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大いなる意志のヒの下に  作者: PERNOG
第三章 第四界 『壊滅宇宙 コスモポリタン』
85/100

『敵』の戯れ

――― 『第四界』 ??? ―――


 「おんやぁ?うまいこと近付いてきやがるなぁ。このままじゃあスムーズに攻略が終わっちまうなぁ・・・どうするかねぇ・・・」


 『第四界』を我が物顔でひた走り、中心地へと近づく船を見て考えるモノが一つ。


 「第一から第三にかけては非常に簡単に攻略されてしまった・・・。ここで一つ、攻略組が全滅ってのも面白いと思うんだが・・・。介入はあまりしないってのがルールだし・・・」


 のんびり悩むモノは物騒なことを喋っている。この物言いからしてコレが『第四界』を担当している『敵』だろう。暗がりからぬるりと現れたソレは楽しそうに遠くから迫りくる船を見ていた。


 黒いコートに白い手袋。そして目を引くは銀色に鈍く光るペストマスク。マスクの中を覗ける目の部分は漆黒に染まり、伺い知れない。


 「『偽善者(ライアー)』のようにスマートにやりすぎてもあまり面白くないし、『隠蔽者(ドッペルゲンガー)』のところは仕掛けフル無視で攻略されちゃったし・・・」


 ペストマスクのモノは足元を見やりコツコツと地面を軽く蹴る。

 地面が鳴動する。今の今まで眠っていたものを起こした。イカリ達にとっては最悪なモノの目覚め。


 『恒星』ノヴァを食らってはち切れそうなエネルギーに満ち溢れ、まどろみの中にいた『寄星虫』が動き始めた。


 「これは余計な介入じゃなくてほんの一握りの遊び心ってやつさ」


 動き出すは星を食らう化け物。意思を持つ天体。抗うことも馬鹿らしく思える尺度を持つモンスター。それを意のままに操るこのペストマスクはいったいナニか。


 『――――――――!!』


 『第四界』全体を震わすような鳴き声を響かせる『寄星虫』。丸まった体を伸ばして腹部をさらけ出す。何十本もある足をワキワキと動かし、宇宙を掻き抱く。足の間からは数えるのも億劫なほどの触手が蠢いているのが見える。


 ペストマスクはくつくつと笑いながらこちらに近づく船を見やる。

 異常を感知して船上で戸惑ったり右往左往しているのが感じられる。その中でも、醜悪な笑みを崩さずに操舵輪を握る男と眉間に深い皺を作りながらもしっかりとこちらを見据える男を確認して、またくつくつと笑いを零した。


 「さあて、優雅な船旅から一転。どう抗ってくれるかな?」


 足元から伸びる触手を握り、『寄星虫』の動きを支配する。


 予定には無かったが幾分か彼らが優秀だったため、急遽『第四界』攻略パーティに追加の脅威を叩きつける。


 向こうは生き死に存亡の瀬戸際だが、ペストマスク側にとっては所詮はただのお遊びの延長でしかないのだから。


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