34.2度目の治癒
私は部屋のドアを開けると、兵士が立っていた。
「あっ、あの……ドラゴンがいる所へ行きたいのですが、案内して頂けると助かります」 と言ったんだけど……部屋から出るな! と、怒鳴られた。
そして勢いよくドアを閉められたんですけど……。
はあ? 何なの、私『あんた』に何もしてないじゃん! なんかムカついた……そうだ!
ドアの前に立ってる兵士に……『静電気』バッチィーン! 「ぎゃあっ!」
バッチィーン! 「ぎゃあぁっ!」
バッチィーン! 「ぎゃあぁぁっ!」
私は、どうしたんですか? みたいな顔で「あの、うるさいんですけど! 静かにして頂けますか?」
最後に結構痛い『静電気』 バッチィーーーーンッ!! 「ぎゃんっ! ……はうぅぅんっ!!」
キモッ! コイツって『ドM』? なんじゃ「なんか分かりませんけど、変な声出さないで下さい!」 と言いながらドアを閉めた後、笑っていた私です。
ドラゴン……ここから見えないかな?
と思い、テラスに出て暗闇を見てると……黒い何かが飛んで来た! ドラゴンだった。
私は駆け寄り、ドラゴンに「私は大丈夫だよ、だから自分を責めないでね」 ドラゴンに撫でながら、ギュッと抱きしめた。
ポタッと腕に雫が落ちてきて……ドラゴンの涙? 「大丈夫、私は本当に大丈夫。ドラゴンさん、大好きだよ」 ドラゴンに大丈夫な事を心から伝えると「クルルルルルーーーーッ!!」 「キュルルルルルーーーーッ!!」 初めて聞く鳴き声?
どうしたんだろ? 「ミオ、この子は今ミオに何かあったら、主人だけでなくミオも守ると言っているんだよ」 叔父さん。
「ありがとう。私も君に何かあったら助けるよ!」 ありがとう。
「もう帰って、お休み」 頬を舐めて羽ばたいて行った。
「叔父さん、心配かけてごめんなさい」 「ミオが謝る必要はないよ、悪いのは……アイツだからね」 叔父さんからドス黒いオーラが見える気がする。
叔父さんに、まだ夜中だから寝てなさいって言われ寝ていたのだけど……ジャランッ……バッシイィィーーンッ! 「グウッ!」 痛みで声が出なかった。
気付くと私は鉄臭い牢屋? に入れられ、上から吊るされた状態で、繋がれてる縄が手首にくい込んで痛い!
私が魔法を使えば簡単に終わるが、使うのは駄目って言ってたから私は……最後まで使わなかった。
私さっきまでベッドにいたはずなのに 「あなたは……なんで私を?」 「俺が命じた事は絶対に実行するんだよ!」 やれっ!! 死ぬまで止めるなよ! と第2王子が言った言葉に、息が止まりそうなくらいの恐怖心に支配されてしまった私は、涙がポタポタと地面に落ちていく。
私は何度も何度も鞭打ちをされ、血が背中を伝って流れ落ちる。
バシイィィーーン!! バシイィィーーン!! バシイィィーーン!!
「玲央……兄ちゃん、助け……て……やっと会えた……のに……助け……て……」 「グオォォォーーーーッ!!」 ドラゴンに微かな声が届いたのか、騎士と玲央兄ちゃん、叔父さん・叔母さんとアリア……。
薄着で鞭打ちをされて、服はビリビリになって地面に落ち……下着姿のままで何度も鞭打ちをされ、血が止まらなかった、アーサーさんは激怒し「てめぇ!」 「お待ちなさい! 王様にどんな判断が下されるかで、私達は行動しましょう。今は治癒が先よ! 治癒師、早くしなさい!!」 叔母さんは、私を鞭打ちしていた者なら殴って良いわよ! とアーサーさんに言った。
先に私をソッと下ろし、鞭打ちしていた男を何度も何度も殴った。
私は2度目の治癒をしてもらい、アーサーに壊れ物を扱うようにして、ベッドまで運ばれた。
気がつくと、朝になっており横にはアーサーさんが居た。
「ミオ、痛い所はないか? 見つけるのが遅くなって悪かった」 「アーサーさんのせいじゃないよ。見つけてくれてありがとう」 今から、王様に判断される時間らしくて、一緒に行くか? と聞かれたので「行く!」 と言った。
「私、1人で歩けるよ? アーサーさん……ねえ聞いてる?」 叔父さんに、アーサーは激怒しているから今は話しかけても反応はないよ。って言われたので、もうこのままで良いや。
王様・王妃様・第1王子・第1王女・第2王女がこちらを見ていた。
私を鞭打ちした兵士と第2王子は縄で縛られていた。
視線? 違う、殺気だ! 何処から……第1王女が私を睨んでいるし、なんで? 私、面識なんて無いのに。
「アーサーさん、私……第1王女に睨まれてるんだけど、なんでだろ?」 あれは、アーサーさんにしつこく言い寄って来ているのだとか。
結婚して欲しいと言われて、何度も何度も断っているのに、王都へ来るたびにお色気で来たりされるらしいです。
今でも言って来たり、手紙は毎日送って来るって……王女って暇なの? 他にする事ないのかな。
昨日は私の為だけに来たというのに、自分の胸を押し付けるように、アーサーさんの腕に抱きついて来たんだとか……。
これは、つまり『嫉妬』だな。
私は第1王女に見せつけるように、アーサーさんの胸に頭を置いた。
バキバキッ! 扇子が折れてるし、私は第1王女の反応が面白くて……私も悪女っぽいよね。
第2王子はどんな判決になるのかな?
まさか……斬首なんて無いよね、もしあったら見たく無いし止めてほしい。
第1王子は興味がないって感じの顔をしているし、第2王女は……扇子の向こうで欠伸してる!
この王国大丈夫なの?
早く判決を下してくれないかな? 早く部屋に帰りたい!
あっ、王様と王妃様が立った。
誤字や脱字がありましたら、すみません。
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