表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/22

氷を口に含む


 あの時から、肉体の内側が火照っている感覚がありました。ソレを冷ます為、氷を口に含むのです。口に含んだ氷は、肉体から徐々に体温を奪っていきました。


 その行為は、肉体の内側に潜む、不安や恐怖を融解する、そんな気持ちにさせてくれました。だからこそ、私は幾度も幾度も氷を口に含んでいたのでしょう。そう。あの時の記憶すらも融解するのではないかと、淡い期待をしていたのかも知れません。


 でも、その行為が陰虚体質への入口なのだとは、当時の私には解りませんでした。陰虚体質とは、肉体の水分が不足する体質の事です。不思議ですよね?氷を大量に口に含んでいたのに、肉体は水分不足になるのだそうです。肉体から潤いが消失し、自らの熱で、のぼせる様になりました。


 だからなのでしょう。


 喉の渇きが尋常ではないのです。肌の水分も無くなり、カサカサになり、肉体も少しずつ少しずつ痩せ細っていきました。


 だから私は余計に家から出なくなったのです。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ