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48 近付くアイツら

 急いで帰宅していると、やっぱりだ『レットーラ』の王族と兵士。


 見たくもない第1王女様の顔や王様、憎たらしい第2王子様までいるし。


 私は握っていたレオの手を離しかけていた事に気付かなかったが、レオに『ギュッ』っと握られ、気付くと小刻みに震えていた。


「ミオ、声を出すなよ。

 親父、ミオが怖がってる。

 早く行こうぜ」


「そうだな。

 ミオ、大丈夫だからな」


 私はレオに横抱きにされて、移動した。


 移動している間、ずっとレオの首に抱きついた状態で、皆の所へ無事に着いた。


「ミオっ!」


 私は心配してくれていたダンの胸に、跳んで抱きついた。


「ダンっ!

 私……あんな風に反抗して、家出なんてしてごめんなさい!!」


 ダンは涙を流しながら、私を抱きしめ返してくれた。


 アール、バズ、ボブさん、ゼクス、リリーさん、ルシアや皆が私の頭を順番に撫でてくれ。


「ミオは悪くないんだ。

 アーサーとミオの生い立ちの事を考えたら、ミオが言ってた事の方が普通なんだ。

 すまなかった! 父親失格だな」


「パパは悪くないよ。

 私が悪いんだよ。

 レオに会えた嬉しさのあまり、気持ちが舞い上がってたの。

 結婚までは、清い交際にしようって決めたよ。

 でもキスだけは許してね」


 ダンは笑顔で頷いてくれた。


 そうだ! レットーラの兵士達!


「皆、気をつけて!

 レットーラの王族と騎士、兵士が来てるの!!」


「なにっ!

 戦える者は武器を!

 戦えない者の避難を最優先で動いてくれっ!!」


 私はドーム型に包んでいるバリアーを、もっと強固になるように集中し。


『エリアパワフルバリアー!!』


 何度も何度も繰り返し、どれくらいの時間がたったのだろうか? と言う程、バリアーに集中し続けていると、虹色を通り越して金色に輝きだした。


 眉がハの字になっているルシアが早歩きで近付いて来た。


「ミオ、こっちに来て!

 ここに横になって、もう本当に目が離せないんだから。

 でも、私達の為に、ありがとう」


 ルシアにベンチで横になるように言われちゃった。


 私ってば、また頑張りすぎてたみたい。


 一応気を付けてはいるんだけどな。


「頑張りすぎだっ!

 俺とルシアの結婚式に出れませんでした! なんて事になるんじゃねえぞ。

 ミオは俺とルシアの妹みたいな存在なんだからな!」


 ペチンッ!


「ギャッ!

 もう、デコピン反対! 暴力反対!」


「おっ、久しぶりの悲鳴だな」


 笑いながら言われてもな。


 ゼクスはルシアに耳を引っ張られて「い、痛え!」私みたいに悲鳴をあげている。


 そのやりとりを見ていると、可笑しくて「あははははっっ!!」爆笑しちゃった。


 クリスが歩み寄りながら、避難が終わった事を伝えながら私達を見ている。


「皆の避難、終わったぜ!」


 エリックはゼクスとルシアを見て『ヤレヤレ』な顔をしながら2人に発言した。


「おいっ、そこのバカップル!

 戦いの準備は良いか?」


 お互いを見つめ合った後、顔を真っ赤にしていたゼクスとルシア。


 なんか……2人が可愛い!!


「皆さん、応援しか出来ないけど……無理だけはしないで下さい!」


 私は皆に安心してもらえるように笑顔で、腕を組んで自信満々な顔をして言った。


「私達や強い冒険者の皆もいるし、それにここにはSSランクの伝説の人達がいるから大丈夫だよ!」


 それを聞いた皆は、安心した顔をしていた。


 話している間に、あの連中は近付いている。


 きっと明日来る!!



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