23.ダブル【ビッグベアー】とジースアンへ行く
私とダンさん、バズさんはジースアンへとやって来た。
「聞いていたのと違うぞ!」 「ギルドでは悪臭が酷く、疫病が流行ってるって聞かされて……俺達は避けてたんだ」 バズさんとダンさんの眉間にシワがより、益々【ビッグベアー化】してる。
「おいミオ、今ビッグベアーって言ったな?」 私はダンさんに顔を左右に振った……「ミオ、ビッグベアーって聞こえたぞ?」バズさんに手で左右に振り、言ってないよ! と誤魔化した。
「異臭は……あったのか?」
私は、異臭があった事を伝え、その異臭は亡くなった方と病人の体臭、体を洗えてないので汚臭もあった、井戸の水は腐り食べる物も無く……異臭騒ぎはそのせいだと話した。
ジースアンはイーベルより酷い状態だった。
昨日はゼクスさんが肉の解体をしてくれて、食事は何とかなったものの、お年寄りには空きっ腹に肉は……少ししか食べられなかったので、果物と魚を持ってきたと話した。
「ミオ、魚と肉になる魔物は持ってないか?」 聞かれると思ってたので、じゃ〜〜ん【ビッグベアー】を出した。
ジトーーーーーーッ! ダンさんとバズさんがジト目で見てるし「あはははは、肉は【ビッグベアー】しかなくて!」私はビッグベアーの言葉だけを強調した。
「ミオ……ビッグベアーの言葉だけを強調して言ってないか?」 私はダンさんとバズさんに顔と手を左右に振り……逃げた! 「こら、ミオ!」 このやり取りを見た子供達が笑顔で「お姉ちゃん、また来てくれたの? 僕お腹空いた」「私も……食べたい」 子供達は目に涙をためて空腹を訴えて来た。
子供達に頭を撫でながら笑顔で「お肉や魚を焼いてる間、果物を食べててくれる?」 私は林檎を出すと、子供達が笑顔になり、頷いた。
「お年寄りの皆に果物を配るのを手伝ってくれるかな?」 子供達は良いよ! と言って案内をしてくれた。
その間にダンさんとバズさんが【ビッグベアー】の解体と魚を焼いてくれていた。
焚き火を作り、その横に小さい焚き火で肉と魚を焼いて、出来た物を皆に配った。
「お嬢さん、昨日も今日も来てくれてありがとう!」 「お姉ちゃん、井戸の水を綺麗にしたり家の中まで綺麗にしてくれてありがとう」 私は誰かが亡くなるのは見たくなくて、間に合って良かった! という安堵感に涙が溢れ、頷く事しか出来なかった。
「ミオのお陰で、分かった事がある。
領主はイーベルだけではなく、ここジースアンも資金を提供されていなかったという事だ」
バズさんはあのクソ領主が! って言いながら、子供達にはニコニコしながら肉を配っていた。
「焼きたてだから気をつけるんだぞ。
魚もあるから、いっぱい食べろよ!」
【ビッグベアー】な見た目なのに優しいよね。
私はとっさに後ろを向いた……「おい、今また【ビッグベアー】とかほざいてたよな?」 「い、言ってないよ!」 思っただけ。
私は広場の横に池を作る為に魔法で『弾丸』 ドオオォォォンッッ! 大きな穴を作り『天然水』ナチュラルウォーター! 透明で綺麗な水を大きな穴の中に入れ、池の底には藻などを敷き、アイテムボックスに入れていた魚を池に入れると元気に泳ぎだした。
子供達は「お魚さんだ!」 と喜んでくれた。
当分は食べ物に困らない様にしなくちゃ! 干し肉を作ったら日持ちになる。
「ダンさん、干し肉って作れる?」 「おう、干し肉は簡単だ。この町の者も知ってるから、後で若い者に教えておく……それよりミオ、働きすぎだ。ここに座ってろ」 昨日に続き今日も動きすぎだったからか少しフラついていた。私は座って暖かい焚き火に当たっていると、いつの間にか寝てしまっていたみたい。
町の皆も私に気をきかせてくれたのか、ゆっくり眠れた。
気づいたら何故かダンさんに横抱きに抱えられて眠っていた。
私は恥ずかしさのあまり、跳び退いた。
「お、重たかったでしょ! 寝ちゃってゴメンね」 ダンさんは何もなかったように「重くないぞ、むしろもっと食った方が良いぞ!」ダンさんは両手を変に動かしてたのを、バズさんが見て「変態だな」と言った。
私も「変態だよね」バズさんに同調した。
「お嬢さん、もう大丈夫かい? この町の為に連日来て助けてくれて、本当にありがとうございます」
町の皆が一斉にお辞儀をした。
「私は当たり前の事をしただけです。皆さん、頭を上げて下さい!」 私は焦りながらオロオロしていた。
オロオロする私を見て「ア〜〜ハハハハッ!」 「クククッ! ガハハハハッ!」 爆笑するダンさんとバズさん、私は頬を膨らませて怒った。
夕方になってきたので、私は町全体に『エリアリフレクション』 『エリアシールド』 『エリアバリヤー』 もう一度『エリアバリヤー』をした後に『強力結界』パワフルバリヤー!!
ジースアンの人達に「また来ます」と言って、ダンさんとバズさんの手を握り『フライ』で飛んで帰った。
帰ってる途中でフラついたが、何とか無事に帰れたと思ったら眠気が来て……気を失った。
誤字や脱字がありましたら、すみません。
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