表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/22

開示


 【吸血鬼事件】以降、都内では不可解な殺人事件が、二年に渡り連続として発生した。その最中、黒澤鏡花の娘である黒澤聖が殺人の現行犯で逮捕された。黒澤聖、当時17歳。


 黒澤聖の自白により、全ての猟奇的な殺人事件の全容が明かされていく事になる。



 コレから紡がれるのは…。

後に【Creator事件】と呼ばれる犯行の一つ。


【吸血鬼事件】の真相だ。


 「幾つか誤解している様だから…。」


 黒澤聖くろさわひじりは囁く様に云い。そもそも、あの人は若い女性だけを刺殺・・していた訳じゃないわ。そうそう。何人だったんだっけ?あの人が殺したって報道された人の数…。と続けた。


 「女子中学生が六人だよ。」

 精神科医である岸田孝三きしだこうぞうは、冷静に答える。


 「ソレが既に間違ってるのよ。彼女が刺殺・・したのは十人。女子中学生六人と仲睦まじい夫婦二組。それと…。」

 ソコで聖は言葉を止めた。


 「それと…。とは?」


 「そうねぇ…。それ以外に、あの人は夫を殺してるでしょ?だから、あの人が殺した人数は合わせて十一人。」


 「君がそう思ってるだけだよ。君の父親が亡くなったのは…。不慮の事故なんだ。彼女の所為ではないんだよ。」

 優しく諭す様に岸田は云う。


 「だから…。ソレが違うの。あの人は、自らの夫を自らの意志で殺したのよ。無理心中ってやつね…。結局、死んだのはパパだけ。あの人も、あたしも生きていたから…。」

 黒澤聖は表情を変える事なく、そう云った。


 「だから君が、そう思い込んでるだけなんだよ。」


 「まぁ。どうでも良いのだけれども…。そうねぇ…。」

 そう云うと黒澤聖は…。もしも、あたしが人の心が読めて、その人を操れるって云ったら、貴方は信じる?と云った。


 「それは…。」

 岸田は言葉を詰まらせる。


 「信じるのも信じないのも、貴方に任せるわ…。」


 黒澤聖は、少女の様に微笑んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ