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50 コイツらはアホかバカなの?

 私達は結界(防御壁)の内側へ立ち、レットーラの騎士と兵士を睨む様に見ている。


 私は少し震えているけど、皆の前に立ちレットーラの方々に、一応優しく言葉をかけた。


「お久しぶりでございます。

 あなた方に殺されかけ、国を追い出された『ミオ』です。

 本日は、こちらへ何用で参ったのですか?」


 第1王女様はずっとレオを見つめている。


 それもウットリと。


 第2王子様は、言うまでもないけれど、私を憎たらしそうに睨んでいる。


 王様も同様に、私だけを睨んだ後、騎士に用件だけを伝え、こちらへと怖い顔をした騎士が防御壁へ入ろうとしたが、綺麗に光っている壁に顔面を打ち、痛みで屈んでしまった。


 ガッ!!


「ングッ!」


 うわあ、痛そう! 顔面をもろに打った場面を正面から見たのは初めてだよ。


「ぷっ……」


 誰か笑ってる、私も心の中では爆笑中だよ!


「コホンッ!

 あなた方は、ここへの出入りは出来ませんよ?

 私が許可した者だけしか入れません。

 用件は言葉だけで十分だと思いますが?」


「……えせ……。

 #私__わたくし__#のアーサー様を返せっ!

 この泥棒猫がっ!!」


『泥棒猫』呼ばわりされる日が来るとは、レオは私の婚約者なんだから泥棒ではないし。


 綺麗な顔が(怖っ!)恋は盲目って言うけれど、第1王女様の想いはストーカー化してるから怖いわ!


「アーサーは貴女様の婚約者では御座いません。

 私の大切な婚約者です!

 子供の頃からの婚約者です、貴女が入る隙間はありませんので、お引き取り下さい!!」


「なっ、私は王女なのよ!

 王女の私に楯突く気ですの?

 アーサー様、この女は私に酷い事を言うんですのよ、私はこんな乱暴な言い方なんてしませんわ!」


 私はレオをチラッと見たが、ウンザリした顔をしてる、第1王女様は自分の妄想世界に入ってるから放置しとこ。


「王女様と王子様の用件は後で聞きますので、王様の用件だけを仰ってください!」


 これでも、言葉を選んで丁寧に話してるんだから早く用件を言ってよ!


 顔面を打った騎士が立ち上がり、王様からの用件を私に伝えて来た。


「そこの女、レットーラだけに強力な防御壁と王付きの魔法使いとして、一生王宮で暮らしてもらう!

 これは命令だ! お前に拒否権は無い!!」


 ……何なの、私にした仕打ちも忘れて言いたい放題。


 殺されかけて、国を追い出された私が、なぜあなた方を救わないといけないの?


 あの目が怖い、レットーラの王族、騎士に兵士が私を睨んでいる。


『帰れっ!!』


 皆の声が一丸となって、レットーラの王族達に言葉を投げかけた。


「お前達がミオにした事を、俺達は絶対に許さない!

 魔物が出るからどうした?

 他の国の連中は自分達で対策しているだろうが!

 お前らも自分達だけで対策しろ! 俺の娘のミオに頼るんじゃねえっ!!」


「……パパ……、ありがとう」


 前に出ていた私を背後に下げるようにして、男衆が前に出た。

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