14.ダン視点
ミオのギルドカードを発行する為の試験を受ける事になったので一緒にギルドに来ていた。
ミオがあんなに強いと誰も思わないだろう、だが……俺達の予想を超えたこの世で最強と呼べる力をミオは持っている。
ミオの防御魔法が無かったら俺達は今頃……考えただけで身震いした。
俺が気づいた時にミオは何処にも居なかった。
俺達が放心状態になっていたせいで。「クソッ! おい、お前ら放心してる場合じゃねえ、ミオがいない!」
ギルド嬢のアイリスに聞くと「えっ? 暇だから外に行きましたけど? ダンさんが一緒ではなかったのですか?」 何だと! 外、1人で外に出たのか! クソッ! 「これからも1人で行動するな」と言っておけば良かった。
「ダン、ミオが居ないって本当か?」「あぁ、俺達が放心状態になっている間にギルドの外に出たらしい」ゼクスにダンは話してた時に……誰かがやって来たみたいだ。
ダダダダダダダダッ! ドドッドドッドドッドドッ! ガラガラガラガラッ!
ギルドの前に止まった!
何だ! 誰が来たんだ。この忙しい時に……あれは!
貴族じゃねえか! それも……領主……ダルーズ・グレッグだ。
厄介な奴が来やがったな、ギルドに何の用だよ! ……嫌な予感がするな、まさか! ミオの事じゃないよな。
俺の予想は的中する確率が高いからなぁ。
バアァァァンッ!!
おいおい、戸が壊れるだろうが!
「オイ、ここにブラウンの髪に紫の目の子供がいるだろ? 今すぐ出せ! そいつは俺の子だ!!」
シイイイイィィィィィーーーーーーーーーーン…………。
「領主様さぁ、ここは子供の遊ぶ場所じゃねえんだから、そんなガキ居ねえよ!」 「じゃぁ何処にいるんだ! 知る者はいないのか? 使えんギルドだな!! お前達、王都へ行くぞ!」 ギルマスが領主に話すと、領主はギルドに文句を言いながら王都へ行った。
やはりミオが狙いか! 「オイ、あいつはミオが狙いだ。早くミオを探さないといけねぇ!」
あいつ、ミオは自分の子供とか言っていたな……ありえねえ! あのブタ野郎に子供は男児が2人だけのはずだ、それに髪色と目の色が違う! ブタ野郎とその嫁の髪と目は、同じ黒に近い深緑だからだ。子供も同じ黒に近い深緑の髪と目だ。ミオみたいに綺麗なサラサラなブラウンの髪と淡くて綺麗な紫の目と、かなりかけ離れてる。
「あの、失礼します。こちらにダンはいらっしゃいますか?」 んっ? 俺に客か? 今は本当に多忙なんだけどな。
「あれ、お前さんは……ボブじゃねえか! 冒険者を引退して以来だな。元気にしていたか?」 懐かしい奴が来やがったな。
来客はボブの事か?
「ダン、本当に久しいな。俺もリリーも元気で女の子が生まれたよ」いい顔で話すようになったな。
「俺に何か用があったんじゃねえのか? 何か困り事か? 聞いてやりたいんだが、ギルマスでも良いか?」
「伝言だけだから直ぐに終わるよ。ミオからの伝言なんだが……」「何! ミオだと! アイツは何処に?」 ボブは困った顔をし……『イーベル』へ向かったと聞かされた時は頭が真っ白になってたが、ボブの娘が領主の護衛である兵士に重症の怪我をさせられた上に暴力を振るわれてた所を、ミオに助けられお金の代わりに、娘との友達を希望したは良いがイーベルの話を聞いたミオが「病気の人達を助けたい」と言ってアリアとアビーネスを出た事と「自分勝手な行動してごめんなさい。悪い事していないのに死んじゃうのは見過ごせない」という謝罪をボブに伝言を頼んだらしい。ミオらしいっちゃ、らしいが……。
アイツは! 「ボブ、ミオが迷惑かけなかったか? 伝言ありがとう。領主がミオを自分の子供にしようと躍起になって探しているみたいなんだ! 俺もミオの後を追う、リリーにヨロシク言っておいてくれ」「あぁ、リリーに伝えてから、俺も同行したいんだが良いか? 俺は……ミオの事を信じれると思ったからアリアの同行を許可した」ボブは、ミオの事を……そうか、例え俺が逆の立場でも許可してたな。
ミオ……お前は何処まで強くなるんだ!
さてと……ミオを迎えに行くとするか。
誤字がありましたら、すみません。
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