51 お前もいたのかよ!
私を背後で守る様にして、前に出た。
「ミーちゃん、後は男衆に任せましょう。
こんなに震えて、頑張ってくれてありがとう。
もう大丈夫だからね」
私を安心させる為に抱きしめてくれた。
「ミオ、凄く立派だったわ。
あんな王族より立派だった!」
ルシアにも褒められ、皆も笑顔で褒めてくれた。
「お前さん達の用件はそれだけか?
ミオに一生王宮で暮らしてもらうだと? 一生監禁生活の間違いだろ?」
バズもダン同様に怖い顔で言い放った。
「立派な監禁ですねえ。
ミオはあなた方の道具では無い!
絶対にレットーラには行かせませんっ!!」
アールは紳士なのだが、言葉に棘が含まれているかの様な言い方になっていた。
「俺は何度も何度も言ったよな?
あんたの事なんか眼中に無いと、なぜ分からない?
俺はミオ以外いらないんだよ!
あんたは『#ストーカー女__・__#』だよっ!!」
レオ、この世界では『#ストーカー__・__#』って言葉は分からないと思うよ?
「ミオ、ストーカーって何?」
ほら、アリアが不思議そうな顔をして聞いてるし。
「ストーカーっていうのはね、特定の人に異常なくらいつけ回したり、つきまといをする人の事だよ。
あと、ストーキングって言葉もあるけど、これはね、人につきまとう事を言うの」
レットーラの人達に聞こえる様に、大きい声で話した。
「クスクスクスッ。
ストーカーって気持ち悪すぎっ!」
「そうだな、俺でもストーカーは気持ち悪いって思うぜ!」
ダンってば、真顔で言わなくても良いと思うけど。
「あぁ~~、ムリムリムリ!
俺もそういう気持ち悪いの本当に無理だわっ!!」
ゼクスまで真顔かよっ!
王女様の顔が真っ赤で、怒りに『プルプル』と小刻みに震え、怖い顔で私を睨んでいる。
私の前にルシアが立ち、王女様を睨んだ。
「ここは、私達だけの国なのよ!
ミオが作った国よ、凄いでしょう?
誰も開拓出来なかった北の大陸を住める様に出来るなんて、この世界ではミオしかいないわよね。
貴方達の汚い足で踏み入れて良い場所ではないわ!!
皆もそう思うでしょ?」
皆ルシアの言葉に頷いている。
「この北の大陸は、この世界で一番巨大な陸地で魔獣や魔物が絶対に寄り付かない場所なんだぞ!
我ら王族が住むに相応しい場所なんだ!!
お前達平民は今直ぐ、出て行け!!」
「そうだ、そうだ!
早く出て行け!!」
ダルーズ・グレッグ!
またお前達かよ、あの魔物泥棒と変態オヤジまで一緒だし、最悪だわ。




