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大いなる意志のヒの下に  作者: PERNOG
序章
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説明回

 「さて、これで後は『二つの道』の二人だけね」


 パンパンと手を払いながら『一点紅』は話を仕切りなおす。足元にはボコボコにされ再度拘束された黒狼が横たわっている。目から流れる何かには反応しないことにした。


 「クソッ・・・こんなイタいアラサー女に・・・」


 ブツブツと文句を垂れる黒狼を無視し、『一点紅』は広場に目を向ける。


 ちょうどその時広場の入り口から来た人物二人に声をかけた。


 「遅いわよ『二つの道』。今が切羽詰まっていることが分かっているのかしら?」


 そんな小言は聞こえないかのように『二つの道』と呼ばれた二人は互いの体を弄り合っていた。


 黒いゴスロリ姿の二人はある一点を除いて鏡合わせのように瓜二つの容姿をしていた。

 熱に浮きお互いしか映していない蒼と赤の瞳。絹のような白い肌。高級なフランス人形が動いているかのような錯覚を持つほどの美貌・・・片方のスカートの上からでもわかる『ご立派』の主張が無ければの話だが。


「ああシン!なんでこんなゴミ溜めに来なくちゃならないの!?」

「ああユウ!それはあのおばさんが呼んだからよ!」

「ああシン!愛し合う時間は減らせないのに!」

「ああユウ!独り者おばさんには愛し合う素晴らしさはわからないのよ!」


 二人の会話に青筋を浮かべる『一点紅』だがいい加減に話が進まないので無視をする。


「そ、それでは今回の作戦を説明するわね」


仕切りなおすように咳払いをして表情を真剣なものにする。


「これから挑む第一界・・・『未来都市 ムー』と呼ばれていた世界は機械文明が発達していた都市による世界だったわ」

「ただみんなご存じ『あれ』によって文明は崩壊・・・」


『あれ』と聞いたとき広場にいる全員が顔を顰めた。


「その結果、街の運営や防衛の全てを管理する中枢『ノーチラス』が暴走し外敵を阻むトラップが満載に。さらには資源の確保のために機械兵を使ってここに侵略をしているといった感じね」


「連れ去られた魔物や人間はまた機械兵になって侵略をする・・・全く無駄が無いのが腹立たしいわい・・・」


自身の部下や家族が連れ去られた者も多く、かつての仲間が敵対するという恐怖や怒りがその世界に向けられている。


「我々騎士団の剣や魔術師団の魔術ではまともに奴らを傷つけることすら出来ない・・・!鎧も簡単に切り裂かれる・・・!」


力及ばずに被害を防げない騎士の男は悔しそうに声を震わせている。


「機械兵をいくら倒そうが大元を叩かなければ意味が無い。しかしこれまで何度も兵を派遣したが多くのトラップや機械兵の前に皆散っていった・・・」

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