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先輩(♀)と後輩(♂)

あいうえお作文

作者: ひのた

 シリーズ一話目

 先輩(♀)と後輩(♂)が送る日常会話。人物設定はあとがきにて。

 会話の文頭が「あ」から「ん」の五十音順としています。地の文だけは除外しています。なお、濁点と半濁点がついた文字は省略しています。また、「を」の文字を「お」としています(「を」から始まる文字は古語でみかけますが、現代では助詞の「を」しかないため)。

 それでは、「あ」から始まる物語をお楽しみください。

「あぁ。ヒマだよ後輩くん」

「いきなり何ですか先輩?」

「うん? 会話の始まりは感嘆詞からと決まっているだろう?」

「えー、決まってると言われましても」

「おやおや分かっていないね後輩くん」

 先輩がニヤリと笑みを浮かべる。


「かわってますね先輩は」

「きみよりはマシだと思うがね」

「くちが減らないって言われません?」

「けっこうなことじゃないか。話すことはすばらしいことだよ」

「こっちの身にもなってくださいよ!」

 まったく先輩は。


「さて、何を話そうか」

「しずかにしてください。と言っても聞かないんですよね」

「すきと嫌いについてはどうかな?」

「せいぜい一人でしゃべってください」

「それは手厳しい」

 先輩はクスクスと笑いながら話を続ける。


「たのしそうですね」

「ちがうよ。嬉しいんだ。『楽』じゃなくて『喜』だね」

「つまり?」

「てつがくてきな話になるけど聞くかい?そもそも人間が持つ感情を『喜』『怒』『哀』『楽』と表現するのはなぜだと思う? 『憎悪』『恐怖』も人間の感情なんだよ?」

「とりあえず落ち着いてください!」

 熱くなると先輩は語りだすんだよなぁ。


「なにかな? 私はいつも冷静だよ後輩くん」

「にんげんって言い出したところから熱くなってましたが」

「ぬぅ〜。そこは先輩を立てるべきだよ」

「ねごとは寝てからどうぞ」

「のぞみ通り寝てあげよう」

 机の正面に座っていた先輩がぼくの横に座り、膝をぽんぽんと叩いてきた。


「はい? なんですか」

「ひざまくらだよ」

「ふっふふふざけないでくださいよ!」

「へぇ。あせった顔も面白いね」

「ほかの人にやってもらってください!」

 心臓がバクバクする。先輩とこの部室で二人きりはこれ以上きつい。みんなカムバック!


「まあまあ減るもんじゃないし、いいじゃなか」

「みんなまだですかねー」

「む? 現実逃避かい」

「めめっ滅相もない」

「もういいよ」

 先輩はふぅとため息をついて元の席、つまり僕の正面に座った。


「やめてくださいよ僕をからかうのは。恥ずかしいんですから」

「ゆうげんじっこうが私のモットーだ。後輩くんで愉快な毎日を送る。良いだろう?」

「よくないですよ!?」

 先輩。「と」じゃなくて「で」と言う所に意味はあるんですか? 涙が出そうですよ。


「らしくないな。今日の私は」

「りきせつしてたじゃないですか。いつもどおり」

「るすばんを任された子供のように落ち着かない気分なんだよ」

「れい(例)が解りにくいです」

「ろうほうを期待している」

 朗報? 英検の結果でも届くのかな。そんなことを考えていると、先輩が机から身を乗り出して、こちらに迫ってきた。顔が近いですよ先輩。


「わっ! どうしたんですか」

「をとこ(男)ならもっと積極的に来てくれると嬉しいんだがね、言わしてもらおう。私と付き合ってはもらえないか、後輩くん?」

「ん!?」

 突然すぎて言葉に詰まってしまった僕はバカだと思う。答えは決まってるじゃないか。告白してきた先輩を見つめ、僕は返事をした。

 ここまで読んでいただきありがとうございます。まずは読者のみなさまに感謝を、それでは、後書きです。


 ふいに思いついて書いてみたのですが、これがなかなか難しい。特に「な」行と「ら」行! ボキャブラリーの少ない私では無謀だったか!! そんなことより、先輩(♀)後輩(♂)の設定がなさ過ぎて、話がめちゃくちゃだったかもしれません。

 ちょっと後輩と先輩出てこいや。


「あれ? なんですか」

「いい話じゃなさそうだね」

 まず、作者として君たちに言いたいことがあります。


「あいあい」

「いきなりだね」

 なんで告白してんの?


「あ~それ言っちゃいますか」

「いいじゃないか別に」

 作者としてはもうちょい延ばして二話目につなげるつもりだったんだけどね。


「あっ! つなげるつもりが面倒くさくなって投げたと」

「いちばんだめなヤツだな」

 ちょっとそれ言わないでよ! それよりも何で告白したかなんだよ。


「あほな作者のせいで、僕らの気持ちがすっ飛んでますからね」

「いっとかないと、私たちの気持ちが伝わらないんだがね。バカか作者は」

 ちょっ、アホだバカだと罵らないでよ。作者泣くよ?


「あはは、冗談ですよ。作者グッジョブです」

「いい気味なんじゃないか?」

 後輩やさしい。先輩ヒドイっ!


「遊ぶのはこれくらいにして、本題に入りましょうよ先輩」

「いい感じで面白かったんだがな」

 作者遊ばれたーー。って、本題ですね。何で告白したのかだね。


「あれですよ。かくかくしかじかな感じです」

「いしんでんしん(以心伝心)で伝わらないかな」

 作者にまる投げだよコイツら。



 こほん、では先輩後輩に変わりまして、設定をつらつらと書いていきます。


先輩

 学年:高校2年生

 部活:文芸部

 備考:後輩と話していると、自分が嬉しいことに気がついた。しかし、その抱く感情が「好き」なのか「恋」なのか「愛」なのかよくわからないので、保留。途中、後輩が自分に好意を向けていることに気がつくが、自分の感情がよくわからないので、気にしないそぶりを見せていた。なかなか告白しない後輩にアタック?的な行動をとるが、恥ずかしがったり拒んだりでなかなか告白してこないので、自分から告白。


後輩

 学年:高校1年生

 部活:文芸部

 備考:先輩の作品(文集)に憧れて文芸部に入部した。先輩の作る独特の口調や性格に魅かれて好意をよせるようになった。しかし、照れ屋のため、なかなかその好意が表に出ない。だが、他の部員や先輩にはバレテいる模様。今回、部員がなかなか帰ってこなかったのも、先輩と後輩を二人きりにしようという部員たちの企たくらみによる。



 つまり、両想いであったということだね。

「あいあい」

「いいことじゃないか」


 それをふまえて読み返してみると面白いかもしれません。それでは最後に、

「『あ』と」

「『い』で始まる」

 あいあい作文お気づきになられましたでしょうか? 最後までお付き合いいただきありがとうございました。感想待ってます。






「あとがきでしなくても、よかったんじゃないですか?」

 ちょっ後輩! いい感じで締めたのに!!

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― 新着の感想 ―
[一言] はじめまして、ひぅと言います。 あいうえおで恋愛小説……凄すぎます、しかも面白っ ストーリ-もしっかりしてて、すごくよかったです。 お体にお気をつけてお過ごしくださいね~ それでは。
[一言] 会話を五十音順にするとは斬新っすね。
2011/03/10 18:24 退会済み
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