに買いたいものがあると頼んでいた。
だが、いつもなら普通に分かったわと言って買いに行くのにお母さんはこれでもかというくらい目を見開いて驚いた表情を見せた。
いつも私は小説を読まないから小説を買ってきて欲しいなんて言われたことにさぞ驚いてるのだろう。
「急に小説買いたいなんてどうしたの珍しいじゃない。」
やっぱり聞かれると思った。
なんせ本当に私は文を読むのが嫌いだったからだ。
読むものと言ったらマンガで本棚に小説は
学校の推薦図書で仕方なく買った本だけ。
でも、、、それぐらい興味がわいた。
「なんとなく。入院してる時なんて
暇なだけだし本読んだら退屈もしのげそうだし。」
「ふーん」
ヤケにお母さんは笑顔になって本を買いに行った。