鮎川あゆみ
私の名前、一宮有
女子っぽくない名前で、自分でも気に入っていない名前だ。
私の学校には…いや、皆さんの学校にもヒロインの男子・女子はいないだろうか?
「あの子、超可愛いよね」とか「あの子だから、特別だよね」
可愛いから、頭がいいから
そんな理由で、先生からも友達からも好かれる存在の人。
贔屓なんて私は大嫌い!
心の中でいつも叫んでいる。
いざ、私がヒロインになったら……どうすればいいの?
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2013年4月
2年生の1学期が始まり、いつもどおり
のんびりと学校に向かう有。
「どうしたの?何か、いつもより足取り悪くない?」
こちらは有の親友の、佐東みゆき。
クラスメイトでもあり、中学からの友達。
「向こうに歩くあの子、私昔から嫌いなやつなの」
ふ~んと頷きながら、有の隣を歩くみゆきは
向こうに歩く、有の嫌いな女子に声をかけた。
「鮎川さ~ん!!一緒に学校行きましょー?」
何言ってんの?そんな顔で有はみゆきを見つめる。
それに気づいたみゆきは有にニッコリしながら
鮎川さんという人に走っていった。
「おはよう、みゆきちゃん」
「おは!」
鮎川あゆみ、クラスメイト。
有が唯一嫌う人物。
原因は…やはりヒロイン的存在である。
「おはよう、有ちゃん」
「…………」
「ちょ、有?あ、ごめんねあゆみちゃん。こういう性格なの、有は」
「私はそんな性格ではありません、じゃ。先行くね」
無理だ無理だ、そんな気持ちを抑えて
みゆき、あゆみよりも先に着いた学校。
自分のクラスには、有しか来ていなかった。
(暇だな~)
暇というより、眠気が襲ってきた有は
ホームルームまでの20分間、眠ることにした。
(一宮さん…?一宮さん)
「っは!!」
「やっと起きたよ、一宮さん」
夢で呼びかけられていたと思い、ハッとして起きた有。
それは夢ではなかった。
「だ、誰?君」
「僕は、2年C組の長尾涼介です」
「何で、ここにいるの?」
「ここ屋上だよ?それに、あと2分でチャイム鳴るし」
「やっば!!」
長尾涼介、学年人気No1の男子。
ヒロインにはお似合いの人。
だから、有も嫌い。
「長尾さん、起こしてくれるのは嬉しいけど。もうやめてね」
「どうして?」
「私はあなたが嫌い、大嫌いよ」
「?」
休み時間
「え~?何でそんなこと言っちゃったの?」
みゆきに話すと、やはりそんな言葉が返ってくる。
所詮、女子ってそんなもん?
「ヒロインの相手はやっぱり、長尾でしょ?」
「ヒロインってねぇ…有は有、ヒロインはヒロインなの!!」
「私はどうだっていい、回り見てるだけで面白いし」
「あ~!もしかして有、ヒロインに嫉妬?」
そんなわけない、と言いながらみゆきの頭を
軽く叩き、席に着いた有。
そこに、ヒロイン登場。
「あの、長尾涼介って人、知ってますか?」
「あ!もしかしてヒロィッ」
口に手を押さえるみゆきは、ニッコリと
「何でもない~!あ、知ってるよ?長尾くん」
「実は、今日の放課後に来てって言われたんです」
「そうなの?」
やっぱりヒロイン。
ヒロインはNo.1がお似合いのようでした。




