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大いなる意志のヒの下に  作者: PERNOG
第三章 第四界 『壊滅宇宙 コスモポリタン』
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『十三使徒』

 『十三使徒』。

 攻略された『第一界』より騎士団魔術師団によって発掘された半自律型特殊兵装群である。普通のロボットの様に命令を聞いての自律行動も可能だが、適性のある者が装着・騎乗することによって真価が発揮される。人が脳となり核となることで『十三使徒』は完成する。


 次々と飛来する星屑を高速で動き回りながら一片たりとも残さずに片手に持った警棒で叩き落とし、もう一方の手に持ったライオットシールドで打ち払うは女騎士マリアが搭乗する機体『雷の(ヨハネ)』。高速移動と長時間起動を兼ね備えた機体は遊撃に向いている。迫る触手も網の目を縫うように飛んで躱す姿は美しくすらある。


 敵の攻勢は弛まずさらに苛烈さを増していく。

 マリアが打ち落とし損ねた星屑を両手に持つ壁盾とバックラーによって防ぐ見た目は鈍重な機体は魔術師ジャックが搭乗する『雷の守護(Z・ヤコブ)』。攻撃能力を削ぎ落した堅牢な機体は絶対的な防御力と攻撃に即座に反応する感知力に優れている。


 今周りを飛んでいる『十三使徒』のなかで目立った動きをするのはこの二機だったが、他の機体も『寄星虫』の投擲攻撃は完全に抑え込んでいた。出動して数分も経っていないがその優秀さを知らしめた。欲望の眼差しを向けるイカリ。


 「ゲッヒャ!あんな愚図連中があそこまで戦えるなんて!最高の道具(アイテム)じゃねえか!ますます欲しくなっちまったぜぇ!」


 今にも錨を射出して『十三使徒』を略奪しそうなイカリ。


 呑はやっと騎士たちが重い腰を上げてくれたことに嘆息する。


 (そう動くなら、俺の提案に乗ったってことだよな。正直に言うと、決断が遅い。だが、ある程度は計算内だ)


 『寄星虫』から生え立つ触手の数が増えた。もう数えるのも馬鹿らしい数だ。さらに難易度を上げたという感じなのだろう。


 「イカリ、ここからは攻めに転じるぞ。正直に言うと、強行突破だ」


 呑の言葉を聞いてニヤリと笑ったイカリは手に持った酒を一気に飲み干し、空き瓶を床に叩きつけた。


 「ゲッヒャッヒャッヒャッ!そお来なくっちゃなぁ!チマチマグルグル回るのも!コソコソヒュンヒュン避けるのも!俺様らしくねえ!正面から乗り込んで略奪だぁ!ヨーソロー!」


 『寄星虫』に向かって発進した船。飛来する星屑・隕石・光線の雨あられの中を突き進む。船の周りに『十三使徒』が飛び回り露払いをする。


 「こっから先は難易度が上がるぞ。正直に言うと、インフェルノだ」


 『シューティングは好きだけど下手くそでね・・・楽しませてくれよ?』


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