会議室に乱入者
「貴様は確か第二騎士隊長だな!急になんだ!会議中なのはわかっているはずだ!」
騎士団長が無礼にも飛び込んできた騎士に怒鳴る。慌てていた騎士はすぐに膝をついて頭を下げた。
「し、失礼しました。し、しかし、早急に報告したいことが・・・!」
走ってきたことと焦りからか呼吸を荒げながらも急いでいたわけを話し始める。
「だ、『第二界』が・・・!『第二界』が・・・!」
「落ち着け!『第二界』がどうしたと言うのだ!」
『第二界』。先ほど優先度が低いとされたがこの世界も十分に危険度が高い。
元々は『Unknown World』の中でリゾート地として扱われていた。
一流ホテルも顔負けの内装や豪華な食事。ありとあらゆる遊戯を楽しめるカジノ。卑しさの無い歓楽街まで広がる夢の様な世界であった。
しかし今では幽霊が蔓延る醜悪な世界へと変わっていた。それでいて面倒くさいことに多大なる広さと部屋数を誇りながらも場所ごとに「人数制限」が設けられる謎の空間へと変化している。
小さい部屋には同時に1人、廊下では5人、舞台ホールでは10人、などと同じ場所にいてもずれた位相の空間に送られてしまい仲間と連携が取れないという厄介さがある。
さらにさらに『第二世界』の攻略には時間制限がある。外から誰かが入ってきた瞬間からカウントしてちょうど「一週間後」に『第二界』全体に毒ガスが散布され生命体が死に絶える。残るのは幽霊だけ。
そんな攻略が難しい『第二界』に一体何があったのだろうか。
「毒ガスが漏れ出してきたのか?それとも幽霊が侵攻してきたか?」
「違います!『第二界』が・・・!」
第二騎士隊長が続けようとした瞬間。
部屋の扉が轟音を立てながら吹き飛ばされた。ちょうど前にいた第二騎士長が扉に当たり壁に激突した。
「敵襲か!?」
会議室にいた者は武器を手に取り臨戦態勢になった。
扉を吹き飛ばした人物は堂々と入ってきた。その人物を見て会議室にいた面々は嫌そうな顔をした。
「ふー・・・出迎えご苦労。絶対的な私がわざわざ来てやったぞ。感動にむせび泣くが良い」
腰まである絹のような金髪に美しい碧眼。整った顔立ちは誰もが見惚れるだろう。
身長は2mを越している。偉丈夫と言える肉体美。足もすらりと長くモデルの様だ。
分厚い胸板。きれいに割れている腹筋。そしてその下の・・・。
「何しに来た!露出狂の変態男!」
「鏡でも見ながら引きこもっていろと言っただろう!変態ナルシスト!」
「アンタみたいなやつがいるからみんなとの溝が無くならないのよ!ぶらぶらすんな!」
一糸纏わぬ姿で入ってきた男に怒りと侮蔑の言葉をかける面々。
そんな言葉などどこ吹く風といったように腰に手を当てながら決め顔でポーズを決めるこの男。
先の攻略で死亡した黒狼の所属していた『大罪』のリーダーであり、露出狂でありながら最強と呼ばれている男。
『傲慢の大罪』。イワン=デュラックが会議室の破壊した入り口から、全裸で色々見せつけつつ入室してきた。
〖名前〗ベンジャミン=ルート
〖ステータス〗Rank A
〖HP〗500/500
〖MP〗200/200
〖STR〗70
〖INT〗20
〖DEX〗65
〖VIT〗50
〖アビリティ〗剣術lv.6 魔術lv.4 闘気術lv.5 槍術lv.5 盾術lv.5 格闘術lv.3
〖ギフト〗剣術補正
剣術補正 剣術の熟達率に補正がかかる。