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娘へ愛を込めて


 「おやすみなさい。良い夢を…。」


 私は久方振りに、眠りについていた娘の頭を撫でながら、この言葉を耳元で囁やきました。可笑しいですよね?来年には高校生になる娘に語り掛ける様な言葉ではありません。でも大人になればなるほどに、この世界がどれだけ残酷で、どれだけ無慈悲なのかを理解していくのですから、せめて夢の中だけでも、娘には幸せになって欲しかったのです…。


 その頃から、私の心は穏やかになっていたとは思います。喉の渇きが薄れている様な感覚がありました。ですが、ソレでも私には夢と現実の境が理解出来ない日々が多々あったのです。


 眠りについているのか…。

 それとも起きているのか…。

 夢の中なのか…。

 現実なのか…。

 脳が見せている錯覚なのか…。

 視覚が見ている真実なのか…。


 夢と現実の境界線がにじむ程に…。

 私と世界の境界線すらもが…。

 曖昧になっていったのです。


 まるで私自身が霧になってしまったかの様に。


 

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