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迷路の始まり

ゆらゆらしててふわふわしてて、私の心をいやしてくれるお話。

決して広くない世界で不思議なことに出くわせる主人公がうらやましかった。


「朝よ、起きてちょうだい、」

「んー・・?朝・・?なんで・・?」

「今日はお父さんとお出かけなの。用意して下にきて頂戴。」


窓を開けて見える世界は狭い。

二つに分けられてる境界線、楽しそうに談話している人たち、たくさんの人が行きかう道。

タンスを開けて服をあさる。風が心地いい。

ここには二つの世界がある。その境界線が黒い壁だ。おしゃれな絵がたくさんかいてある。

私がいる壁の内側が安全圏、つまり生活を約束された働くこともなく遊べる世界。

外側が生活を約束されず働かなければ生きていけず、遊ぶこともできない世界。

噂では安いお金で安いご飯や服をきて小さな子供からお年寄りまで働いているとか。

そんな世界が実はうらやましかったりする私。

近未来で生活が安定してるからこその興味本位というやつだ。


「ねぇ、どこいくの?」

「今日はそうねぇ、約束のお金が入ったから贅沢にデパートにいこうかしら!」


約束のお金というのは一定の食料を外側に渡すとお金がもらえるシステム。

このシステムは貧しい人を救うという運動らしくてお金が支給金より多くもらえることもあって皆こぞってやっている。

もちろんやらない人もいる。貧しい人に偏見を持ってたりする人たちが大半だけれど。


「向うの人々に感謝してもらわないとね!そうだわ、何かほしいものある?」

「ほしいもの・・?本がほしい。」

「またおとぎ話?」

「またとか言わないで。」

「もう、子供じゃないのだから、そんなの読むのやめなさい。」

「なら行かない・・」


私は本が好きだ。不思議の国のお話に初めて出くわしてからすごく好きだ。

それから私は本を月に3回買ってもらっている。

たくさん集めた。いろんな世界に触れて今までにない幸せと充実感に満たされた。

私はそれからというもの、いろんなものを不思議の国に関連付けて世界をみている。

変なことかもしれないけど、私はそれでもいいと思ってる。

だから、服装も部屋もお話の世界のようにした。


「アリス、アリス!」

「・・・なに?」

「なにじゃないでしょ、早く本を見てらっしゃい」


今更だけど、私はアリシア・スメーナ。

アリスって呼ばれるの。

あ、新刊でてる・・・。

とどかない・・・。


「はい、これだよね?」

「あ、ありがとうございます。」

「おとぎの世界集好きなの?」

「え、あ、はい・・」

「そう、僕も好きなんだ。僕の名前はリデッシュ。リーデル・デッシュア。」

「アリス、アリシア・スメーナ」

「アリス、よろしく。」

「リデッシュね、よろしく・・」


変な人だ。変わった髪色をしている。いまどき茶色なんて。

私は白い髪に白い眼。リデッシュは茶色い髪に赤い瞳。まるで・・


「僕らは不思議の国の住人のようだね。」

「え・・?」

「アリス、君がアリスだ。その可愛らしい服もお似合いだ。

 そして僕はチェシャ猫。そう思わないかい?」

「服・・?初めて褒められたわ。ありがとう。

 でもチェシャはリデッシュみたいに優しくないわ。」

「ははっ・・ならよかった。

 ありがとう、アリスは優しいだな。」


その時地面が揺れた。大きく小さく、まるで、穴に落ちているように。


「いたっ・・」


何かにあたった。正確には芝生・・?

なんで芝生・・?そして、周りには木がたくさんある。


「なんだ、ここは・・?」

「リデッシュ?」

「アリス!けがはないかい?」

「えぇ、大丈夫。リデッシュは?」

「僕も大丈夫だ。それより、なんだ、ここ。」

「迷路みたいね・・」

「迷路?あぁ、確かにそうだな。」


左右に木、前には導くように道ができている。

それも曲がりくねった。本で読んだことある迷路のようだ。


「じゃぁ、行こうか、迷路には出口がつきものだ。」

「・・そうだね、ここにいても何もないままだもの。

 そうだ、リデッシュ、関係ないけどあなたいくつなの?」

「僕かい?僕は23だよ。そういうアリスはいくつなんだい?」

「12・・。」

「驚いた、若いね。怖くないのかい?今までと違う世界に来て。」

「そんなに。あの世界はとても窮屈だったから。そういうリデッシュは?」

「僕も同じようなものさ。」


こうして私はリデッシュと迷路に立ち向かった。

終わりのない迷路の終わりを探して・・



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