19.領主の野望失敗!
イーベルの皆さんは本当に良い人達です。
ダンさんの娘にって話、実は……まだ決めてないの。
っていうより、決められない。
ダンさんは絶対に良いパパになるって分かる! S級ランクで強い……けど、私を養女にしたと分かったらダルーズ・グレッグの手下? とか、隠密とか使われたら……。
「……ミオ、何か悩んでるのか? まぁ、予想はついてるがな」
バズさんに話しかけられ、私はバズさんを見上げ……頷いた。「ダンさんは良いパパになるって分かる……けど、私といると危険になるんじゃないかって……だから言えなくて」バズさんに優しい手つきで頭を撫でてもらい、ありがとう! と感謝した。
その時だった。
…………!!
「バズさん、皆を広場に集めて! 早く、間に合わないと死んじゃう!」 私の必死な剣幕に驚いていたが「分かった!」と言って皆を広場へ呼んでくれた。
「皆、広場に集まってくれてありがとう。今は緊急事態なので強力な結界を何重もはります。だから安心して……」私は中央へ行き『強力結界』パワフルバリヤー!! 『強力結界』パワフルバリヤー!! 『強力結界』パワフルバリヤー!! 私は何度も何度も繰り返し、やっとバリヤーが黄金に光りだした。
私は結界から出て、もう一度『強力結界』パワフルバリヤー!! 「フライ」飛んで周りを見た、やっぱり……ダルーズ・グレッグ達が魔獣を怒らせ、この町を消す? 襲う? 事を企んでいる? っぽいよね?
私は町全体にも『強力結界』パワフルバリヤー!! を何度もはり魔獣を見た……「何あれ?」 何体いるのよ、黒いワイバーン8匹・赤い竜に似たモンスターが10体・蛇の竜? のような魔物3匹……やるしかない!
「おいおいおいおいっ! あれは上級ワイバーンと下級サーペントじゃねぇか! あの赤い竜……マジかよ、ドレイク!! ミオが強いって言ってもこれは無理だろ! 俺らが加勢したとしても勝てるかどうか……」 ダンさんは皆の目を見ながら話した。
皆は、もう諦めた様な顔をしていた。
私は絶対に諦めないし負けるなんて思ってもいない! だって自信があるから、実力の過信はしないよ、それをしてしまえば努力をしなくなって破滅に導く事になるから。
なんて言うのかな? 勝てる! って、何かが言ってる気がするの。
それに……初めから負けを決めてたら皆を救えないって、この世界に来て思い知ったから!
漫画や小説に出て来るモンスターや魔獣の実物なんて、恐竜くらいしか見た事無いし……たまに未確認の○○とかテレビやネットで聞いたりもあるけど、流石にモンスターや魔獣なんてないな。
兎に角、皆を出せない様に外から町全体を『風檻!』 ウィンドジェイル!!
ビュウウゥゥゥッッッ!! 町全体を風の檻で皆を閉じ込めた。
「ミオ、ここから出せ! 俺達も戦う……ミオ!!」 「これは私の戦いだよね? 売られた喧嘩は買わないとでしょ! 倍返しよ!!」 黒いワイバーン8匹・赤い竜に似たモンスター10体・蛇の竜?3匹に『雷檻』サンダージェイル! バババババッ!! 雷の檻に閉じ込めた『放電』スパーク!! ワイバーン・赤い竜・蛇の竜に強力な放電を流した! 『超風圧』ハイ・エアブレス!! ワイバーン・赤い竜・蛇の竜に超強力な風圧で抑えつけた! ワイバーンは息が弱く力尽きそうだ。『風弾』ウィンドパレット!! ワイバーンに何度も風の弾丸がバシュッバシュッ! と当たり、ワイバーンは全滅した。
「チェックメイト!!」
「……ミオ……あんなに強いんだ、あんなに強いと皆欲しがるよね。でも、それを守るのは私達の役目……だよね、お父さん!」 「あぁ、ミオは強い……だが女の子だ、戦い以外では俺達が守ってやらないとな」アリアとボブさんが手を握って頷きあった。
アリアは私に「ミオーーーー! 負けるな! 頑張れぇぇぇぇぇぇぇーーーーーー!!」
「ミオーー! 気を抜くなよ、サーペントはドラゴンの下級だがドレイクは火を吐いて来るから気をつけろ!!」 ゼクスさんを見て頷いた。
サーペントに『雷』サンダー!! ドドーーーーンッ! サンダー!! ドドーーーーンッ! サンダー!! ドドーーーーンッ! サーペントにサンダーが勢い良く当たり3匹とも即死だった。
「チェックメイト!!」
残るはドレイクのみ! ドレイクは口から火を吐いた……ゴオオオォォォーーーー!! 「ふぎゃぁっ!!」 「あ〜〜はははははっっ! ふぎゃぁっ! ってなんだよ……ププププッ!」 遠くでゼクスさんの笑い声と、いつもの会話が聞こえてきて、緊張が解けた気分だよ。ゼクスさん、ありがとう。
『氷槍』アイスランス!! ズシャシュッ!! ズシャシュッ!! 攻撃力が強く、ドレイクにダメージが大きかったのが分かった。
仕上げよ! 『氷刃』アイスカッター!! ビシュッ!! ビシュッ!! 「貫けーーーー!!」
ジュシャァーーーーンッ!! ドオオオォォン!!
「チェックメイト!! 倒した!」 私は空中で皆に振り向き「倒せたし、あのダルーズ・グレッグっていう巨大なブタは逃げたよ? 逃して大丈夫?」大丈夫だとダンさんが言ってくれたが……「ミオ、お前さんは捨てられたんだよな?」 私は困った顔をした……この事は、本当に信頼できる人だけに話そう。
私はそう決意した。
この決意が私の未来へと続く扉が、大きく開かれる事になる。
誤字がありましたら、すみません。
読んでくださり、本当にありがとうございます。
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