悪い夢を見ている
悪い夢を見ているのだと思いました。
そう思う事で自分を誤魔化していたのかも知れません。娘が産まれてからと云うモノ、夫婦生活が変化していきました。夫の愛情が娘に向いていったからです。当然と云えば当然ですよね?自分の子供を愛すると云う事は間違いではありませんから…。傍から見れば、理想の家庭だったのでしょう。
ですが私には、ソレが許せなかったのだと思います。非道い母親です。夫が娘に取られてしまうのではないか…。その様な妄想に囚われていきました。勿論、夫が娘に恋愛感情を抱いていた訳ではありません。全ては私の心の問題でした。
ですが…。ふと思う事があるのです。もし娘がいなかったのなら、夫が死ぬ事は無かったのではないか…。そんな恐ろしい事を…。
人として間違っている事は理解はしています。
ソレに娘が産まれてから、私は肉体的にも精神的にも【老い】を感じる事が増えました。生きているモノならば【老いる】事は仕方の無い事です。ソレは生物に科せられた罰の様なモノですから…。
永遠の生を得た生物なんて存在しないのです。
ですが…。私が、老いていく事ですら…。
娘の所為なのではないかと…。
考えてしまう時があったのです。