キャラクター名鑑(4)
【ノスフェラトゥ】
215歳、女性。複雑に結い上げた長い黒髪に青白い肌、深紅のナイトドレス。元々の種族は只人であるが、血肉魔法によって自らの体構造を改変しており、どの人類とも似つかない。
150年前の勇者による殺戮を生き延びた、魔族と呼ばれる人喰いの魔法使いのひとり。魔族の中ではさほど高位の者ではないが、慎重に正体を隠しつつ、娼館街の主としてクイントピアに根を張っていた。娼館街の人々にとっては鷹揚で慈悲深い統治者だったが、彼女にとって街は隠れ家兼食糧庫以上のものではなかった。
【ブラッバーマウス】
65歳、只人の男性。身長165センチ。痩せぎすの体型、黒い執事服。
ノスフェラトゥの侍従。ノスフェラトゥの身の回りの世話のほか、暗黒娼館『無光夜』の維持管理を取り仕切っている。ノスフェラトゥの秘密を知る数少ない人間であり、人を喰ったあとの隠蔽工作などにも関わっていた。
【プロンプター】
29歳、只人の男性。身長170センチ。黒頭巾、鉄板で補強した革鎧。
暗黒娼館街の用心棒の頭役。東区では珍しい騎馬兵であり、弓とサーベルを用いる。その主たる役目は自我の消失しているヒドゥンダガーに指示を出すことである。
【ヒドゥンダガー】
年齢不明。身長250センチ。勇者像のイミテーションめいた純白の鎧。男と女が融合した四本腕の巨体。
ノスフェラトゥの手になる人型の合成獣。かつて娼館街を訪れた剣士の男と気流魔法使いの女を融合させて生み出された怪物であり、その自我はほとんど不可逆に破壊されている。その製造目的は魔族殺しの武器ブレード・オブ・アナイアレイションを制御下に置き、非常時の奥の手とするとともに、ノスフェラトゥの中の勇者への恐怖心を克服することであった。
【バフォメット】
【エッグイーター】
【ウィロウ】
【バッファロー】
【トータスシェル】
『無光夜』内部に配備されていた用心棒たち。
サクシーダーの暗黒シンジケートやデスヘイズの暗黒麻薬カルテルは期間を区切ったドライな雇用関係を基本としているが、損得抜きの忠誠を重視する暗黒娼館街はこうしたフリーランスを食客として抱え込み、事実上の部下として扱っていた。
バフォメットはフランベルジュを用いる鎧剣士。エッグイーターはスキンヘッドの女で、短距離をテレポートする〈瞬動〉のスキルで冷蔵庫からパノプティコンを奇襲したが、返り討ちに遭って死んだ。ウィロウ・バッファロー・トータスシェルは3人組の傭兵グループで、プロンプターに次ぐ実力者である。
◇
【バックドラフト】
16歳、只人の女性。身長173センチ。赤のモヒカンヘアー、フルフェイスの防火マスク。重火炎放射器を組み込んだマギバネの両腕。
ファイアライザーから火炎魔法のインストラクションを受けていたニュービーギャング。師と同じ広域火炎攻撃フラクタル・ファイアを習得しており、魔力量は師匠以上。本編開始時点では「状況判断力に課題あり」として未だ訓練段階だったが、ポジションを引き継いだプロフィビジョンの指示で実戦投入された。
【バウンサー】
36歳、只人の男性。身長190センチ。重装甲の防弾服、目出し帽に防弾ヘルメット。右手にサプレッサー付きの45口径拳銃、左手に魔導ライトと魔導指向性地雷を仕込んだ防弾盾を携える。
元東区警邏であり、十分な戦闘訓練と多くの実戦を積んだ戦闘のプロフェッショナル。重装ギャング部隊の教官役も担う。
【スカウンドレル】
34歳、只人の男性。身長174センチ。無精髭、薄汚れたギャングスーツに防弾ベスト。
路地裏孤児からの叩き上げのギャング。魔法の才能は乏しく、銃火器や道具に頼って戦う。華々しい手柄には乏しいが、常に最前線で一定の戦果を上げ続けており、総合的な実力は一流と言って差支えない。
【ブルームスター】
25歳、只人の女性。身長170センチ。長い金髪、マギバー・グラス、タクティカルギャングスーツ。肩にギターケースめいたマギトロン・ビームキャノンを担ぐ。
彼女のように最低限の強化魔法のみを身につけ、それ以上の攻撃手段はテックに委託するスタイルは東区戦闘者の一般的なキャリアプランである。高度な魔法を訓練している時間も余裕もないからだ。
【アンフィスバエナ】
40歳、只人の男性。身長230センチ。双頭蛇じみた巨大な多関節マギバネ・アーム。顔から胴体にかけてはジャンク鋼板めいた装甲で覆われている。
パワフルなパーツで全身を固めた重装甲マギボーグ。解体重機の部品から作り上げた多関節アームで掴みかかり、何であろうと力任せに引きちぎる。
【ウォッチメイカー】
32歳、身長162センチ、只人の女性。糸めいて閉じた目に三つ編みの銀髪。ペンシルスカート・タイプのギャングスーツ。透明な強化クリスタル製マギバネ義手の中では金色の歯車群が回転している。
西区魔法学園の第1席を務める教授だったが、学園に秘蔵されていた遺物を強奪して出奔、ヒュドラ・クランの事務方担当および魔法顧問の座に収まった。その際に両脚を負傷しているため、現在はもっぱら浮揚椅子に乗って移動する。
彼女の使う時間魔法は本来数時間から数日に渡る詠唱を必要とするが、腕に組み込んだ西区の遺物『ワークス・オブ・カリキュレイション』によって無詠唱での行使を可能としている。
【レインフォール】
50歳、只人の男性。身長173センチ。白髪交じりの黒髪、マギバーグラスにタクティカルギャングスーツ。鉛色に塗装された細身のマギバネ義手。
ファイアライザー率いる威力部門の古株にして、ただひとりで100人の敵を連続キルした逸話を持つサブマシンガンの達人。誰に対しても温厚な態度を崩さないが、その戦い方は冷徹なマシーンじみている。
【サンダークラック】
21歳、只人の男性。身長200センチ。刈り上げた金髪にトレンチコート。
秀でた体格の若手ギャング。元はフィストガンを仕込んだ両腕を主武器としていたが、現在は左腕をクロスボウ様の射撃形態とマギトロン・ブレード形態を併せ持つ試製マルチ・ウェポン『ブレイザー』に換装している。戦法は粗削りだがマギバネの出力は高く、熟練の戦闘者と連携するとさらに危険。
◇
【アクアヴィタエ】
148歳、ハーフエルフの女性。身長185センチ。浅黄色の長髪、刺繍入りのローブにボタニカル衣装のギャングフラッパードレス。
クイントピア近郊に勢力圏を構える女杜氏。水分をアルコール化する〈酒池〉のスキル持ちであり、その引火爆発を利用した大規模火力投射に長ける。
元は森のエルフの集落で暮らしていたが、酒造りの魅力に憑りつかれた結果、樹液を酒のフレーバーにするために村の大神木に傷をつけて追放された悲しき過去を持つ。デスヘイズとは公私共に親密な関係にあり、互いの私室へ自由に出入りできる。
◇
【デスヘイズ】
25歳、只人の女性。身長154センチ。複数色のメッシュを入れた黒髪、黒いラボラトリー・コート。厚底のブーツで上背を10センチ嵩上げしている。
東区のドラッグ・ディールを独占する邪悪な錬金術師。身体を毒煙に変える〈霞隠〉のスキルを化学知識によって使いこなしており、成分を自在に変成させて可視性や毒性を調整する。南区のペインキラーとは同門の姉妹弟子の関係だが、彼女は解剖魔法を習得できていない。
【セムテクス】
26歳、獣人の女性。身長161センチ。癖のついた黒髪、猫めいた獣耳。
カルテルの火工品担当にして、数年前に北区を騒がせた連続爆弾魔。悪名高き爆炎手榴弾の開発にも関わっている。組織の実質的な副リーダーであり、デスヘイズが不在の際には彼女が司令塔となる。
【クリスタルメス】
36歳、只人の男性。身長182センチ。眼鏡、痩せぎすの体型。
難病の治療手段を求めて禁忌である血肉魔法に手をつけ、西区を追放された元医師。本来は思慮深く落ち着いた性格だが、アッパー系ドラッグの常用により、元々の人格が出ることは少ない。
【ソムニフェルム】
28歳、只人の女性。身長169センチ。ピンク色の髪、ナース服。
国外で伝染病の治療薬を研究していた薬師だったが、政争に破れて故郷を追われ、流れ着いた東区でデスヘイズに拾われた。本来は明るく朗らかな性格だが、ダウナー系ドラッグの常用により、元々の人格が出ることは少ない。
【クロコダイル】
30歳、ハーフオークの男性。身長250センチ。
ドワーフの集落で育ったハーフオークの技術者。クイントピアの巨大構造の解明・再現を目的としており、高強度材料の研究を行っている。特に几帳面かつ融通のきかない気質で、カルテルの経理担当でもある。
【ドラッグミュール】
8歳、獣人の女性。身長125センチ。栗色の髪に猫めいた獣耳、古い金属首輪。
異空間に物を収納する〈隠倉〉のスキル持ち。西区で奴隷商人に使役されていたところをデスヘイズに買い取られ、薬物運搬および避難所の維持要員としてカルテル所属となった。他の構成員やアクアヴィタエからは妹分として可愛がられており、デスヘイズからもゆくゆくは組織を継ぐ者として目をかけられている。
【コンタミネイション】
年齢不詳、粘菌人。ゲル状の群体生物であるため無性別だが、只人の女性の姿を取る。
本来高度な知性を持たぬ粘菌人の変異個体。暗黒麻薬カルテルでも特に先鋭的な研究者であり、人体と機械の融合に積極的な興味を示す。体構造上アルコールへの暴露が致命的であるため、アクアヴィタエがいるときには決して姿を見せない。
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