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106 レベルが低すぎる

「それになんでそんなに小綺麗なのよ!」


 え?それは真面目にダンジョンの攻略なんてしていないし、私は名声とかいらないし。


「人を待たせておいて言うことはそれかのぅ」


 シンセイが戟の柄で地面にカツンと叩きルナを責める。


「爺さん。ルナを責めるな!弱い俺がいけなかったんだ」


 リアンがルナをかばうように前に出て言った。弱い?まさかと思いリアンのレベルを視る。


 レベル42だと!約束の45に届いてないじゃないか!これだとレベル45で覚える【レイブレイクソード】が使いえないじゃないか!これがないとストーンゴーレムの硬さに対抗できない。


 ついでに他のメンバーのレベルを視ると。


 女剣士ルアンダ Lv.25

 踊り子シュリーヌ Lv.21

 魔術師メリーローズ Lv.53

 聖女ルナ Lv.16


 ルナ!レベル16ってどういうことだ!あれだけリアンのレベルのことで舌打ちしていたくせに、ルナ自身がレベル16ってないわー。


 ロリババア以外話にならん!出直してこいと叫びたい。


 私をここまで呼び立ててこれか!


「はぁ。これでストーンゴーレム2体とどう戦うつもりなのか聞いていい?リアン?馬鹿でしょ?仲間を殺したいの?」


「これがあるから大丈夫だ!」


 そう言って堂々と見せてくれたのが、私が渡した【暁の星】だ。

 本当に馬鹿だった。


「それ使ったことないでしょ?こんなところで使えば、奥にある転移装置も木っ端微塵になると思うけど?」


 するとリアンを含めた4人が一斉にルナを見た。恐らくこれがあればガーディアンを倒せると言ったのだろう。確かにゲームでは倒せたかもしれない。だけど、ここは現実で地下のダンジョンだ。

 【暁の星】というアイテムの超新星的爆発をまともに受けて使用者も生きていけるかどうかわからない。

 因みに私の眼で見てみると。


【暁の星】

 レアアイテム。使用者の命を喰らい世界を揺るがす程の爆発を起こす。

 ただし、魂の質が悪いと不発に終わる。


 と、ある。魂の質がどういうものかわからないが、大抵が恐らく使用者は命を喰われて終わることになるのだろう。だから、これは使用するより売った方がいいものだ。


「つ、使ったことないわよ!だけど、あんたも使ったことないでしょ!」


「それはそうね。そんな使用者の命を吸って爆発を起こすものなんて、怖くてつかえないもの。だから、私は売れば星貨1枚の価値があるって教えてあげたじゃない」


「はぁ?!なんですって!」


 私が『はぁ?』だ!


「ルナどうする?」

「これは出直した方がいいのじゃ!」

「····」

「····」


 女剣士ルアンダと踊り子シュリーヌは疲れすぎて、言葉も出ないようだ。だが、ここまできて戻れるのかとい不安の顔色がみえる。 


 あちらはなにやらモソモソと話をしだした。ここまで来いと言われ来たのに、もう一度とか面倒なんだけど。これはもう、レアアイテムだけ渡せば良くない?


「シンセイさん。ちょっとこっちに来てもらえますか?」


 シンセイをこちらに呼び寄せ、ジュウロウザとシンセイに提案をする。


「あの、私もう彼女たちにつきあわされるのは嫌なので、ジュウロウザとシンセイさんでガーディアンを倒してもらえません?それで、さっさと村に帰りましょう」


 ルナはレアアイテムが欲しいだけだ。それが手に入れば私など必要ないはず。


「しかし、姫がガーディアンに命じれば済むのではなかろうか?」


 シンセイの言うことは最もだ。しかし、そんなところを見られれば、その先もいいように使われるかもしれない。ダンジョンでない古代遺跡にはいつくか開かない扉があった。その扉の向こうに行けるとわかれば?

 うん。これ以上関わらないことが一番いい。ルナ。リアンのことは頼んだ!


 私はシンセイの言葉に首を振る。


「わかり申した」


 え?これだけでわかるの?シンセイから了承を得たので、ジュウロウザの方を伺い見ると、すごい笑顔だった。


「これで、関わらなくて済むというなら、喜んでガーディアンとやらをぶっ殺そう」


 いや、ガーディアンは作り物だから。壊すという言い方の方がいいかな?

 ジュウロウザとシンセイにストーンゴーレムの弱点を教え、シンセイにリアンの方にレアアイテムだけ渡すから、あとは好きにしてと伝言をことづけた。


 しかし、ここでこんなにボロボロになっていては、ルルドでは生きてはいけない。なぜならルルドでは···。


 あ゛?なんでリアンがこっちに来るんだ?隣から発せられる雰囲気がだんだん悪くなってきているじゃないか!


「モナ。悪いんだけど。回復薬と傷薬を持っていないかな?もう、俺たちが持っていたものは使ってしまってないんだ」


 それはそうだろうね。ここのダンジョンの推奨レベルは40だからね。足手まといがこんだけいれば、使い切ってしまうだろう。

 だけど、誰が素直に渡すか!


「聖女のルナに頼めばいいんじゃない?」


「ルナはまだ見習いなんだ。あんまり無理はさせられない」


 はぁ?見習いだからなに?ロリババアは別として、レベルが一番低いルナがそんなに疲れてない様子なのは、彼女は戦闘行為には参加していないということだ。

 回復役として、参加しろよ!


「へぇ。じゃリアンは見習いだから何もさせてない、足手まといを仲間に入れているんだ」



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