お星さまにお願い
「お星さま、お星さま。お願いです。」
お城のバルコニーで星に願うお姫様。
柔らかな風が吹き、よく手入れされた髪がたなびきます。
それはとても幻想的な風景でしたがお姫様の目は本気でした。
「もっとマシな男を連れてこいよー!!」
それはお姫様の心の叫びでした。
ごきげんよう。わたくし、シルファーと申します。
面倒なことに第二姫といった身分を与えられています。
実は私、15になりまして。
絶賛婚活中なのです。
恋に恋するたちではありませんがそれなりの、温かな、幸せな結婚生活を夢みてもいたのです。
ですが。
私のためにと集められたズラッと並んだ男ども。
右から、ドM、女装趣味、ショタコン、厨二病末期者。
マザコンとシスコンの二重苦。
救いようのない馬鹿に重症ナルシスト。
児童愛者にド鬼畜、ホモ、ストーカーに電波。
偏りすぎだろう、と。
変態、変人、選択外しかいないってどういうこと?
選んだ理由を切実に知りたい。
この国にはまともな人はいないってことですか。
ちょっ、メイド長。
お一人ずつとお話下さい。なんて言って消えないで。
こんな奴らと二人きりとか辛すぎる。
なんの修行?
お国のため、民のためとは言うけれど、逃げてもいいですか。
ね?
ありがとうございました。