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大いなる意志のヒの下に  作者: PERNOG
幕間 第一界 攻略後
33/100

『第三界』攻略メンバー選出

 「『第三界』と言えばあの闇が広がる世界・・・つまり私がより輝くと言うことかっ!」


 甲冑姿の光る男が声を上げる。


 先ほどまで黙っていたのが嘘のように、兜で表情が分からずともうきうきしているのが感じ取れる。


 「そうね。今回の攻略ではあなたを中心にメンバーを編成するわ。小唄薫(こうたくん)


 「ノンノン!私を呼ぶには『光の勇者』様と呼べと言っただろう!名前などナンセンス!」


 より一層ピカピカと発光する男。周りは「え?こんなのと行動しなくちゃいけないの?」という視線を向けられる『一点紅』はまた胃痛を感じながらも視線を無視する。


 「えーそれと『大罪』からは門構姉弟」


 「・・・しょうがないわね。黒狼が男気見せたらしいし。やるしかないか」


 あやとりをしている少女は不承不承と参加を表明すると横で眠り続ける弟を小突いて起こした。


 「ん~・・・僕やだなあ~・・・めんどくさいし~それにうるさくてピカピカと一緒もやだ~」


 駄々をこねるが隣にいる姉からの視線に耐えられず頭から布団を被ってしまう。姉は溜息を吐く。


 「はあ・・・愚弟がすまないわね。どうにか連れてくから」


 布団の上からどこからか取り出した糸でで弟を縛りつける少女。


 「お願いするわ。あとは『八宝』から灰鴉」


 視線を集めるのは番傘を肩に掲げた着物を着崩した女性。顔には大きな傷が走っている。視線が鬱陶しいのか、手にした番傘をずん!と地面に突き刺して周りを睨みつけ威嚇する。


 「うちが参加するってことは、この愚図どもを守れって言いたいのかい?ええ?」


 眼力のみで『一点紅』は膝から崩れ落ちそうになるが、耐える。元々自分より強い人間しか周りにいない身としてはいちいち強者に屈していたら時間がもったいないからだ。


 「今回の攻略は目標が定まっていない非常に危険なものよ。外敵からの脅威に常に身を晒さなければならず、闇にも襲われる。一瞬たりとも気の抜けないものになるわ。そんな中あなたの能力が必要になるのよ」


 灰鴉から視線を逸らさずに毅然とした態度で答える『一点紅』。


 にらみ合いが数舜続いたが灰鴉が鼻を鳴らして視線を切る。


 「わかったよ。ここでグダグダするよりさっさと攻略を済ませちまえばこいつらと付き合う時間が減る。うちも全力でやらせてもらうよ」


 再び番傘を肩に担ぎ攻略に参加する旨を伝える灰鴉。


 『一点紅』は安堵に胸を撫でおろす。


 「それとハイド。あなたも参加ね」


 先ほどまで面白そうに状況を見ていた物差し男は一瞬ポカンとした後、自分を指さして首を傾げるも理解した瞬間その場からの逃走を図る。が、門構姉の糸がいつの間にか足に縛りついており顔面から転び、痛みにのたうち回る。


 「・・・どうしてこう、男どもに張り合いが無いのかな・・・」


 門構姉は弟にしたのと同じようにハイドと呼ばれた男を縄でがんじがらめにする。


 「うちも今の発言取り消したくなったわ・・・」


 灰鴉もうんざりとした様子で愚痴る。


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