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大いなる意志のヒの下に  作者: PERNOG
幕間 第一界 攻略後
32/100

集合

 『第一界』の攻略前に使った広場にまた人が集められた。


 前回の時より人数が増えている。

 一際目を引くのは白と黄色の燃えるような意匠を施された甲冑を着た者だろう。兜からはカブトムシの角のような突起が出ており背中には華美な刺繍がほどこされたマントがたなびいている。


 目を引く理由は奇抜な格好にあるのは勿論のこと、先程からピカピカ発光しているのも上げられる。


 周りの者はまぶしいのとうっとおしいのとでその人物を睨みつけるが、光を放つ甲冑は腕を組みながら周りに気も留めずどっしりと立っている。


「まぶしいな~・・・これじゃあねむれな・・・Zzz」


 外にも関わらず布団を敷いて、寝間着をきっちり着て寝ている者もいる。


「集まったわね。また招集に応えてもらって感謝するわ」


『一点紅』も広場に現れ、広場にいる面々に一応の感謝を伝える。


「前回の『第一界』は皆の協力のおかげでどうにかなった。この勢いを失う前に、次の攻略に乗り出すことにしたわ」


 一度言葉を切り周りを見渡す。


「これより第三界攻略作戦を開始するわ!」


 ざわりと沸き立つ。めんどくさそうにする者や楽しそうにする者。そもそも眠っていて話を聞いていない者。一切の反応も見せない者。


 本当にこんなに一体感の無い者たちで協力しながら攻略にあたってもらえるのか?という簡単な疑問がずっと頭に浮かんでいるが、そこをどうにかしないと待ち受けるのは失敗、敗北からの滅亡の最低コンボだ。


「ねえ、この間集められたときは『第一界』の攻略だったけど、今度は『第三界』なの?」


 質問を投げてきたのは眠りこけている男の横であやとりをしている少女だった。目線はこちらに向けられているが手だけは別の生き物のように、うねうねしゃかしゃか動いており不気味さを醸し出している。


「そうだよな、俺も思ったぜ。攻略したのは『第一界』。これはちゃんと通達があったからわかる。それなのについこの間『第二界』の攻略まで終わったってアナウンスがあった。そこんとこどうなってんだ?・・・17、いや18メートル・・・」


 少女の質問に便乗したのは軽薄そうな笑みを浮かべた男だった。


 首から下は黒に統一されている。ただおかしな点として腕の長さや足の長さ。果ては指の長さや幅までくっきりとプリントされている。


 無精髭を生やした顎を撫でながらもう片方の手で『一点紅』との距離を測っている仕草をしていた。端的に言って気持ち悪い。


 「・・・『第二界』はイワン馬鹿が勝手にやったのよ。あなたたちに対して後ろ暗いことはこっちには無いわよ・・・はあ・・・」


「「「「「「「ああ・・・あの馬鹿か・・・」」」」」」」


 うんざりした『一点紅』の様子にある程度察した面々はそれ以上の追及をすることを止めた。

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