いつも俯いている理由
僕がいつも俯いているのは
きっとこの世界が恐いから
置いていかれた
取り残された
この世界や人が恐いから
僕がいつも俯いて歩くのは
昔の知人と顔を合わせたくないから
遠巻きに薄く笑われている
その事実に気付きたくないから
馬鹿みたいだなって
自分でも思うよ
自意識過剰だって
もうきっと誰も僕を覚えていないし
きっと誰からも見えていないのに
僕はいつまで被害者を気取ったままでいるんだろうって
頭では分かってんだよ
あれはもう遠く過ぎ去った過去なんだって
分かっていてそれでも
僕は抜け出せない現実が
余計に僕を惨めにする
僕がいつも俯いているのは
もう誰とも知り合いたくないから
気まぐれだろうと 優しさだろうと
いつかはきっとなくなるから
みんな僕を忘れてしまうから
もう嫌なんだよ
自分だけ置いていかれて
自分だけ取り残されて
みんな はるか先へ旅立って
ちゃんと大人になっていく背中を
開いていく差を
まざまざと見せられるのは
きっと僕はまた一人になる
また一人だけ落ちこぼれる
変われない 進めない事を
内からも外からもなじられながら
僕がいつも俯いているのは
もう何も見たくないから
もう何も見なくていい
見られなくて 気付かれなくていい
どうせ最後には置いていかれるなら
もうそれでいい
それでいいはずなのに
どうしてこんなに淋しいんだろう。
それでいいはずなのに
どうしてこんなに見慣れたはずの足元が歪んで見えるんだろう