表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/22

若返り


 「浴びていた?」

 呆けた声が喉から零れる、


 「そう。浴びてた。浴びる程の量では無かったけど。知ってる?吸血鬼のモデルとなった女性・・バートリ・エルジェーベト。」


 黒澤は岸田を覗き込み、あぁ、知らないのね…。とポツリと呟いた。


 「アイアン・メイデンと呼ばれた有名な拷問器具を使っていた事で有名なのだけれども…。伝承ではバートリは処女の血を浴びる事で永遠の若さを保つ事が出来ると信じていたらしいわ。ほら、あの人も【老いる事】が厭だったみたいだから…。願いを叶えてあげたんだけど…。やっぱり血液を浴びても若返るなんてないわね。あっ。そういえば…。」


 わざとらしく間を開ける。


 「バートリーについての伝承なのだけれども…。近年の研究では、バートリーを貶める為に流布された話なのではないかと言われてるわね。だとしたらバートリーは実際は良い人だったのかしら?真実なんてそんなモノよね…。創造された物語が真実になる。」


 岸田は言葉に惑わされていた。何が真実で何が嘘なのか…。その境界線が消えていく。


 「ずっと…。不思議に思ってた事があったわ。【吸血鬼】って聞いた人って、大体ドラキュラを思い浮かべるの。吸血鬼と呼ばれた黒澤鏡花も女性だったのに…。貴方は吸血鬼って単語が出る度に、男性を思い浮かべるんだもの。まるで洗脳されてるみたいよ。」


 また少女の様に黒澤はクスリと嗤った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ