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嘘の代償  作者: 矢枝真稀
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無計画デート? 〜ゲームセンター編〜

ちょっぴりパチンコネタあります。

手を繋いで、再びアーケードを散策。美月さんの我が儘で立ち寄ったのは、割と大きなゲームセンター。美月さんはゲーセンヘ行った事が無いらしく、一度は行ってみたかったらしい。俺も最近になって、田尻なんかとよく遊びに行く程度。少なからず、俺も楽しみだ。



「賑やかだな!」

「そうですね、まぁこんな感じですよ!それより、何をして遊びますか?」

「ん〜・・・あ、あれは?」



美月さんが指差したのは・・・・・・パ、パチンコ!?



「美月さん、やり方わかります?」

「いや、全く!!」



自信満々に言われても・・・



「右下にハンドルがあるでしょう、それを回して球を上げて・・・」

「・・・やけに詳しいな、まさか経験者!?」

「まぁたまにですけどね・・・」



尤も、ゲーセンのパチンコじゃなくて実機だけど・・・

俺だけ美月さんから離れるのは流石に気が引けるので、隣の台でしばし遊んでみる事にした。



「澪亜、これは何だ?」

「ん〜・・・うぉっ!!!!」



俺は美月さんと同じ、某有名機種の、CR○の○次を打っていたのだが、いきなりのリーチ、しかも聚○台という大当り確定のプレミアム!!



「これは凄いのか?」

「大当り確定ですよ!!!」



ビギナーズラックとはよく言うが、まさかこんなに早く当たるとは・・・しばし美月さんの座る台で、プレミアムリーチを鑑賞。



『大義であった!!』



秀○・・・慶○・・・格好良すぎだ・・・。


ゲーセンなので、一定の大当りは、メダルとなって下皿から出て来る。その後も連チャンは続き、12連で殿モードに落ち、終了。一回の大当りでメダルは80枚放出されるので、全部で960枚を稼いだ事になる。しかし、これが実機なら六万円近くの儲けになったろうに・・・



「いやあ、面白いな!」



美月さんは楽しかったろうが、俺は当たりも無く、野口英世を二枚失った。



「で、このメダルはどうするんだ?」

「例えば、あそこにある競馬のゲームに使ったり、他のスロットとかに使うんですよ。使い切れない場合は、お店で預かって貰う事も可能です」

「ほおー!という事は、次にこの店に来た時に店員に頼めば、預けたメダルでまた遊べるって事か!」



理解が早くて助かります。一通り納得した美月さんは、あれこれと他のメダルゲームを物色し、着実にメダルは消化していった。

ある程度消化されたメダルだったが、ふらりと座った競馬ゲームでJackPotを引き当ててしまい、半分以上減っていたメダルは、あっという間に三千枚近くに増えてしまい、互いに苦笑いするしかなかった。



「メダル、どうしますか?」

「うーん、ひとまず店に預けるか、ここにはまた遊びに来るかもしれないし・・・」



美月さんの案に賛同し、メダルはとりあえず店に預ける事に。その後はパンチングマシーンや格闘ゲームで遊んで、それなりに楽しんだ。



「澪亜、これはどうやって遊ぶんだ?」



次に美月さんが興味を示したのは、幾種類もあるUFOキャッチャー。その中でも特に目を引いたのが、パンダの巨大ぬいぐるみ。全体的に胴が長い所をみると、抱き枕のようだ。



「これはどうやって取ればいい?」

「うーん・・・中々難しいですよ」



全体の半分近くは落ちかかっているが、他の小さなぬいぐるみがクレーンを邪魔しそうな雰囲気だ。



「まだ小銭はいっぱいあるし、チャレンジしてみますか!」

「お?おぉ!!」



ひとまず入金・・・三回で、五百円か。

クレーンを動かし、ひとまず周りの小さなぬいぐるみを掻き出す事に。



「お、お?」



隣は動くクレーンに興味深々みたいで、動きを目で追いながら、小さく声を出してる。

目的の場所にクレーンを降ろす・・・上手く抱き枕の脇に潜り込めたようだ。



「おぉ!」

「上手くいくかな?」



脇の下にアームを通し、持ち上げてみると、案外簡単に吊り上がり始めた。しかし後一歩の所でアームは抱き枕を離し、無情にも抱き枕は落下。しかしながら、先程よりも重心は取り出し口に傾いているようで、落下を食い止めているのは、抱き枕の片足を埋める、小さな子パンダのぬいぐるみ。ここを崩せば、自然に落下するだろう・・・。



「惜しいなぁ!!」

「多分、後一、二回で取れますよ。まぁ見てて下さい!」



二回目、クレーンを抱き枕の足に合わせ、アームを降ろす。

先程よりも深くアームは突き刺さり、引き揚げる際に上手く撹拌したみたいで、小さなぬいぐるみの中から足がフッと現れ、ゆっくりと取り出し口に落下した。


「おぉ!取れた!!」



美月さんははしゃぎながら、取り出し口からどでかいパンダの抱き枕を取り出す。



「凄い澪亜!!」

「本日二つ目のプレゼントです」

「いいのか?」

「欲しかったんでしょう?」

「ありがと、大切にする!!」



まるで小さな子供みたいに、無邪気な笑顔。こんなにも純粋な笑顔をみると、こっちも嬉しくなる。

結局、三度目のチャレンジで、小さな子パンダのぬいぐるみも追加。美月さんは親子みたいだと喜んでいた。その後は適当にゲーセン内をぶらぶらと散策し、3時を回った頃に、店を出た。美月さんは終始ご機嫌で、店員さんから貰った大きなビニール袋に抱き枕と子パンダぬいぐるみを詰め込んで、肩に提げている。



「いやぁ、楽しかった!!また来ような!」

「そうですね・・・あ、持ちますよ!!」



考えてみれば、俺は手ぶら、美月さんは右手に洋服、左手に抱き枕の入った大きなビニール袋だ。



「そうだな・・・じゃ、これをお願い!」



左手に提げていたビニール袋を受け取り、背負うように肩にからう。大きさの割りに意外と軽いものだ・・・なんて考えながら、さりげなく美月さんの手を握る。



















なにも言わずただ笑って、美月さんは俺の手を握り返す。

次は何処ヘ行くんだろう?なんて考えながら、足は自然とアーケードの中央へと向かって歩いていた。

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